楽しい例文でマスター!「主語」と「述語」の簡単な見つけ方

文章を理解するうえで欠かせないのが「主語」と「述語」です。主語と述語の理解があやふやだと、作文を書く際に言いたいことが伝わらなかったり、読み手に誤解されてしまったりといった問題が生じます。特に小学校低学年では、主語と述語の理解が国語力の土台となるため、しっかり押さえておくことが必要です。
この記事では、主語と述語の基本的な意味、具体的な見つけ方、ゲームで楽しく学ぶ練習法を解説します。よくあるつまずきポイントへの対策も紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
主語と述語の基本を押さえよう
主語と述語は文を作るうえで欠かせない柱のような存在です。まずは、主語と述語の基本をしっかり押さえておきましょう。
主語とは何か
文の中で「誰が」「何が」を表す言葉が主語です。主語は文の主人公のような存在で、文全体の中心となります。例えば、「犬が走る」という文では「犬」が主語です。
主語を理解できるようになると、文の意味をつかみやすくなります。子どもが「今日、ぼくがりんごを食べたよ」と言ったとき、話の中心は「ぼく」です。「ぼく」が何をしたのかを説明するために、述語が続くのです。
以下に例文を挙げてみます。
- お母さんは料理を作る。→主語は「お母さん」
- 花が咲いた。→主語は「花」
- 電車が来た。→主語は「電車」
- 昨日の夜、私の友だちがプレゼントをくれた。→主語は「私の友だち」
短い文だけでなく、少し長い文になっても、主語を探すことは大切です。主語が長くても「誰が?」と考えれば、見つけやすくなりますよ。
述語とは何か
述語は、主語がどうするのか、どんな状態なのか、何であるのかを示す言葉です。文の動きを表したり、主語の説明をしたりします。「犬が走る」では、「走る」が述語です。
述語には大きく分けて、以下のような3つの役割があります。
- 動作を表す述語:「走る」「食べる」「話す」など
- 状態を表す述語:「きれいだ」「元気だ」「静かだ」など
- 判断を表す述語:「先生だ」「日本人だ」「友達だ」など
例文を見てみましょう。
- 猫が眠っている。→述語は「眠っている」
- 空が青い。→述語は「青い」
- 弟は小学生だ。→述語は「小学生だ」
述語を見ることで、文の意味がしっかりと理解できます。「主語」と「述語」がペアになって、初めて文が完成するのです。
主語の見つけ方

主語を見つける際には、助詞や文の中心を探すとスムーズです。ここからは、主語の見つけ方をご紹介します。
「~は」「~が」に注目する
日本語の文では、「~は」「~が」という助詞がついている言葉が主語であることが多いです。例えば、「お父さんは新聞を読む」では、「~は」がついている「お父さん」が主語です。
以下より例文を見てみましょう。
- うさぎが跳ねる。→主語は「~が」がついている「うさぎ」
- ぼくはサッカーが好きだ。→主語は「~は」がついている「ぼく」
- 春は花が咲く季節だ。→主語は「~は」がついている「春」
ただし、注意も必要です。「空には雲が浮かんでいる」では、「空には」は主語ではなく場所を表す言葉で、主語は「雲」です。このように、「は」や「が」がついている言葉が必ず主語になるわけではありません。そのため、例文をたくさん見て「誰が?」「何が?」を考える習慣をつけることがポイントです。
文の中心を探す質問(誰が?何が?)
