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待機児童問題とは?今すぐできる解決策と今後の展望

待機児童問題の現状と背景

近年、共働き世帯が増える一方で、待機児童問題が深刻な課題となっています。待機児童になると、職場復帰ができず、キャリア形成や家庭の収入にも大きく影響します。そのため、子どもが待機児童にならないための対策を知りたいママやパパも多いのではないでしょうか。

この記事では、待機児童の現状と背景、原因、今すぐできる具体的な対策をご紹介します。入園できる可能性を高める方法も紹介していますので、子どもを保育園に入園させたいと考えている方は、ぜひ最後までお読みください。

待機児童問題の現状と背景

まず初めに、待機児童問題の現状と背景から見ていきましょう。

待機児童問題とは

待機児童とは、保育の必要性の認定などの条件を満たしたうえで、保育園への入所を申し込んだものの、希望する施設に入園できない状態にある子どもを指します。

待機児童は単に保育園に入れないという問題にとどまらず、家庭の収入やキャリア形成、生活の安定にも影響を与える大きな社会課題です。

待機児童数は2017年をピークに、政府や自治体の取り組みによって近年は減少してきています。一方で、地域によって待機児童の現状にばらつきがあることが課題となっており、今後さらなる対策が求められています。

都市部を中心に深刻化する待機児童の現状

待機児童の問題は、特に東京や大阪などの都市部で深刻化しています。

都市部は共働き世帯が多く保育園の需要が高い一方、施設や保育士の不足により児童の受け入れが追いつかない状況です。また、人気の高い保育園に希望が集中することも一因となり、入園できずに働き方を見直さざるを得ない家庭も増えています。特に、0〜2歳児クラスは枠が少ないため、最も待機児童が集中しやすい年齢層となっています。

待機児童問題の主な原因

待機児童がなかなか減らない背景には、複数の要因が絡み合っています。ここからは、3つの原因をご紹介します。

保育施設の不足

多くの地域では、児童に対する保育園の絶対数が足りておらず、特に都市部では深刻な問題になっています。新しい保育施設を作るためには、土地の確保や建設費、人材の確保など多くの課題があるため、なかなか増えづらいのが現状です。

加えて、地域住民の反対によって開設が遅れる場合も少なくありません。例えば、騒音や交通量の増加を懸念して、保育園の建設に反対する声が上がることも。さらに、自治体ごとの予算や人手の問題も影響しており、全国一律に整備が進んでいません。

このように、物理的な施設不足が待機児童問題を引き起こす要因の一つとなっています。

保育士の不足

保育施設があったとしても、勤務する保育士がいなければ運営できません。

現在、保育士の人手不足は深刻で、採用してもすぐに辞めてしまう場合も多く見られます。理由の一つは、保育士の給与が他の専門職に比べて低いことです。また、日々の業務量も多く、心身ともに負担がかかる現場も少なくありません。加えて、保護者対応や書類作成など、保育以外の業務も多岐にわたります。そのため、保育士として長く働き続けるのが難しいと感じる人が多いのが実情です。

保育士不足は、保育施設の預かり可能定員を満たせない原因にもつながっており、待機児童問題の根本に関わる課題となっています。

共働き世帯の増加と保育ニーズの高まり

近年、共働き世帯が増加していることから、保育ニーズが高まっています。

特に、出産後も働き続けたいと考える家庭が増えており、保育のニーズが多様化・複雑化しているのが現状です。従来の保育体制では対応しきれないほど、入園希望者が集中している地域もあります。また、育休明けに希望の園に入れなければ復職を断念せざるを得ないケースもあり、家庭の経済的な不安やキャリア形成にも影響を与えています。

保育の需要と供給のバランスが崩れていることが、待機児童増加の要因の一つとなっているのです。

政府や自治体の取り組み

政府や自治体の取り組み

待機児童問題の解決に向けて、政府や自治体も様々な対策を講じています。具体的な取り組みを以下よりご紹介します。

保育施設の増設に向けた支援策

保育施設を増やすための支援策として、政府が保育施設の新設や定員拡大を支援する補助金や助成制度を設けています。特に待機児童が多い地域には重点的な支援が行われており、保育園の新設に対する土地の取得費用や、建設費を政府が一部負担する制度もあります。

