エリア
習い事 1

メンタルリープとは?親子で乗り越えるための対策ガイド

メンタルリープとは?

「なんだか最近、ぐずる時間が増えた気がする」「急に抱っこじゃないと寝なくなった」
そんなふうに感じたことはありませんか?
それは、「メンタルリープ」と呼ばれる時期で、赤ちゃんの“心の成長”が始まったサインかもしれません。

「これで大丈夫かな?」「どう接すればいいんだろう」
そんな戸惑いを少しでも減らせるように、この記事ではメンタルリープのしくみや時期ごとの特徴、親子でできる対策を紹介します。

メンタルリープとは?

赤ちゃんが急にぐずりやすくなったり、よく泣くようになったりするのは、実は「心の発達」が関係していると考えられています。
これらのぐずりや行動の変化は脳の急速な発達に伴い発生し、「メンタルリープ」と呼ばれています。
もともとはチンパンジーの観察研究をもとに、人間の赤ちゃんにも同様の時期があるのではないかと着目され、世界中の親子を長年観察して統計的に導き出された理論です。
明確な医学的根拠があるわけではありませんが、親たちの実体験と行動データに基づいており、多くの専門家がその存在を認めています。

参考:https://leapapa.amebaownd.com/posts/categories/2652541

メンタルリープの定義

先述の通り、「メンタルリープ」は、赤ちゃんの心と脳が大きく成長する節目に起こる、ぐずりや行動の変化を指す言葉です。
1990年代にオランダのプローイュ夫妻が提唱し、「特定の週齢で赤ちゃんが不安定になり、その後に認知や行動が飛躍的に成長する」という傾向に注目しました。

この現象をまとめた書籍『ワンダーウィーク』が世界中で親しまれ、育児の参考として広く知られ、「メンタルリープ」という言葉が使われるようになりました。
ただし、正式な学術用語ではありません。

成長の証「ぐずり期」がなぜ起こるのか

メンタルリープ中のぐずり期は、赤ちゃんが成長しようとしているサインです。
赤ちゃんの脳は急ピッチで発達し、今まで見えなかったものが見えるようになったり、音の違いに気づいたりと、世界の感じ方が大きく変わります。
でも、それは赤ちゃんにとって想像以上の変化。
頭の中が情報でいっぱいになって、戸惑いや不安を「ぐずり」という形で表現しているのです。
泣いたり甘えたりが続くと、つい心配になりますが、裏を返すと“できること”が確実に増えているという前向きな変化の証でもあります。
赤ちゃんの心が、ぐっと広がる前の準備期間だと思って、そっと見守ってあげてください。

 メンタルリープの時期と獲得する能力

 メンタルリープの時期と獲得する能力

赤ちゃんのメンタルリープは、出産日からおよそ20か月間の間に10回程あるとされています。
それぞれの時期に、赤ちゃんはまるで別人のように変化することも。
ここでは、10回のリープについて、どんなタイミングで何を獲得していくのかを順番に紹介していきます。

 ①生後5週間ごろ=「五感のリープ」

最初のメンタルリープは、生後5週ごろに訪れ、「五感のリープ」とも呼ばれます。
この時期には、光や音、肌の感覚など五感が目を覚まし始めてきます。
それまでぼんやりしていた世界が、一気にカーテンを開けたように広がるような感覚です。
驚いて泣いたり、笑顔を見せたり、反応も少しずつ豊かに。
柔らかなタオルに触れさせたり、やさしい音楽を聞かせたりと、やわらかい刺激を通して「見て・聞いて・触れて」感じる力を育んであげましょう。
赤ちゃんの心を、そっと包みこむように寄り添ってあげてくださいね。

 ②生後8週間ごろ=「パターンのリープ」

次のメンタルリープは「パターンのリープ」と呼ばれ、生後2か月ごろに訪れます。
赤ちゃんは、くり返しや決まったリズムなどの規則性に気づきはじめ、「また同じことが起こる」と感じる力が芽生えてきます。
手足をじっと見つめたり、同じ動きをくり返して遊ぶのもその表れです。

一定のリズムで揺れる抱っこや、くり返しの歌も、赤ちゃんにとって心地よい刺激になります。
日々の中に、小さな“安心のリズム”をそっと取り入れてみてください。

 ③生後12週間ごろ=「推移のリープ」

「じっと見つめたり、音のするほうを気にしたりするようになった」そんな変化が見えたら、生後3か月ごろに訪れる3回目のメンタルリープの「推移のリープ」かもしれません。
この時期の赤ちゃんは、バラバラだった出来事を「流れ」として感じ取れるようになってきます。

例えば、ママが入ってきて声をかけ、笑って出ていく——そんな一連の動きが、“繋がった出来事”として見えるようになるのです。
声のトーンや動き、音の方向にも関心が高まり、目で追ったり、音のするほうをじっと見つめたりする姿が増えていきます。
これは、赤ちゃんが“世界の流れ”に気づきはじめたサインです。
同じ言葉や動きをくり返してあげると、赤ちゃんにとって安心できる“分かりやすい世界”になりますよ。

