エリア
習い事 1

知育とは?知的な能力を育む幼児教育

知育とは?

子どもの将来のために、「小さいうちから何かできることはないかな?」と考える方も多いのではないでしょうか。
最近では、子どもの“考える力”を育てる「知育」が注目されています。
なんとなく聞いたことはあっても、具体的に何をするのかまでは、知らない方も多くいらっしゃいます。
この記事では、知育の基本やメリット、すぐにできる取り組み方や続けるコツをご紹介します。

知育とは?

知育とは、幼少期から子どもの知的な力を育てるための教育です。
思考力・判断力・想像力といった“考える力”の土台を、遊びや日常の体験を通じて自然に育んでいきます。
この「知育」という考え方は、イギリスの教育学者ハーバート・スペンサーが提唱した「三育(知育・徳育・体育)」に由来しています。
知育は、いわゆる“勉強”ではありません。
文字や数を覚えることよりも、子ども自身が「なぜ?」「どうして?」と考えるきっかけを大切にし、楽しい遊びや日常の中で“学ぶ楽しさ”に出会えるよう工夫された教育です。
例えば、絵本を読んだりおもちゃで遊んだり、料理や洗濯を手伝ったり。
そんな日常の中にある体験が、子どもにとっては知的な刺激になります。
成長が著しい幼児期に、さまざまな経験を通して“未来を生きる力”を育てていけるのが、知育の魅力です。

知育の定義と幼児教育との違い

「知育」と「幼児教育」はどちらも子どもの成長に関わる大切な取り組みですが、目的や役割には違いがあります。
まず「幼児教育」とは、小学校入学前の子どもを対象に、家庭や保育園・幼稚園などで行われる教育全般を指します。
遊びや人との関わりの中で、確かな学力や心、体力、社会性などを総合的に育てていくのが特徴です。
一方、「知育」は幼児教育の中に含まれますが、その中でも知能面に特化しています。
「どうして?」「なぜ?」といった子どもの好奇心に寄り添い、思考力や判断力、想像力を自然に育てていきます。
知育は年齢を問わず行えますが、特に0歳〜小学校入学前の時期に始めるのが効果的とされています。
子どもの脳の発達は著しく、3歳までに約80%、6歳までに90%が完成すると言われているためです。

なぜ今、知育が注目されるのか

知育という考え方は、昔から大切にされてきました。
明治時代には福沢諭吉の著書『学問のすゝめ』で「知育・徳育・体育」が紹介され、日本中に広まったと言われています。
そして今、知育の価値があらためて見直されつつあります。
きっかけのひとつが、OECDによる国際学習調査(PISA)。
この調査では、幼児期から知的な刺激を受けてきた欧米の子どもたちが、のちに高い学力や思考力を発揮していることが示されています。
また、変化の激しい現代では、「自分の頭で考えて動ける力」がこれまで以上に重要視されています。
知育とは、いわば“考える力の土台づくり”。
土をやわらかく耕しておけば、あとから芽がぐんぐん伸びていくように――。
幼いころの体験や遊びは、将来の伸びしろを大きく育ててくれるのです。
こうした時代の流れのなかで、再び知育が注目を集めているのでしょう。

出典:https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/001/index28.htm?oplid=88c74e5879.1818-6d9e11eb-7ed91b6e-18a917a1356-1-2-1

知育がもたらすメリット

知育がもたらすメリット

知育には、子どもの成長を後押ししてくれるさまざまなメリットがあります。
ここでは、特に注目したい3つのポイントをご紹介します。

非認知能力(思考力・創造力など)の向上

知育は、数や言葉を覚えるだけでなく、「考える力」や「工夫する力」など、目には見えない“非認知能力”を育ててくれます。
非認知能力とは、数値化できない思考力や創造力、意欲、協調性、自己肯定感などのことです。
例えば、ブロック遊びひとつでも、「どうすれば高く積めるかな?」「壊れないようにするには?」と考えながら手を動かしますよね。
そういった小さな試行錯誤の積み重ねが、思考力や創造力、集中力、そして粘り強さなどを育ててくれるのです。
これらの力はテストでは測れませんが、大人になってからも仕事や人間関係で大切にされる“生きる力”の土台になります。