しかし、地域によっては保育施設用の土地の確保が難しく、助成制度を活用しても施設の設置が思うように進まないことも。一方で、施設が完成しても保育士が集まらなければ運営できないため、人的資源の確保と施設の設置をセットで進める必要があります。こうした状況を踏まえ、自治体ごとに柔軟な施策が求められているのです。

保育士不足解消のための政策

保育士の確保に向けた政策も数多く実施されています。

例えば、保育士資格を持つ人が現場復帰しやすいように、研修や就職支援を行う再就職プログラムがあります。また、賃金引き上げや処遇改善加算といった、保育士の待遇を改善するための取り組みも政策の一つです。

それでもなお保育士の離職率は高い水準にあり、働き続けてもらうためには現場の負担を軽減することが重要です。今後はさらに、保育士一人ひとりが安心して長く働ける環境を整える政策が求められるでしょう。

企業主導型保育

企業主導型保育とは、企業が自社の従業員の子どもを預ける保育施設を設置する制度です。認可保育所と同等の助成金や利用料を受けられるため、従業員と企業の両方にとってメリットがあります。また、従業員の子どもを預かるだけでなく、地域の子どもも受け入れ可能で、柔軟な保育時間や企業の働き方に合わせた運営が可能な点が特徴です。

企業主導型保育は待機児童解消の一助として注目されており、保育園不足が深刻な都市部を中心に導入が進んでいます。ただし、施設の質のばらつきや、保育士の確保といった課題も残されています。今後は制度の透明性や質の担保が求められるでしょう。

入園できる可能性を高める方法

待機児童にならないために、家庭でもできる工夫があります。ここからは、入園できる可能性を高める方法をご紹介します。

自治体の保育情報を調べる

まず大切なのは、自分が住んでいる自治体の保育事情をしっかり把握することです。自治体ごとに保育施設の数や募集人数、選考基準が異なるため、早めに情報収集を始めると安心ですよ。自治体のホームページには、保育園の空き状況や点数制度の詳細が掲載されていることが多く、説明会や相談窓口も活用できます。

また、過去の入園実績や倍率を確認することで、どの園に申し込むべきかの参考になります。情報を集めて比較することで、自分の家庭に合った選択がしやすくなりますよ。

保活は情報戦とも言われるほどで、早い段階で自治体の制度を理解しておくことが入園成功のカギです。

認可外保育施設など多様な選択肢を知る

保育園=認可園と思われがちですが、実は他にも選択肢があり、認可外保育施設や企業主導型保育、小規模保育など、多様な施設が存在します。これらの施設は、認可園と比較すると入園のハードルが低く、認可園の空きを待つ間に利用する家庭も少なくありません。中には保育内容が充実していたり、保育時間が柔軟だったりと、家庭にとってメリットのある施設もあります。

もちろん、施設によって保育の質や料金が異なるため、見学や問い合わせを通じて慎重に選ぶことが大切です。選択肢を広げることで、結果的に入園できる確率を上げることにつながります。

プレ保育や一時保育の活用

プレ保育とは、入園前に子どもが園に慣れるためのプログラムで、多くの園で実施されています。プレ保育に参加することで、子ども自身が環境に慣れるだけでなく、園の雰囲気や保育方針を知ることができるため、親にとっても貴重な機会です。プレ保育を利用している家庭を優先に入園させてくれる園もあるため、事前に情報を確認しておきましょう。

他に、保護者が子どもを見てあげられない時に預けることが可能な「一時保育」というサービスがあります。
「一時預かり」と呼ばれることもあり、日や時間単位で預けることが可能です。

一時保育を利用しておくと、実際の保育利用実績が評価対象となる自治体もあり、入園選考で有利になる場合があります。さらに、保育士との関係性や子どもの適応状況を見てもらえるため、園側にも好印象を与えやすいという側面も。

