【徹底解説】モンテッソーリ教育とは?子どもの才能を伸ばす教育法を解説

子育て中のママやパパなら、一度は「モンテッソーリ教育」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。ただ、なんとなく聞いたことはあっても、どのような教育法なのか詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、モンテッソーリ教育の基本や特徴、家庭での実践方法について、わかりやすく解説していきます。
モンテッソーリ教育とは?
そもそもモンテッソーリ教育とはどういうものなのか、みていきましょう。
モンテッソーリ教育の創始者
モンテッソーリ教育法を考案したのは、イタリアの医師であり教育者でもあるマリア・モンテッソーリ(Maria Montessori)です。
彼女は1870年に生まれ、医学を学び、イタリア初の女性医師となりました。
その後、発達に課題を持つ子どもたちの教育に携わる中で「子どもは本来、自ら成長する力を持っている」と気づきます。
彼女は子どもの発達を深く研究し、子どもが自主的に学び成長できる環境を整えることの重要性を見出しました。
そして、1907年にローマで「子どもの家(Casa dei Bambini)」を開設し、独自の教育法を実践します。その成果が世界中に広まったことで、現在では多くの国でモンテッソーリ教育が取り入れられているのです。
モンテッソーリ教育の目的
モンテッソーリ教育の目的は、子どもが自分の力で考え、行動し、学びを深められるようになることです。
先生や大人は一方的に教えるのではなく、環境を整えてサポートすることに徹します。そうすることで、子どもは自発的に学びながら成長していくのです。
モンテッソーリ教育の5つの特徴
モンテッソーリ教育には以下のような5つの特徴があります。
・子ども主体の学び:子どもが自分の興味に合わせて活動を選べる
子どもが自分で興味のある活動を選び、主体的に学ぶことを大切にしています。
そのため、大人が決めた課題を押し付けるのではなく、子ども自身がやってみたいと思うことに取り組める環境を整えることが重要です。
・整えられた環境:発達段階に合った教材や教具を用意する
モンテッソーリ教育では環境を整えることが非常に重要です。
そのため、年齢や発達段階に合った適切な教材や教具を用意する必要があります。
また、モンテッソーリ教育の教室では、子どもが自由に動けるように整理されており、どこに何があるのか一目でわかるよう工夫されています。
すべての教材や教具は子どもの手が届く高さに配置されているため、子ども自身が興味を持ったものにすぐにアクセスできるのです。
このように環境を適切に整備することによって、子どもは自然と学ぶ意欲を高め、自主的に活動に取り組むようになります。
・試行錯誤できる仕組み:自分で考え、工夫しながら学ぶ
子どもが試行錯誤しながら学ぶ機会が豊富に用意されている点も、モンテッソーリ教育の特徴のひとつです。
例えば、数の概念を学ぶ教具では、決まった数のビーズや数字カードがあり、正しく並べないとバランスが取れなかったり、合わなかったりする工夫がされています。
これにより子どもは、どうしてこうなるのだろう?と考えながら学ぶことができるのです。
・異年齢の交流:年齢の異なる子ども同士で学び合う
モンテッソーリ教育では、年齢の異なる子どもたちが一緒に学ぶ縦割りクラスを採用していることが多いです。
この仕組みによって、年下の子どもはこうすればできるようになるんだと学び、年上の子どもは教えることで理解を深める経験を積むことができます。
また、年齢が異なる子ども同士で関わることで、社会性や協調性も育まれるでしょう。
・大人はサポート役:先生や親は見守りながら適切にサポートする
大人の役割は教えることではなく、子どもが学べる環境を整え、見守ることです。
大人が先回りして手助けをするのではなく、子どもが自分で考え、試行錯誤する時間が大切です。
例えば、子どもがボタンを留める練習をしているとき、大人がすぐに手伝ってしまうと、子どもは自分でできた!という達成感を味わえません。
子どもが自分でできるようになるまで、見守ることが大切です。
このようにモンテッソーリ教育では、大人は教える人ではなく、見守る人として子どもの自発的な学びをサポートしていきます。
モンテッソーリ教育のメリット
次に、モンテッソーリ教育を受けるメリットをご紹介します。
集中力と思考力が身につく
前述した通り、モンテッソーリ教育では大人はサポート役で、手を貸さずに見守ります。
その分、子どもは自分のお仕事に専念することができます。
ひとつのお仕事にじっくり取り組むことで集中力が身につき、試行錯誤しながら考える力も自然と育まれるでしょう。
自己肯定感と自信が育つ
モンテッソーリ教育は自分で考え、試行錯誤し、学ぶ教育法です。
自身の力による成功体験の積み重ねは、自己肯定感を育みます。
子ども自身が選んだ活動をやり遂げることで「できた!」という達成感を味わい、自信につながるでしょう。
自立心と自主性が育つ
後述しますが、モンテッソーリ教育の主要な分野には「日常生活の練習」という内容があります。
日常生活の練習を取り入れることで、自分でできることが増え、子供が主体的に行動できるようになります。
知的好奇心が育つ
やってみたいという気持ちを大切にしながら学びを深めることで、好奇心を刺激し、探求心が養われます。
モンテッソーリ教育の5つの分野
モンテッソーリ教育には、子どもの成長を促すための5つの分野があります。
