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フラッシュカードは効果がある?子どもの能力を引き出す活用法

フラッシュカード学習の基本

「子どもの才能や可能性を引き出してあげたい」という気持ちから、幼児教育で注目される「フラッシュカード」に興味を持つ保護者の方も多いのではないでしょうか。

フラッシュカードは、子どもの能力を向上させる効果のある学習教材です。カードをリズミカルにめくって見せることで脳に良い刺激を与え、記憶力や語彙力を高める効果があります。

「記憶力が良くなる」「右脳が活性化する」というメリットを聞く一方、「ただの暗記で意味がないのでは?」「やり方を間違えたら逆効果になるって本当?」といった不安な声もあり、何が正しい情報なのか迷ってしまうこともあるでしょう。

この記事では、フラッシュカード学習の基本情報から上手な使い方、取り組むときの注意点について紹介しています。ぜひ最後までお読みいただき、ご家庭で取り組む際の参考にしてみてくださいね。

フラッシュカード学習の基本

この章では、フラッシュカードの基本的な情報と、使用する子どもの年齢の目安を紹介していきます。

フラッシュカードとは

フラッシュカードとは、絵や文字、数字などが書かれたカードを、1枚につき1秒以内の早いスピードで子どもに見せていく学習方法です。大量の情報を高速でインプットすることで、脳の情報処理能力を高めることが目的で、見たものを瞬時に映像として記憶する右脳の働きを活用しているといわれています。

例えば、動物の絵が描かれたカードを次々とリズミカルに見せながら、カードに書かれた動物の名前を読み上げることで、子どもは絵と名前をセットで直感的に覚えられます。他にも、ドッツカードと呼ばれる点の集まりを見せて数の概念を養ったり、ひらがなや国旗を覚えたりと、さまざまなジャンルの学習に活用できます。単純な暗記だけでなく、子どもの知的好奇心を引き出すきっかけにもなる教材です。

フラッシュカードを使用する年齢の目安

フラッシュカードに取り組むのは、0歳から就学前までの期間がおすすめです。子どもの脳は3歳頃までに大人の約80%、6歳頃までには約90%まで成長し、神経細胞のネットワークが最も密に作られる時期です。この時期に脳に良い刺激を与えることで、発達に良い影響をもたらすと考えられています。

中でも取り組むのに最適な年齢は、情報の吸収が早い0歳6か月から1歳5か月です。低年齢の子どもの場合は、絵がシンプルではっきりとしたカードを使ったり、カードを子どもに合わせてゆっくりとめくったりすることで、より内容を認識しやすくなります。

ただ、1歳6か月を過ぎていても「遅い」ということはなく、語彙力や計算力を向上させるために、フラッシュカードは有効です。実際に、4歳児クラスの子どもがフラッシュカードに1か月取り組むことで、記憶力や集中力の向上が見られた研究もあります。就学前の子どもがいるご家庭は、ぜひ取り組んでみてください。

フラッシュカードの効果とメリット

フラッシュカードの効果とメリット

フラッシュカードには記憶力や語彙力の向上や、右脳を活性化させるメリットがあります。それぞれの効果と理由を見ていきましょう。

記憶力を高める

フラッシュカードが記憶力を高める効果があるのは、短時間で繰り返し情報に触れる反復学習が、脳に記憶を定着させるうえで効率的だからです。覚えたことを忘れかけたタイミングで思い出す作業を繰り返すことで、情報は忘れにくい長期記憶として脳に保存されやすくなります。

フラッシュカードは1枚1秒以下の速さで次々とめくっていくため、たくさんの情報を短時間で何度もインプットできます。何度も反復学習をすることで、子どもの覚える力を鍛えることにつながります。

語彙力や知識が豊かになる

フラッシュカードは子どもの語彙力を増やし、知識が豊かになります。日常生活で使う言葉の数には限りがありますが、カードを使えば、普段あまり触れることのない言葉や概念にも、絵や写真を通して簡単に出会うことができるからです。

特に1歳半〜2歳半頃の言語爆発の時期に活用すると、効果的です。2歳頃までは「動物」や「乗り物」といった身近なものを、3歳以降は「国旗」や「ことわざ」、「世界の偉人」といった具合に、年齢やフラッシュカードの慣れ具合で、徐々に難易度の高いものに切り替えていきましょう。幼い頃から多くの言葉や知識に触れることで知的好奇心を刺激し、その後の学習意欲の土台を育むことができます。

右脳を活性化させ、直感力を養う

フラッシュカード学習は、右脳を活性化させ、直感力やひらめきを養う効果があるといわれています。脳は論理的思考を司る左脳と、イメージや直感を司る右脳に分かれています。カードを高速でめくると、見たものを映像として瞬時にインプットする右脳が活発に働くと考えられているのです。

例えば、大量のドット(点)が描かれたカードを見て、一つひとつを数えるのではなく、瞬時に「かたまり」として数を認識する能力などが鍛えられます。直感的に物事を捉える力は、勉強やスポーツ、芸術など、さまざまな分野で必要とされる発想力の基礎になります。

フラッシュカードで起こる可能性のある弊害

フラッシュカードは多くのメリットを期待できる一方、使い方や取り入れ方によっては子どもの成長に良くない影響を与えてしまう可能性も指摘されています。ここでは起こる可能性のある弊害について紹介します。

集中力の継続が苦手になる

一つの物事にじっくりと取り組む「集中力の継続」が苦手になる可能性があります。フラッシュカードは短い時間カードへ意識を向けるため集中力を養いますが、1回数十秒程度です。また、カードの視覚情報とともに、単語をインプットする教材なので「何かに没頭する」という学習ではありません。

