「子どもにスマホはいつから持たせるべき?」、連絡ツールとして便利だと分かっていても、スマホ依存やSNSトラブルの話を聞くと、不安を感じる保護者も多いでしょう。特に、小学校高学年から中学生になると、友達との連絡や塾通いなどで、スマホの必要性を感じる家庭も増えていきます。
この記事では、子どもの年代別のスマホ所有率や持たせるきっかけ、メリット・デメリット、安全に使うためのルール作りを紹介します。スマホデビューに迷ったときの判断材料として、ぜひ参考にしてください。
まずは、年代別の子どものスマホ所有率を紹介します。
【参照】NTTドコモ モバイル社会研究所
2025年11月 親と子に関する調査(抜粋:スマートフォンの所有状況)
| 小学1年生 | 小学2年生 | 小学3年生 | 小学4年生 | 小学5年生 | 小学6年生 |
| 9% | 19% | 25% | 37% | 51% | 54% |
近年は、小学生のうちから「自分専用のスマホ」を持つ子どもが増えており、2025年11月に実施した調査では、小学5年生でスマホ所有率が半数を超えています。所有開始年齢の平均は男子10.4歳、女子9.9歳で、女子の平均が10歳を下回ったのは、調査開始以降で初めてです。
| 中学1年生 | 中学2年生 | 中学3年生 |
| 85% | 86% | 89% |
中学生になると、スマホを持つ子どもはさらに増え、中学1年生の所有率は85%に達します。
小学生の頃と比べ所有率が高まる背景には、部活動や塾通い、友達同士の連絡の増加があります。特に、中学生になるとLINEなどのメッセージアプリで連絡を取る場面が増え、スマホがないと連絡が取りづらくなるケースも少なくありません。学校行事や部活の予定共有で、スマホを活用している家庭も増えています。
ただし、周囲に合わせて急いで持たせる必要はありません。必要に応じて、家庭に合ったタイミングを検討しましょう。

ここでは、よくある「子どもにスマホを持たせるきっかけ」を紹介します。
子どもが成長すると、一人で塾へ通ったり、遅い時間に習い事に行ったりするケースが増えてきます。帰宅時間の把握や、送迎の連絡、位置情報の共有が必要になるため、スマホを持たせる家庭が多くなります。特に、夕方以降に帰宅する場合は、送迎や予定変更の連絡がすぐにできると安心です。
中学校から、電車やバスで通学する子どももいます。公共交通機関を利用する場合、遅延や乗り間違いなどのトラブルも考えられますが、スマホがあるとすぐ連絡できるため安心です。
最近では、交通系ICカードをスマホに登録し、定期券代わりに使う家庭も増えています。路線検索アプリや乗換案内アプリを活用できる点も、スマホならではのメリットです。
小学校高学年から中学生にかけて、遊びや部活動の連絡など、友達同士で連絡を取り合う機会が増えていきます。また、メッセージアプリでグループ連絡をする場面も多いため「スマホを持っていないと話に入りづらい」と感じる子どももいます。
友達関係や連絡の頻度は子どもによって異なりますが、子どもとコミュニケーションをとりながら、必要であれば検討しましょう。
ここでは、子どもにスマホを持たせる主なメリットを紹介します。
スマホを持たせる大きなメリットは、緊急時にすぐ連絡が取れる点です。「電車を乗り間違えた」「習い事が長引いた」「急に体調が悪くなった」などの場面で、保護者へすぐに連絡できるため、必要な対応がしやすくなります。子どもにとっても、すぐに保護者と連絡できることは、安心感があります。
スマホのGPS機能を利用すると、保護者のスマホから子どもの位置情報を確認できます。帰宅予定の時間を過ぎても帰ってこないときなど、「今どこにいるのか」を知りたいときに役立ちます。
一方で、位置情報の確認が過度になると、子どもが「監視されている」と感じる場合もあります。「安全確認のために使う」と事前に説明し、信頼関係を大切にしながら活用しましょう。
スマホを辞書代わりにしたり、動画で授業内容を復習したりと、学習ツールとして使うケースも増えています。辞書を持ち運ぶ負担が軽減し、動画を視聴することで学習内容が理解しやすくなるなどのメリットがあります。
ただ、勉強中も手元にスマホがあることで、学習に関係のないアプリやゲームを開きたくなるなど、邪魔になってしまうケースもあります。「家族がいるリビングで使う」「勉強に関係のないアプリの通知はオフにする」など、ルールを決めておくと良いでしょう。