IQの向上

知育は、子どものIQ(知能指数)を高める効果があると言われています。
IQとは、知識の量を表すものではありません。
物事を理解したり、筋道を立てて考えたり、状況に応じて動ける“頭の働き”の力を数値化したものです。
知育は、まさにこの“自分の頭で考えて工夫する力”が自然と身につくアプローチ。
脳の中では、ニューロンと呼ばれる神経細胞が情報を受け取り、それをシナプスという“橋”を使って他の細胞へ伝えています。
このシナプスがたくさん作られ、活発に働くほど、情報処理のスピードや柔軟な思考力が高まっていきます。
知育玩具で遊ぶことで、「どうすればできるかな?」「もう一回やってみよう」と自然に考えるクセが身につけられます。
こうした日々の小さな経験の積み重ねが、脳のネットワークをぐんぐん育て、IQの向上が期待できるのです。

親子のコミュニケーションにつながる

知育は、親子で一緒に楽しみながらできるものが多く、自然とコミュニケーションの時間が増えるのも大きな魅力です。
パズルで一緒に遊んだり、絵本を一緒に読んだりすることで「これはどこだと思う?」「このあとどうなると思う?」といったコミュニケーションが生まれます。
そんなやりとりの中で、子どもは「話す」「聞く」「伝える」といった力を身につけていきます。
何より、「一緒に考える」「できたね!と喜ぶ」といった時間は、親子の信頼関係や安心感を深める大切なひととき。
子どもの心も、言葉も、じっくりと育っていきますよ。

おすすめの知育方法

知育は特別な環境がなくても、家庭でできることがたくさんあります。
ここでは、取り入れやすく効果的な3つの方法をご紹介します。

知育玩具や知育教材の使用

ブロック、パズル、積み木など、いわゆる「知育玩具」は、遊びながら学びにつながる優れたツールです。
例えば積み木は、「どうやったら倒れない?」「高く積むには?」と子どもの中にある“考える芽”を引き出してくれます。
ブロック遊びは、色や形を認識する力や、空間をイメージする力も育ててくれます。
また、迷路やシールブック、文字カードなどの教材もおすすめです。
「遊び=学び」に変わるような仕掛けがあるものを選ぶと、子どもも夢中になって取り組めますよ。
まるで“おもちゃの中に小さな先生がいる”ような感覚で、楽しみながら力が育っていくのです。

知育アプリの活用

最近では、タブレットやスマホで使える知育アプリも増えています。
パズルや数あそび、英語の音声つき絵本など、種類も豊富で、短い時間でも気軽に取り入れられるのが魅力です。
「音を聞いて動物を当てる」「画面をタッチして数を数える」といったゲーム感覚のアプリは、遊んでいるうちに考える力や集中力が育まれていきます。
ただし、長時間使い続けるのは逆効果になることもあるので、親子で時間のルールを決めておくことがおすすめです。
“画面越しの知育”も、使い方しだいでしっかり力になりますよ。

知育教室の利用

専門の知育教室では、年齢や発達段階に応じたプログラムが用意されており、プロの先生が子どもの力を引き出してくれます。
家庭とは違う環境の中で、他の子どもたちと刺激し合いながら学べるのも大きなポイントです。
具体的には、数の概念を体を使って学んだり、物語をもとに自分の意見を言ってみたりと、「考える力を遊びの中で広げていく」ようなレッスンが行われています。
知育教室は、子どもにとって“小さな社会”のような場所。
家庭では得られない経験により、思わぬ才能の芽が見つかることもあるでしょう。