主語を見つける際のコツは、文に対して「誰が?」「何が?」と質問し、文の中心を探すことです。
- お姉ちゃんがピアノをひく。→「誰がひくの?」→「お姉ちゃん」
- 風が強く吹いている。→「何が吹いているの?」→「風」
- りんごが机の上にある。→「何があるの?」→「りんご」
文の中心を探す方法は、助詞に頼らず主語を見つけられるため便利です。長い文になったとしても、「誰が?」「何が?」を繰り返すことで、答えにたどり着くことができます。
以下の例文を見てみましょう。
- 昨日の試合で、クラスの代表が優勝した。→「誰が優勝したの?」→「クラスの代表」
このように、「誰が?」「何が?」と質問することで、文の主語が見つかりやすくなります。
述語の見つけ方
主語の見つけ方がわかったら、次は述語を探してみましょう。
文の結びの言葉に注目する
日本語の文では、多くの場合、述語は文の最後に置かれています。述語が「主語が何をするか」「どんな状態か」を表す言葉だからです。そのため、文章を読む際に、まず文の最後をチェックする習慣をつけると、述語を見つけやすくなりますよ。
以下より例文で確認しましょう。
- 花が咲く。→述語は「咲く」
- 私は本を読んだ。→述語は「読んだ」
- 鳥が飛んでいる。→述語は「飛んでいる」
- 弟は元気だ。→述語は「元気だ」
- 私は学生です。→述語は「学生です」
- 雨が降った。→述語は「降った」
- 妹は歌を歌う。→述語は「歌う」
- 今日は暑い。→述語は「暑い」
- ここは図書館だ。→述語は「図書館だ」
文章の終わりが述語である理由は、文の最後で結論を伝えるためです。主語が「誰か」「何か」を示し、その後に述語が続くことで、「何をするのか」「どういう状態か」がはっきり伝わります。
どうする、どんなだ、何だ、を見つける
述語を探す際に便利なのが、「どうする」「どんなだ」「何だ」を見つけることです。文章の最後にある述語は、必ずこのどれかに当てはまると考えると、見つけやすくなりますよ。
1. 「主語がどうする?」を表すもの(動作)
主語が行う動作や行動を示す述語です。読むときは「主語は何をしているのか?」と問いかけると簡単に見つけられます。
例文を見てみましょう。
- 犬が走る。→犬がどうする?=走る
- 兄が笑っている。→兄がどうする?=笑っている
- 猫が寝る。→猫がどうする?=寝る
- 魚が泳いでいる。→魚がどうする?=泳いでいる
- ぼくは絵を描く。→ぼくがどうする?=描く
動作を表す述語は、文の中心で「主語が行動していること」をはっきり示しているので、文章を理解するときの目印になります。
2. 「主語はどんなだ?」を表すもの(状態)
主語の状態や性質を示す述語です。「主語はどんなふうか?」と考えると見つけやすくなります。状態を表す述語には、形容詞や形容動詞が多く使われます。
例文を見てみましょう。
- 空が青い。→空がどんなだ?=青い
- 教室は静かだ。→教室はどんなだ?=静かだ
- りんごは甘い。→りんごはどんなだ?=甘い
- 道が長い。→道がどんなだ?=長い
- お母さんは優しい。→お母さんはどんなだ?=優しい
- 花がきれいだ。→花がどんなだ?=きれいだ
- 水が冷たい→水がどんなだ?=冷たい
- 公園は広い。→公園はどんなだ?=広い
「主語はどんなふうか?」と問うことで、状態を表す述語が見つかりやすくなりますよ。
3. 「主語は何だ?」を表すもの(判断)
主語が何であるか、誰であるかを説明する述語です。「主語は何だ?」と問いかけると見つけやすいです。名詞や「です」「だ」で終わる文によく出てきます。
例文を見てみましょう。
- 私は先生だ。→私は何だ?=先生だ
- ここは公園です。→ここは何だ?=公園です
- これは本です。→これは何だ?=本です
- 今日は日曜日だ。→今日は何だ?=日曜日だ
- その場所は図書館だ。→その場所は何だ?=図書館だ
判断文の述語は、「〜だ」「〜です」で終わることが多いのが特徴です。文の最後に置かれることで、文全体の内容をしっかり締めくくります。
主語と結びつける
