【習い事の詰め込み】子どもの負担と見直すサイン

【習い事の詰め込み】子どもの負担と見直すサイン

習い事の数を増やしたものの、負担が気になっていませんか?ベネッセコーポレーションの「小学生の習い事調査」では、習い事を2つ以上掛け持ちする子どもの割合が半数を超える結果が出ている一方で、子どもの自由時間の減少や、親の送迎・経済的な負担などがあることも事実です。

この記事では、習い事の詰め込みが子どもに与える影響と、無理なく見直すための具体的な手順を紹介します。わが子に合った習い事のペースを見つけるためのヒントとして、ぜひ最後までお読みください。

習い事を詰め込みすぎている子どものサイン

習い事の数が増えると、子どもは不満があっても言葉でうまく伝えられないことがあります。ここでは見逃さないための、特に気をつけたい3つのサインを紹介します。

友達と自由に遊ぶ時間がない

放課後や週末に友達と遊ぶ約束をしたくても、「習い事があるから行けない」という状況が続いている場合は、習い事の予定が多くなりすぎています。

友達と自由に遊ぶことは、子どもの成長にとって大切な経験のひとつです。遊びの中でルールを決めたり、意見がぶつかったときに話し合ったりすることで、社会性やコミュニケーション力、問題解決力などが育まれていきます。

また「友達と遊びたい」と言わなくなった場合は、本当は遊びたい気持ちがあっても、どうせ無理だとあきらめているケースも考えられます。子どもの様子に注意しつつ、友達との関わり方や気持ちについて、ゆっくり話を聞く時間をとってあげてください。

些細なことでイライラする

怒りっぽくなったり、ちょっとしたことで泣いたりするなど、子どもは様々なサインでストレスや疲れを伝えることがあります。

子どもは成長の途中にあり、自分の気持ちをうまく整理したりコントロールしたりする力がまだ十分に育っていません。そのため、習い事や学校で忙しくなり、心や体を休める時間が不足すると、気持ちに余裕がなくなりやすくなります。

イライラする様子が続いていたり、感情の起伏が大きくなったりしている場合は、要注意です。子どものストレスになるような、無理なスケジュールになっていないか確認してみると良いでしょう。

疲れた様子で習い事を嫌がる

以前は楽しそうに通えていたのに、当日になるとぐずったり、「行きたくない」と言ったりすることが増えた場合も、ストレスがたまっている可能性があります。一時的な可能性もありますが、長く続くようであれば、習い事の内容や量を見直してみましょう。

また、子どもに「どうして行きたくないと思ったの?」「習い事で困っていることはある?」など、気持ちを確認することも大切です。友達との関係や練習内容への不安、単純な疲れなど、理由は子どもによって様々です。大人が一方的に判断せず、子どもの気持ちを確認しながら対応を考えましょう。

習い事の詰め込みがもたらす悪影響

習い事の詰め込みがもたらす悪影響

ここでは、子どもが習い事をやりすぎているときに起こりえる、3つの悪影響を紹介します。

自由時間の削減:自主性の成長を止めてしまう

習い事が増えると、子どもが自由に過ごせる時間が少なくなってしまいます。「今日は何をして遊ぼうかな」と考えたり、友達と遊び方を決めたりする経験は、自主性や創造力を育む大切な時間で、そこでのみ得られる学びも少なくありません。

習い事には新しい知識や技術を身につけられるなど、多くのメリットがありますが、友達や家族と過ごす機会は減少してしまいます。習い事と自由時間のバランスをとることを意識してみましょう。

睡眠時間の削減:体調を崩してしまう

習い事が増えると、移動時間や宿題、練習に時間がかかり、睡眠時間が十分に確保できなくなるケースも少なくありません。

睡眠中に分泌される成長ホルモンは、骨や筋肉の発育を促し、病気に負けない体づくりを支えています。睡眠時間が短いと脳を十分に休めることができず、イライラしやすくなるなど心身への影響も考えられます。
習い事を頑張ることで、睡眠が削られてしまっては本末転倒です。子どもの体調や生活リズムを優先しながら、無理なく通えるスケジュール(習い事の数や通い方)を考えてみましょう。

なお、必要な睡眠時間は年齢によって異なります。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド」に、年代ごとの目安が示されているので、参考にしてみてください。


▶子どもの睡眠時間の目安

  • 1〜2歳児:11〜14時間
  • 3〜5歳児:10〜13時間
  • 小学生:9〜12時間
  • 中学・高校生:8〜10時間

親の負担:送迎負担や経済的負担が増える

習い事が増えると、子どもだけでなく保護者の負担も大きくなります。特に送迎が必要な習い事の場合は、仕事や家事の合間に時間を確保しなければなりません。

また、費用面でも月謝や備品などにより、出費が大きくなるケースが多々あります。時間やお金をかけているからこそ、「せっかく通っているのだから頑張ってほしい」と期待が大きくなることもあるでしょう。その結果、子どもが思うように取り組まなかったときに、厳しい言葉をかけてしまうこともあるかもしれません。

