幼稚園は何歳から?子どもの発達に合わせた入園時期と園選びのポイント

「保育園には入園しない予定だけど、いつから幼稚園に入園させよう」「満3歳児保育と3年保育は何が違うの?」「早く入園させるメリットとデメリットは?」など、お悩みのママやパパもいるのではないでしょうか。
幼稚園に入園するのは、一般的には満3歳を迎えた3歳児クラス(年少)の子どもが多いですが、子どもの個性や保護者の考えで4歳以降に入園したり、2歳児クラス(満3歳児クラス)へ早期入園をしたりする家庭もあります。人それぞれだからこそ、難しさを感じる人もいるでしょう。
この記事では幼稚園の入園に関する、次の内容を紹介します。
- 幼稚園に入園できる年齢と保育園の違い
- 幼稚園・保育園入園でかかる費用
- 早期入園のメリット・デメリット
- 入園する園を決めるチェックポイント
- 入園までの流れ
ぜひ最後までお読みいただき、幼稚園入園の参考になれば幸いです。
幼稚園の基本的な入園年齢
「年少」と呼ばれる3歳児クラス(3年保育)での入園が多いですが、子どもの発達や家庭の状況に応じて異なるタイミングでの入園もできます。
一般的な入園年齢(満3歳)
幼稚園に通う年齢は、管轄する文部科学省の規定では満3歳から小学校就学前までとされ、規定をもとに年齢に応じて教育課程を設けています。入園年齢は入園する年の4月1日時点の年齢により分けられています。
教育課程 | 入園する年の4月1日時点の年齢 | 補足 |
3年保育 | 満3歳 | 年少クラスからの入園。幼稚園入園では一般的な年齢。 |
2年保育 | 満4歳 | 年中クラスからの入園。 |
1年保育 | 満5歳 | 年長クラスからの入園。 |
最も一般的な入園年齢は、3年保育(満3歳)です。
2年保育・1年保育は園の空き状況によっては受け付けていない場合があります。事前に入園を希望する園に問い合わせるのがおすすめです。
2歳児クラスの利用について
近年「2歳児クラス」「満3歳児クラス」「4年保育」と呼ばれる、2歳児を対象としたクラスを設ける園があります。園で家庭ではできない経験を積んでほしい、集団生活に慣れてほしいなど、子どもの様子や家庭の考え方によって利用する家庭があります。
似たものに「プレ保育」「未就園児クラス」と呼ばれるものがあり、子どもたちが集団生活に慣れさせ、家庭ではできない経験を積む場として、週に1回から数回程度通園します。2歳児クラスと比較すると次のような違いがありますが、園によって内容は様々なので確認が必要です。
2歳児クラス(4年保育・満3歳児クラス) | プレ保育(未就園児クラス) | |
対象年齢 | 満3歳の誕生日を迎えた子ども | 4月1日に満2歳を迎えている子ども |
費用 | 幼児教育無償化の対象になる→無償もしくは補助あり | 幼児教育無償化の対象外→基本的に全額保護者負担 |
保育 | ・年少のように週5日登園する園、週数回のプレ保育に近い園など様々・慣らし保育を経て、子ども達と先生で1日過ごすことが多い・子ども達のペースを大切にしながら、園での生活に慣れることが目的・園独自のカリキュラムがある場合も・お弁当・給食があることが多い | ・週1回~数回程度登園・保護者同伴や数時間のみ子どもが園で過ごすなど、園により様々・集団生活に慣れる・遊びが中心・生活習慣のサポート・お昼前に帰宅することが多い |
2歳児クラスやプレ保育を実施している園は限られます。人気の幼稚園では、2歳児クラスの募集がすぐに定員に達してしまうこともあるので、関心のある園があれば、早めに情報収集を始めましょう。
幼稚園と保育園の入園年齢の違い
幼稚園入園は原則として満3歳からですが、保育園は生後数か月の0歳児から入園できます。受け入れられる最低月齢は園によって異なりますが、生後2か月(57日)以降とされる園が多いです。
保育園は厚生労働省が管轄する児童福祉施設で、保護者の就労や病気など、家庭での保育が困難な場合に子どもを預かることを目的としているため、より小さい年齢の子どもを預かります。
近年では、幼稚園と保育園の両方の機能を持ち合わせた、認定こども園も増えています。認定こども園は幼稚園と保育園の機能を併せ持つ施設で、0~2歳児クラスは保育の必要性が求められる場合がありますが、3歳児クラス(年少)以降は保護者の就労状況に関わらず利用できます。家庭のライフスタイルに合わせて、どの施設が子どもに合っているかを検討することが大切です。
幼稚園・保育園入園でかかる費用