家庭でできる知育遊びとアイデア

家庭でできる知育遊びとアイデア

知育は、特別な道具がなくても大丈夫。
毎日の暮らしの中に、小さな“学びのタネ”がたくさん隠れています。
ここでは、親子で楽しく実践できる知育のヒントを3つご紹介します。

家事を手伝ってもらう

料理や洗濯、掃除など、ふだんの家事も、子どもにとっては学びのきっかけになります。
タオルをたたむ、テーブルをふく、野菜をちぎるなど、年齢に合わせた“ちょっとしたお手伝い”は、手先の器用さや集中力、順序立てて行動する力を養ってくれます。
「今日はこれをお願いね」と任せてみるだけでも、自分で考えて動く力や責任感も自然と育っていきますよ。
家事は、大人にとっては当たり前のことでも、子どもにとっては“学びの宝庫”。
無理なく気軽にできるので、知育の入り口としてぴったりの方法です。

絵本の読み聞かせをする

絵本の読み聞かせは、語彙や理解力、集中力を養うのにおすすめの方法です。
くり返し同じ絵本を読むうちに、ことばを覚えたり、お話の流れをつかんだりと、言葉への親しみも深まっていきます。
「このとき、主人公はどんな気持ちだったかな?」「続きはどうなると思う?」と話しかければ、考える力や自分の気持ちを表現する力にもつながります。
小さいうちから始められるので、毎日の習慣として、是非取り入れてみてくださいね。

散歩する・公園で遊ぶ

散歩や外遊びは、五感を育てる絶好のチャンスです。
風の音、草のにおい、空の明るさや葉っぱの形など、自然の中には「なんだろう?」と感じるきっかけがたくさんあります。
「これはどんな色かな?」「どんなにおいがする?」と声をかけるだけでも、観察する目や感じ取る力が少しずつ育っていきます。
特別な準備がなくてもできるからこそ、毎日の中で気軽に取り入れられる、知育にぴったりの時間です。

上手な知育を行うためのポイント

知育は、「やり方」よりも「向き合い方」がとても大切です。
ここでは、子どもが楽しくのびのびと学ぶために心がけたいポイントを2つご紹介します。

親子一緒に楽しみながら行う

知育を続けていくうえで何より大切なのは、親子で一緒に楽しむこと。
子どもは、親とのふれあいや会話を通して安心感を得たり、やる気を伸ばしたりします。
たとえ成果がすぐに見えなくても、「頑張ったね」と声をかけることで、子どもは自信を持ち、自分から取り組む姿勢が身についていきます。
強制したり叱ったりすると、知育そのものが苦手になってしまうこともあるため、無理に進めるのではなく、子どものペースを大切にしましょう。

五感を刺激し、成長を促す

知育を効果的に行うためには、五感(見る・聞く・触れる・嗅ぐ・味わう)をバランスよく使うことがポイントです。
例えば、絵本の読み聞かせで耳と目を使う、積み木で遊びながら手先の感覚を養う、公園で花の香りをかぐ、虫の音を聞く――そんな体験ひとつひとつが、脳を豊かに刺激してくれます。
すべての感覚を同時に刺激する必要はありません。
日々の中でいろいろな体験を少しずつ重ねていくことが、着実に子どもの成長につながっていきます。

まとめ

知育は、子どもの知的な力を無理なく、楽しみながら育てていくための教育です。
特別なことをしなくても、絵本の読み聞かせやお手伝い、外遊びなど、日常の中でできることがたくさんあります。
大切なのは、「早くできるように」と焦るのではなく、その子のペースに寄り添いながら、一緒に楽しむこと。
子どもの自己肯定感や意欲を育てるためにも、叱るのではなく、小さなことでも褒めることを意識しましょう。
毎日のちょっとした工夫が、未来へとつながる大きな一歩になりますよ。

都道府県
都道府県を選択してください
市区町村を選択してください
トップへ