主語と述語は必ずペアになって文を作ります。そのため、ペアを意識すると述語が見つけやすくなりますよ。
例文を見てみましょう。
- 花が咲く。→主語「花」+述語「咲く」
- 子どもは元気だ。→主語「子ども」+述語「元気だ」
- 私は学生です。→主語「私」+述語「学生です」
- 車が止まった。→主語「車」+述語「止まった」
- 空が暗い。→主語「空」+述語「暗い」
- 彼は野球選手だ。→主語「彼」+述語「野球選手だ」
このように、主語と述語のぺアを意識し、主語と結びつけることで述語を容易に見つけることができます。
ゲームで楽しく学ぶ練習

「主語」と「述語」を机に向かって練習するだけでは、退屈で飽きてしまいがちです。ここからは、ゲームや遊びの要素を取り入れた練習法をご紹介します。
カードを使った入れ替えゲーム
主語と述語を書いたカードを用意して、組み合わせを自由に入れ替えながら文を作るゲームがおすすめです。
例えば、「お母さん」「料理を作る」「先生」「本を読む」「猫」「眠っている」といったカードを用意します。遊び方は自由です。カードを組み合わせて「猫+眠っている」「先生+本を読む」のように文を作ったり、途中でカードを入れ替えて別の文を作ったりします。正しい組み合わせだけでなく、ユニークな組み合わせを作ってみるのも盛り上がりますよ。
さらに、チーム戦やタイムアタックを取り入れると、競争心も刺激されて飽きずに続けられます。カードを入れ替えながら文を作ることで、主語と述語の理解を促しましょう。
日常会話でクイズを出す
日常の会話の中で「この文の主語はなに?」「述語はどれかな?」とクイズ形式で質問してみましょう。
- 親「今日は雨が降っているね。この文の主語と述語はなにかな?」
- 子ども「主語は『雨』、述語は『降っている』!」
また、お話や絵本を読みながら「この文の主語は?」「述語は?」と質問するのも効果的です。クイズ感覚なので、子どもも楽しみながら学べますよ。
主語・述語でつまずく原因と対策
主語や述語のつまずきは、決して特別なことではありません。最後に、主語・述語でつまずく原因と、その対策をご紹介します。
助詞の使い分けが苦手
子どもが主語・述語の理解につまずく原因のひとつが、助詞の使い分けです。日本語の文では「は」「が」「を」「に」などの助詞が、文の中での役割をはっきり示しています。特に「は」と「が」は、混乱しやすい助詞のため注意が必要です。
「は」は話題を示す助詞で、文全体のテーマを表すことが多いです。
例:「ぼくはサッカーが好き。」(=ぼくについて言えば、サッカーが好きだ)
一方で「が」は、文の主語を明確に示す助詞です。
例:「ぼくがサッカーをする。」(=サッカーをするのは、ほかでもなくぼくだ)
このように、同じ「ぼく」という言葉でも、助詞が変わると文の意味やニュアンスが変わります。助詞の理解があいまいだと、主語と述語の関係もつかみにくくなり、文の意味を正しく理解できません。
対策としては、いろいろな例文に触れて「は」と「が」の違いを体感することが大切です。「空は青い」「花が咲いた」「私は学生だ」など、短くシンプルな文をたくさん読んでみましょう。繰り返すことで助詞の感覚が身につき、主語と述語の結びつきも理解できるようになります。
長い文を理解できない
「昨日、学校で友達が新しいゲームを見せてくれた。」などの長い文では主語が見えにくく、理解が難しくなります。対策として、文を短く区切る練習をすると効果的です。
「昨日、学校で」→場所や時間
「友達が」→主語
「見せてくれた」→述語
このように、文を分解することで主語と述語を見つけやすくなりますよ。
まとめ
主語と述語は、文章を理解するための基本です。主語は「誰が?」「何が?」という質問で見つけ、述語は「どうする?」「どんなだ?」「何だ?」という3つのパターンで探しましょう。カードゲームや日常会話でのクイズなど楽しい練習法を取り入れることで、子どもが飽きずに学習を続けられます。今回ご紹介した練習法を参考に、ぜひ親子で一緒に取り組んでみてください。繰り返し練習することで文章の読み書きが上達し、国語力の土台が身につきますよ。