短時間の刺激のある学習に慣れることで、1つのことをじっくり考えることや、試行錯誤する遊びが苦手になる子どももいます。フラッシュカードと、他の遊びや体験のバランスを考えることが大切です。

自主性が低下してしまう

フラッシュカードは、大人がカードを見せながら単語を言ったり、カードに書かれたものを子どもが答えたりするので、情報が一方通行になりやすい受け身形式の学習です。

受け身の形式に慣れてしまうと、子どもが自ら「これは何だろう?」と疑問に思うことや、「もっと知りたい」と探求する、自発的な学びの姿勢が育ちにくくなる可能性があります。回避するにはカードで覚えた知識を実体験と結びつけることが大切です。

例えば、野菜のカードに取り組んだあとにお店に行って「これがにんじんだよ」と伝え、実際に購入して自宅で触ったり、切った断面を見せたりするなど、本物に触れる経験をすると良いでしょう。

フラッシュカードの上手な使い方

フラッシュカードの上手な使い方

フラッシュカードのメリットを最大限に引き出すためには、使い方が非常に重要です。ここでは、子どもの能力を引き出すための3つのコツをご紹介します。

カードをめくるスピードを変える

フラッシュカードを効果的に使うコツの一つは、カードをめくるスピードに変化をつけることです。基本は1枚1秒以下のリズミカルな速さですが、いつも同じ調子だと子どもは飽きてしまうことがあります。緩急をつけることで子どもの意識を引きつけ、集中力を持続させる効果が期待できます。

例えば、ゆっくり見せる回・早く見せる回を作る、最初はゆっくり見せて興味を引きつけ、慣れてきたら徐々にスピードアップする方法があります。

子どもの反応を見ながらスピードを調整することで、能動的にカードを見る姿勢につながります。

読み方はハッキリと、笑顔で(楽しそうに)

カードを読むときは、ハッキリとした読み方を心がけましょう。明瞭な発音を聞く方が子どももインプットしやすいです。

また、フラッシュカードは、大人が笑顔で楽しそうにやることが大切です。子どもは親の表情や声のトーンから「楽しい時間かどうか」を敏感に感じ取ります。学習の時間というよりは、親子のコミュニケーションの一部として、楽しみながら行ってみてくださいね。

カードを早くめくりながら、単語をハッキリと読むのはコツが必要ですが、練習してめくることに慣れてから子どもと一緒にやってみるのがおすすめです。

ゲーム感覚で楽しむ(ルールを作るなど)

フラッシュカードに簡単なルールを加えて、ゲーム感覚で楽しむのも非常におすすめです。学習という堅苦しさをなくして遊びの延長として取り組むことで、子どもは夢中になり「フラッシュカードは楽しいツール」と認識します。

【フラッシュカードを使ったゲームの例】

  • クイズ:2枚のカードを並べて「〇〇はどっち?」と選ばせる、カードを少しずつめくって次に出るものを当ててもらうなど
  • かるた遊び:床に並べたカードの中から、読み上げたものを探す
  • 仲間分け:複数ジャンルのカードを並べて「果物のカードだけ集める」などの仲間分けをする

フラッシュカード学習で注意すること

フラッシュカードを家庭学習に取り入れる際に、効果を期待するあまり、熱心になりすぎてしまうことがあるかもしれません。ただ、良かれと思ってやっていることが、かえって子どもの負担になったり、学習嫌いの原因になったりする可能性があります。

ここからは、親子で楽しくフラッシュカードを続けるために、特に意識したい3つのポイントを紹介します。

無理にやらせない

1番大事なのは、子どもが嫌がっている時は無理強いをしないことです。子どもの体調や気持ちによっては「フラッシュカードをやりたくない」という日もあるでしょう。一度ネガティブなイメージがついてしまうと、苦手意識を取り除くのは非常に難しくなります。

子どもの気持ちを受け止めて「また今度にしようね」と笑顔で切り上げる姿勢が大切です。気持ちを受け止めることは親子の信頼関係を構築し、「またやりたい」という意欲を引き出します。

一生懸命になりすぎない

親が「成果を出したい」と一生懸命になりすぎるのも注意が必要です。親の過度な期待は、知らず知らずのうちに子どもへのプレッシャーとなってしまいます。

子どもがカードを覚えられなくても、ため息をついたり、「なんで覚えられないの?」と子どもを問い詰めて否定したりするのは避けましょう。成果を急ぐのではなく、あくまで親子のコミュニケーションの一環と捉えることで、子どもの自己肯定感や学習意欲を育みます。

一度に長時間続けない

フラッシュカードは、一度に長時間続けないようにしましょう。子どもが集中できる時間は一般的に「年齢+1分」程度が目安とされており、短時間で集中する方が子どもの負担も少なく、学習効果も高まります。

1日あたりに取り組む時間は10分程度とされており、枚数や時間にこだわる必要はありません。「もっとやりたい!」と、子どもが少し物足りなく感じるくらいで切り上げることで、意欲もさらに高まります。

まとめ

フラッシュカードは、記憶力や語彙力を高めるなど、子どもの能力を伸ばす大きな可能性を秘めています。

一番大切なのは、子どもの気持ちを尊重して無理強いをしないこと。あくまでも親子のコミュニケーションの一環として、遊び感覚で取り入れていきましょう。

ご家庭で実際に取り組んでみて「専門家はどんな風に子どもの興味を引き出しているのかな?」「うちの子に合った、良い方法はないかな?」と感じたら、幼児教室などを検討してみるのも一つの方法です。

わくわくスクール」では、全国の幼児教室も掲載されています。体験教室などに参加して、プロの指導に触れてみるのも良い経験になります。子どもの個性や可能性を広げるための選択肢として、ぜひ一度お近くの教室を探してみてください。

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