スマホには便利な面がある一方で、使い方によっては生活リズムや心身に影響を与える場合もあります。この章では、子どもにスマホを持たせるときの注意点を確認していきましょう。
スマホを長時間使うと、視力や睡眠に影響が出やすくなります。文部科学省の「令和7年度学校保健統計調査」では、裸眼視力1.0未満の子どもの割合が増加傾向にあり、中学校では6割、高等学校では7割程度となっています。スマホやタブレットの使用時間との関連も指摘されています。
また、寝る前のスマホ使用にも注意が必要です。スマホ画面から出るブルーライトには、眠気を促す「メラトニン」というホルモンの分泌を抑える働きがあります。そのため、夜遅くまで動画やSNSを見る習慣が続くと、寝つきが悪くなる場合があります。
「夜9時以降は使わない」「寝室に持ち込まない」など、生活リズムを守るルールを決めておくと安心です。
SNSは、友達との連絡や情報収集に便利な一方で、トラブルにつながるリスクもあります。警察庁の「令和7年における少年非行及び子供の性被害の状況について」によると、2025年にSNSをきっかけとして犯罪被害に遭った18歳未満の子どもは1,566人でした。特に、小学生の被害児童数は、過去10年で最多となっています。
また、総務省の「我が国における青少年のインターネット利用に係る調査」では「他人の投稿と自分を比べてストレスを感じた」「メッセージアプリやSNSのDMなど、クローズドな場でのやりとりでトラブルがあった」との回答が見られます。特に中学生頃は、友達関係の影響を受けやすい時期でもあり、既読無視やグループトークのやり取りに悩むケースもあります。
「知らない人とは連絡を取らない」「困ったらすぐ相談する」など、使い始める前に話し合っておくことが大切です。
スマホを持ち始めると、ゲームや動画を見る時間が増えるケースがあります。特に子どもは、欲求をコントロールする「前頭前野」という脳の部位が発達途中のため、大人より依存状態になりやすいとされています。
時間制限アプリやタイマー機能を活用しながら、無理なくコントロールできる環境を整えると良いでしょう。
ここからは、スマホを持たせた後に安全に使うためのルールを紹介します。
スマホを使う時間を決めておきましょう。日本小児科医会の『「子どもとメディア」の問題に対する提言』では、3歳以降は「すべてのメディアへ接触する総時間を1日2時間まで、テレビゲームは1日30分まで」を目安に考えるとしています。スマホの長時間利用は、睡眠不足や学習への集中低下につながる可能性があるため、注意しましょう。
加えて、「1日◯時間まで」「宿題が終わったら30分」「夕食後だけ使う」など、生活の流れに合わせる方法もおすすめです。まずは短めに設定し、守れたら少しずつ調整していくと、無理なく続けやすくなるでしょう。
「リビングだけで使う」「寝室には持ち込まない」など、スマホを使える場所を決めておくこともおすすめです。特に、寝る前のスマホ使用は睡眠の質に影響しやすいため、充電場所をリビングに固定する方法も効果的です。保護者が使い方を確認しやすくなるメリットもあります。
フィルタリングは、有害サイトや年齢に合わないコンテンツへのアクセスを制限する機能です。18歳未満の子どもがスマホを利用する場合、携帯電話会社にはフィルタリングサービスを提供する義務があるため、契約している会社のサービスを調べてみましょう。
子どもの年齢や利用用途に合わせて、フィルタリングの強度を調整できることが一般的で、アダルトサイトや危険なSNSへのアクセス制限だけでなく、利用時間を管理できる機能もあります。
スマホを使い始める前に、一緒に確認や設定をしておくと安心です。
ペアレンタルコントロールとは、保護者が子どものスマホ利用を管理する機能を指します。iPhoneの「スクリーンタイム」や、Androidの「ファミリーリンク」などが代表的で、アプリの使用時間制限や位置情報の確認、アプリのダウンロード承認などを設定できます。
ただし、制限を厳しくしすぎると、子どもが隠れて使おうとするケースもあります。最初はしっかり管理しつつ、年齢や使い方に応じて少しずつ自由度を広げる方法がおすすめです。
子どもにスマホを持たせる時期に正解はなく、子どもの生活環境や成長に合わせて考えることが大切です。緊急時の連絡や学習ツールとして活用できるメリットがある一方で、睡眠不足やSNSトラブル、依存などのデメリットもあります。
フィルタリングやペアレンタルコントロールも活用して、親子で上手にスマホと付き合っていきましょう。