 ④生後19週間ごろ=「出来事のリープ」

4回目のメンタルリープは「出来事のリープ」と呼ばれ、生後4〜5か月ごろに訪れます。この頃の赤ちゃんは、身のまわりで起こることを“ひとつの出来事”として理解しはじめます。

例えば、転がるボールを最後まで目で追ったり、自分で手を伸ばして何かが起こるのを楽しんだり。
さらにこの時期には、「前もこうだった」「こうしたらうまくいくかも」といった、小さな記憶や予測が芽生えはじめるのも特徴です。
ほんの少しずつですが、大人のような“考える力”の土台が育ち始めるタイミング。

動きや変化のあるおもちゃを取り入れて、「やってみたい」「見ていたい」という気持ちを引き出してあげましょう。

 ⑤生後26週間ごろ=「関係のリープ」

5回目のリープは、生後6か月ごろに訪れる「関係のリープ」です。
人やモノとの距離や位置関係を感じ取る力が育ち、行動にも変化が見られます。
ハイハイで近づこうとしたり、ママの姿が見えなくなって泣いたりするのは、「離れた」という感覚を理解しはじめたサイン。
この頃になると、後追いが始まる子も多く、“関係”を意識し始めた証拠でもあります。
赤ちゃんが安心して動き回れるように、探検しやすい環境を少しずつ整えてあげましょう。

 ⑥生後37週間ごろ=「分類のリープ」

生後9か月ごろには、6回目のメンタルリープ「分類のリープ」が訪れます。
この時期の赤ちゃんは、人やモノを“仲間同士”として分けて考える力を育てはじめます。

例えば、りんごとみかんを「食べ物」、ワンちゃんとネコちゃんを「動物」としてまとめて捉えるように。
おもちゃを並べたり、似たものを見比べたりする行動も見られるかもしれません。
この時期は、詳しい説明よりもシンプルな語りかけをしてあげましょう。
「ワンワンだね」「バナナだよ」そんな一言が、赤ちゃんの気づきをそっと後押ししてくれます。

 ⑦生後46週間ごろ=「順序のリープ」

7回目のメンタルリープは、「順序のリープ」と呼ばれ、生後10〜11か月頃に訪れます。
この時期の赤ちゃんは、「順番通りにやってみる」ことに強い興味を持ち、積み木や砂遊びなどの“工程”を楽しみはじめます。
「こうすると、こうなる」という因果関係を、遊びの中で体験しているのです。
少しずつ“やり方”にこだわりが出てくるのもこの頃。
赤ちゃんが集中できるようなシンプルな道具を用意して、試行錯誤しているのを応援してあげましょう。

 ⑧生後55週間ごろ=「工程のリープ」

1歳を過ぎる頃、「自分でやってみたい!」という気持ちが強くなってきます。
それが8回目のメンタルリープで、「工程のリープ」と呼ばれています。
ブロックを順番に積んだり、絵本を1ページずつめくったり。
お片づけや着替えにも関心を持ち、行動を順序立てて進める力が育っていきます。
赤ちゃんにとっては、「できた!」という達成感が大きな喜び。
少し手を貸したり、「すごいね」と声をかけながら、自分でやりきる楽しさを応援してあげましょう。

 ⑨生後64週間ごろ=「原則のリープ」

なにかを落としたり開けたり——そんな“いたずら”が増えてきたら、9回目のメンタルリープ「原則のリープ」かもしれません。
1歳3か月ごろに訪れ、「こうするとこうなる」といった行動のしくみやルールを、体を使って確かめようとします。
例えば、「落とせば下に行く」「開けたら部屋がある」など、世界のしくみを試すように行動するのが特徴です。
少しずつ言葉が通じはじめる一方で、「ほんとかな?」と試したくなる気持ちも強まります。
その“試してみたい”気持ちは、考える力が育っているサイン。
危険のない範囲で見守りつつ、「これはOK」「それはダメ」と、やさしくルールを伝えていきましょう。

 ⑩生後75週間ごろ=「体系のリープ」

10回目のメンタルリープ「体系のリープ」は、生後1歳半ごろに訪れます。
赤ちゃんは、「場所や相手に合わせてどう振る舞うか」を、少しずつ感じ取りはじめます。
公園では元気に走り回り、図書館では静かに絵本を見る。
そんな風に、“ここではこうする”を考えながら動くようになっていくのです。
保育園では頑張って、お家で甘える——そんな姿にも、状況に合わせる力の芽が見えかくれ。
赤ちゃんがその場に合った行動を、自分で選べるようになっていくよう、「ここではこうしようね」と優しく伝えましょう。

メンタルリープ中の子どもの変化

メンタルリープの時期には、赤ちゃんの心と体にさまざまな変化が見られます。
ときには、「成長しているはずなのに、前より手がかかる気がする」と感じることもあるでしょう。
でもそれは、新しい世界の捉え方を身につけようと頑張っている途中の反応です。
ここでは、よく見られる3つの変化について紹介します。