このように、プレ保育や一時保育を上手に取り入れることで、入園へのステップをスムーズに進められますよ。

育児休業の延長や働き方の調整

希望の保育園に入れなかった場合、育休を延長することで再チャレンジのチャンスが生まれます。多くの企業では、子どもが1歳半または2歳になるまで育休を延長できる制度があるため、制度を確認しておくと安心です。

また、フルタイムではなく時短勤務や在宅勤務といった柔軟な働き方を選ぶことで、家庭と仕事の両立がしやすくなります。一時的に働き方を調整することで、子どもと過ごす時間を確保しつつ、次の入園の機会を待つという選択も可能です。家族にとって無理のない方法を考えましょう。

待機児童問題の解決のために

待機児童問題の解決のために

ママ・パパが安心して働き、子どもが健やかに育つ社会を実現するには、保育の現場が抱える課題を根本から見直す必要があります。最後に、待機児童問題を解決するための対策をご紹介します。

保育士の待遇改善

保育士不足の背景には、給与の低さや労働環境の厳しさが関係しています。特に、長時間労働や持ち帰り仕事の多さが問題視されており、離職率の高さにつながっています。

保育士の待遇を改善しないことには、保育士不足も解消されません。そこで、国や自治体では保育士の処遇改善加算や補助金制度を通じて、給与の引き上げやキャリアアップを支援しています。例えば、リーダー職への昇格や研修制度の整備により、スキルアップしながら安定的に働ける環境を整える取り組みが進んでいるのです。

さらに近年では、ICT(情報通信技術)の導入による業務効率化も注目されています。登園・降園の記録や連絡帳のやり取り、保育日誌の作成など、これまで手書きで行っていた作業をデジタル化することで、保育士の事務作業の負担の大幅な軽減が可能です。

こうした待遇や環境の改善が進めば、保育士が安心して長く働けるようになり、結果として保育の質の向上や、待機児童問題の解消にもつながっていくでしょう。

保育士の復職支援

結婚や出産、介護などの理由で一度現場を離れた保育士は少なくありません。そうした人材がスムーズに復職できるように、国や自治体では再就職支援プログラムや研修制度を用意しています。

例えば、ブランク期間がある保育士に向けた実務研修や、復職後すぐに現場に入れるようなマッチングサービスなどがその一例です。また、育児と仕事の両立を支援するために、勤務時間の柔軟化や時短勤務の導入が進められている施設も増えています。

こうした取り組みを広げることで、現場経験のある人材を再び活用でき、保育士不足の解消につながります。復職へのハードルを下げる環境づくりが、今後ますます重要になってくるでしょう。

保育園の労働環境の整備

保育士が安心して働き続けるには、労働環境の改善が欠かせません。長時間労働や人手不足による負担の偏り、休憩の取りにくさなど、現場にはさまざまな課題が存在しています。このような課題を解決するために、シフトの見直しや人員配置の最適化、業務分担の工夫が必要です。

また、書類業務や事務作業を効率化するために、連絡帳のデジタル化や保育補助員の活用も進められています。さらに、職員同士のコミュニケーションを円滑にすることで、働きやすい雰囲気づくりにもつながります。

このような施策を通して、保育園が職員にとって働きたい場所になることが、待機児童問題の根本的な解決に向けた第一歩です。

まとめ

待機児童問題は、ただ保育園に入れないというだけでなく、家庭の経済状況やキャリア形成にも影響を与える深刻な社会課題です。その原因には、保育施設や保育士の不足、共働き世帯の増加など、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。

政府や自治体も問題解決に向けた取り組みを進めており、保護者自身も情報収集や柔軟な選択によって、入園の可能性を高めることができます。特に、自治体の制度や多様な保育施設の特徴を知ることは、保活を成功させるための第一歩です。そのため、この記事でご紹介した入園できる可能性を高める方法を実践しつつ、保活をスムーズに進めましょう。

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