子どもへの期待は悪いことではありませんが、負担が大きくなると、親子関係に影響を与えてしまう可能性もあります。

習い事の数を考える際は、送迎や費用などの負担を考慮し、無理なく続けられる環境を整えることが、ポイントです。

子どもの負担にならない適切なペース配分

ここからは、適切な習い事のペース配分を考えるうえで参考になる3つのポイントを紹介します。

小学生の平均的な習い事の数

ベネッセコーポレーションが2024年に行った「小学生の習い事調査」によると、有料の習い事をしている小学生は全体の約70%になります。「1つ習っている」と回答した人が45.2%で最多ですが、「2つ習っている」と回答した人は33.9%と、次に多くなっています。

1つ習っている45.2%
2つ習っている33.9%
3つ習っている15.1%
4つ以上習っている5.7%

【引用】ベネッセコーポレーション「小学生の習い事調査

また、2025年に公開されたニフティキッズによるアンケート調査では、習い事をしている小学生は84.4%となっています。こちらでも、習い事の数は「1つ」の回答が最多ですが、「2つ」は27.9%、「3つ」は22.0%と続きます。

1つ31.7%
2つ27.9%
3つ22.0%
4つ7.7%
5つ以上10.7%

【引用】ニフティキッズ「【調査結果】週4日以上習い事をしている小中学生は36.8%!約7割が「やめたくなったことがある」と回答

この結果から、小学生の場合は1~3つ程度が平均的といえるでしょう。ただし、習い事の内容や頻度、子どもの体力・性格によって適切な数は異なります。あくまでも参考のひとつとして考えてみてください。

週に2日以上は予定のない日を作る

習い事の数だけでなく、何も予定のない日を確保することも大切です。毎日予定が入っている状態が続くと、心や体をゆっくり休める時間が不足し、疲れがたまりやすくなります。

以前は楽しんでいた習い事を嫌がるようになった場合も、疲れが背景にあるケースがあります。

疲労やストレスがたまりすぎないように、習い事や塾の予定を入れない自由な日を週に2日以上設けてください。特に、学校行事や他の習い事で忙しい時期は、一時的にペースを調整することも検討すると良いでしょう。

自由に遊べる余白時間を確保する

予定のない時間は、子どもが自分で遊びを考えたり、好きなことに夢中になったりできる大切な時間です。こうした経験は、創造力や自主性を育むことにつながります。大人から見ると「何もしていない時間」に思えるかもしれませんが、子どもにとっては頭や心が育っている大切な時間なのです。

子どもがのんびり過ごせる自由時間も、意識して確保しましょう。

多すぎる習い事を見直して整理する手順

多すぎる習い事を見直して整理する手順

「習い事を減らしたほうがいいかもしれない」と感じても、どう進めればよいか迷う方は多いでしょう。ここからは、習い事を見直すための3つの手順を紹介します。

子どもの話を聞く

まずは、子どもの気持ちをしっかり聞いてみましょう。「どの習い事が好き?」「困っていることはある?」などと問いかけ、答えを急かさずに最後まで耳を傾けます。途中で口を挟みたくなることもあるかもしれませんが、「そう思うんだね」と子どもの気持ちを受け止める姿勢で聞いてあげてください。

また、子どもがいつでも相談しやすいように、日頃から話しやすい雰囲気を作っておくことも重要です。家事や仕事で忙しいと思いますが「毎日寝る前に話す時間を作る」「一緒におやつを食べながら話す時間をつくる」など、話を聞く時間を意識的に設けてみましょう。 

習い事の優先順位を決める

子どもの気持ちを聞いたうえで、次は習い事の優先順位を整理していきます。まずは「親子ともに必要ないと思うもの」から見直し、次に「親が続けてほしいと考えていること」を検討するとスムーズです。習い事をするのは子ども自身なので、できる限り子どもの意向を優先しましょう。

ただし、受験などが関わり、親の意向を伝える必要があるケースもあります。その場合は「私はこうしてほしい」という「Iメッセージ(自分を主語にした伝え方)」を意識して話し合うと、伝わりやすくなります。

また「習い事の回数を減らす」「しばらくお休みする」という方法もあります。特に、進級・進学など、環境が大きく変わるときは、習い事を見直す良いタイミングです。家庭の状況や子どもの性格に合わせて、柔軟に考えてみましょう。

友達や家族との時間を確保できているかを確認する

習い事の数を整理するときは、友達や家族と過ごす時間が確保できているかどうかを確認しましょう。友達と遊ぶ時間や、家族でゆっくり過ごす時間は、子どもの情緒の安定にも大きく関わります。

「友達と放課後に遊べる日が週に何日あるか」「家族で夕食を一緒にとれているか」などを目安にしてみてください。

まとめ

習い事のやりすぎは、子どもの自主性や睡眠、情緒の安定に影響を与えることがあります。「友達と遊ぶ時間がない」「些細なことでイライラする」「疲れた様子で習い事を嫌がる」といったサインが見られたら、見直しを検討してみてください。子どもに余裕がなさそうなら、予定のない日を作るなど、自由に過ごせる時間を確保しましょう。

習い事は子どもの可能性を広げる手段のひとつですが、まずは子どもの心身の健康が重要です。家庭の状況や子どもの個性によって最適なペースは異なるため、親子で対話しながら、無理のない習い事との付き合い方を一緒に考えていきましょう。

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