感情・行動の変化(ぐずり、抱っこ要求など)

不安や混乱からぐずりやすくなったり、急に抱っこをせがむようになることも、メンタルリープの時期によく見られることのひとつです。
一見わがままに見える行動でも、赤ちゃんにとっては知らない世界に対する「助けて」の気持ちの現れです。
こうした様子は後戻りのように感じるかもしれませんが、赤ちゃんの中では新しい力を身につける準備が進んでいる段階です。
不安定な時期には、安心感を与えてあげるためにも、温かいスキンシップや声かけをしてあげましょう。

睡眠・食事の変化

メンタルリープの時期は、眠りが浅くなったり、夜中に起きることが増えたりと、睡眠リズムが乱れがちになります。
昼寝を嫌がったり寝つきが悪くなることもありますが、多くは一時的なものです。
食事にもムラが出やすく、急に食べなくなったり、好きだったものを嫌がることもあります。
無理に食べさせようとせず、赤ちゃんのペースに合わせて見守ってあげましょう。

体調面での注意点

メンタルリープ期間中の赤ちゃんは、環境の変化や刺激が増えることで、疲れやすく、発熱や便のゆるみなど、体調に小さな変化が出ることがあります。
泣く時間が増えたり、表情が曇ることもあるかもしれません。
そんなときは、無理に刺激を与えず、静かで安心できる環境でゆったり過ごせるようにしましょう。
気になる様子が続くようであれば、小児科に相談してみると安心です。

メンタルリープを乗り越えるためのサポート

メンタルリープを乗り越えるためのサポート

メンタルリープは、赤ちゃんにとって小さな心の嵐のような時期。
そんなとき、そばにいる大人の関わり方が、赤ちゃんにとって1番の安心になります。
ここでは、毎日の中でできるシンプルなサポートの工夫をご紹介します。

スキンシップで安心感を与える

メンタルリープ期間中は、不安や戸惑いから気持ちが不安定になりがちです。
そんなときこそ、ぎゅっと抱きしめたり、背中をトントンするスキンシップが心を落ち着かせてくれます。
言葉が通じなくても、ぬくもりだけで「大丈夫」「そばにいるよ」という気持ちはしっかり伝わります。

睡眠や食事など、規則正しい生活リズムの維持

メンタルリープが進む中で、赤ちゃんの体調や気分が揺れやすく、睡眠や食事にばらつきが出ることもあります。
だからこそ、毎日のリズムが変わらないことが、赤ちゃんにとって安心につながります。
お昼寝やごはんの時間をなるべく一定にすることで、「1日はこんな流れなんだ」と見通しが立つように。
ただし、完璧を目指さなくても大丈夫。
できる範囲で「いつも通り」を意識してあげましょう。

焦らず、赤ちゃんのペースで見守る

メンタルリープ期間には、できていたことができなくなったり、甘えが強くなったりすることもあります。
でもそれは、赤ちゃんが新しい力を吸収している途中のサインです。
焦らず見守りながら、「頑張ってるね」「やってみたね」と声をかけるだけでも、赤ちゃんの心は育っていきます。
後半のリープでは「自分でやりたい」気持ちも芽生えてくるので、上手くいかないときはそっと手を貸し、できたときは一緒に喜んであげましょう。

メンタルリープ期間中の親自身のセルフケア

赤ちゃんが不安定な時期は戸惑うことばかりで、親自身も疲れてしまいがちです。
でも、親がゆとりを持つことは、赤ちゃんの安心にもつながる大切なことです。
ここでは、リープ期間中に意識しておきたい「親自身のケア」についてご紹介します。

適度な遊びや休憩でストレスをためない

育児をしていると、「もう限界かも」と感じることもありますよね。
そんなときは、ほんの数分でも心がほっとする時間をとってみてください。
お茶を飲む、音楽を聴く、深呼吸をする——それだけでも気持ちがふっと軽くなることがあります。
「休んでもいい」「頑張りすぎなくて大丈夫」と、自分にも優しい言葉をかけてあげましょう。

家族や友人にサポートしてもらう

メンタルリープ期間は、夜泣きや甘えが増えて、ひとりで抱え込むのが辛くなることもあります。
そんなときは、「ちょっとだけ見ててくれる?」と、家族や友人に頼ってみてください。
誰かに頼ることは、弱さではありません。
赤ちゃんとしっかり向き合い育てるため作るために、必要なことです。
完璧じゃなくても、「今日もよく頑張った」と思えるだけで十分です。

まとめ

メンタルリープは、赤ちゃんがひとつずつ世界を広げていく大切な時期。
ぐずったり、いつもとちがう様子に戸惑うこともあるかもしれません。
でも、そんな変化も成長の証です。
忘れないで欲しいのは、親であるあなた自身の心と体も大切にすること。
全てを完璧にする必要はなく、できるときに、できることを対応していけばいいのです。

焦らず、赤ちゃんと一緒にゆっくり歩んでいきましょう。

都道府県
都道府県を選択してください
市区町村を選択してください
トップへ