それぞれの分野について詳しく見ていきましょう。
日常生活の練習
この分野では、ボタンを留める、靴を履く、机を拭くなど、日常生活で必要な動作を学びます。
練習を重ねることによって子どもは手先の器用さを養い、自立心を高めることができます。
感覚教育
感覚教育では、視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚といった五感を刺激し、認識力を高める活動を行います。
この分野では色の違いを学ぶための色板や、音の高さを比較する教具などを使用することが多いです。
また、この分野は、後の数学や言語の学習にも大きく影響します。
言語教育
言語教育の分野では、文字の形を覚えたり、音と結びつけたりする活動を通じて、読み書きの基礎を学びます。
例えば、砂文字を指でなぞることで、視覚と触覚を使って文字を覚える方法などです。
また、豊かな言葉の環境を整えることで語彙力や表現力を伸ばすことも期待できるでしょう。
数教育
数教育では、数の概念を直感的に理解できるような教具を使います。
例えば、ビーズを数えたり、数の棒を並べたりすることで、数量の感覚を養っていくのが一般的です。具体的な物を使って学ぶことで、抽象的な数字の概念を自然に身につけることができるでしょう。
数学の基礎を作る大切な分野です。
文化教育
文化教育の分野では、地理・科学・音楽・芸術など、幅広い知識に触れることが重要です。
具体的には、地球儀を使って国の名前を覚えたり、植物の成長を観察したりすることで、自然や世界への興味を引き出します。
また、モンテッソーリ教育では、芸術や音楽を通じて感性を育むことも大切にしています。
これら5つの分野をバランスよく取り入れることで、子どもは知識やスキルを総合的に身につけられます。
日常生活の中で意識しながら関わることで、子どもの成長をより豊かにすることができるでしょう。
モンテッソーリ教育を家庭で実践する方法
モンテッソーリ教育を家庭で実践する場合の教具の選び方と、年齢別におすすめのお仕事をご紹介します。
家庭でできるモンテッソーリ教具の選び方
家庭でモンテッソーリ教育を取り入れる際には、子どもの発達段階に合った教具を選ぶことが大切です。
まず、子どもが興味を持ちやすいシンプルで安全な教具を選びましょう。
また、五感を刺激するアイテムを取り入れるのも効果的です。
例えば色や形を分類できるおもちゃ、感触の異なる素材に触れられる教具などを活用すると、感覚教育の基礎を育めるでしょう。
さらに、子どもが自分でできたという体験を積めるよう、日常生活の中に役立つアイテムを取り入れるのもポイントです。
子ども用の包丁や水を入れるためのピッチャー、小さなモップなどを使うことで、生活する中で練習を楽しく進められます。
重要なのは、教具を与えっぱなしにするのではなく、子どもが興味を持ち、自発的に取り組めるような環境を整えることです。
無理に教え込むのではなく、子どものペースで楽しみながら学べるように見守りましょう。
年齢別|家庭でできるモンテッソーリ教育
家庭でモンテッソーリ教育を実践する際には、子どもの年齢に合わせたアプローチが重要です。そこで、家庭でできるモンテッソーリ教育を年齢別にご紹介します。
・0〜3歳
この時期の子どもは感覚を通じて学ぶことが多いため、五感を刺激する活動を取り入れましょう。
例えば、握りやすい積み木、布や木の異なる感触を楽しむおもちゃ、簡単な形合わせパズルなどが効果的です。
また、日常生活の練習として、自分でコップを持つ、おもちゃを片付けるといった簡単な動作を促すことも大切です。
・3〜6歳
自立心が芽生え、より複雑な活動に興味を持ち始める頃です。
野菜を洗ったりパンにジャムを塗ったりなどの簡単な料理のお手伝いやボタンの留め外し、ひも通しなどの細かい作業を取り入れると良いでしょう。
また、感覚教育としては、色分けや音を聞き分ける遊び、数の概念を学ぶビーズカウンターなどを活用すると知的好奇心を刺激できます。
・6歳以上
この時期になると、論理的思考力や創造力を伸ばす活動が重要になります。
地図を使った地理の学習、簡単な実験、工作などを取り入れることで、学びの幅が広がります。
また、家庭でルールを決めて子ども自身に計画を立てさせたり、責任を持って家の仕事を任せたりすることで、自主性や問題解決能力を育むことができます。
モンテッソーリ教育に関するよくある質問
最後に、モンテッソーリ教育に関する質問にお答えします。
モンテッソーリ教育はいつから始めるべき?
生後6ヶ月頃から五感を刺激する遊びを取り入れるとよいでしょう。
成長に応じて、少しずつ活動を増やしていくのがポイントです。
モンテッソーリ教育は発達障害の子にも有効?
モンテッソーリ教育は、一人ひとりのペースに合わせて学べるため、発達に特性がある子どもにも適しています。
無理なく学べる環境を整えることで、安心して成長できるのが特徴です。
モンテッソーリ教育のデメリットは?
親が環境を整えないと効果が出にくい点や、教具をそろえるのに費用がかかる点がデメリットとして挙げられます。
また、幼稚園や小学校でもモンテッソーリ教育を受けさせたいと考えていても、採用している園や学校が限られている点にも注意してください。
まとめ
モンテッソーリ教育は、子どもが持つ学びたいという意欲を大切にしながら、自立や集中力を育む教育法です。
特別な道具をそろえなくても、家庭で簡単に取り入れられる要素はたくさんあります。日常の中でできることから始めて、子どもの成長をサポートしていきましょう。