2019年10月から幼児教育・保育の無償化制度が開始され、保護者の経済的負担は大きく軽減されましたが、全ての費用が無料になるわけではなく、対象外となる費用もあります。
ここでは、幼稚園と保育園それぞれで必要となる費用を紹介します。
幼稚園の入園でかかる費用
入園時に支払う費用 | 入園後に支払う費用 |
入園料施設整備費制服や体操服通園バッグ教材 | 【毎月支払う費用】保育料(対象施設は月額25,700円を上限として無償化)給食費通園バス代預かり保育利用料(保育の必要性を認められた場合は月額11,300円を上限に無償化の対象)【都度支払う費用】冷暖房費PTA会費遠足などの行事代 |
幼稚園にかかる費用は、入園時に支払うものと、毎月継続的に支払うものがあります。公立幼稚園より私立幼稚園の方が金額が高くなりやすい傾向があり、園によって金額に差があるため事前に確認しましょう。
保育園の入園でかかる費用
入園時に支払う費用 | 入園後に支払う費用 |
園指定の帽子や連絡帳などがあれば購入 | 【無償化対象】保育料(住民税非課税世帯と3歳児~5歳児クラス)0歳児~2歳児クラスの給食費【無償化対象外】3歳児クラス以降の給食費延長保育料おむつ代連絡帳などの物品遠足などの行事代 |
保育園(認可保育所の場合)は入園料や制服代が不要なケースがほとんどですが、指定のグッズの購入が必要になる場合があります。ただ、入園料や教材費などがないケースが多いため、幼稚園と比較すると安いです。
3歳児~5歳児クラスの保育料は無償化対象ですが、0歳児~2歳児クラスは住民税非課税世帯のみが無償化の対象です。それ以外の世帯は保護者の所得(住民税額)に応じて自治体が定めた保育料を支払う必要があります。
無償化対象外の費用も自治体によって免除制度がある場合があるので、お住まいの自治体のWebサイトで確認するか、担当窓口へ問い合わせてみましょう。
早期入園のメリット・デメリット
近年、2歳児クラス(満3歳児クラス)を設置する幼稚園が増え、早期入園を検討する家庭が増えてきました。早期入園のメリットとデメリットについて解説します。
早期入園で得られるメリット
- 子どもの社会性や自立心が育まれやすい
- 友達や先生との関わりの中で言葉の発達を促す
- 着替えやトイレなどの生活習慣が確立しやすくなる
- 保護者が子育てから離れる時間ができ、リフレッシュできる
- 先生に子育ての相談ができる
友達との関わりを通してルールやコミュニケーションを学べるうえ、語彙も増えます。
また、周囲の友達の存在が刺激になり、着替えや食事、トイトレなどの基本的な生活習慣が確立しやすいです。子育てから離れて先生や他の保護者と悩みを共有できるので、保護者に余裕が生まれるケースもあります。
早期入園のデメリット(注意すべき点)
- 慣れない集団生活で子どもの心身への負担が考えられる
- 集団生活に馴染むのに時間がかかるケースがある
- 風邪をもらい、体調を崩しやすくなる
- 無償化対象でない場合はお金がかかる
- 保育園に比べると保育料が高額になりやすい
子どもの個性によりますが、2歳頃はまだ母親と離れることに強い不安を感じる子どもも多く、新しい環境に慣れるまでは精神的に不安定になることがあります。自宅で過ごしていた頃よりも風邪をひきやすく、体調を崩すことが増える子どもも多いです。
また、無償化の対象になるのは満3歳の誕生日を迎えてからなので、誕生日以前に入園する場合は保育料が発生する場合があります。自治体によっては満3歳を迎える前でも補助が出ることがあるため、確認してみるのがおすすめです。
入園を決める際のチェックポイント

入園を決める際に特に確認しておきたいポイントを、通いやすさ・雰囲気と教育方針・保育時間の3つの観点から紹介します。
園の通いやすさ
毎日通うからこそ、園に無理なく安全に通えることは大事なポイントです。まずは自宅から園までの距離と通園方法を確認し、事前に通園ルートを把握しておきましょう。通園バスがある場合は、バス停の場所や送迎にかかる時間などもチェックしましょう。
また、必要に応じて次の点も確認しておくと安心です。
- 行事などで保護者が園に行く頻度
- 自家用車での送迎ができるか・駐車場はあるか
- 発熱などの緊急時にすぐ駆けつけられる距離か
園の雰囲気と教育方針
園の雰囲気や教育方針が子どもの個性や家庭の考え方に合っているかという点も大きなポイントです。事前にWebサイトをチェックしたり、園に通っている人から話を聞いたりしつつ、園見学で実際に雰囲気を感じることが大切です。
園見学では、次のようなポイントを確認しましょう。
- 見学時に先生が丁寧に対応してくれるか
- 先生の子どもたちへの関わり
- 子どもたちが楽しそうに過ごしているか
- 掃除や整理整頓が行き届いているか
保育時間・延長保育
保護者の就労状況などのライフスタイルに合うかを確認するために、保育時間と延長保育の制度はWebサイトや園見学で必ず確認しましょう。
【必ず確認したいこと】
- 基本的な保育時間
- 午前保育の日が週に何回あるか
【家庭の状況に応じて確認したいこと】
- 延長保育が利用できるか
- 利用できる時間帯(早朝や夕方)
- 料金体系(月極・時間単位など)
- 長期休みの預かり保育は実施しているか
このほかにも、給食は提供しているか、お弁当はどのくらいの頻度で必要かは、家庭の負担に直結するため確認しておくと安心です。
入園までの準備スケジュール
この章では、願書提出までの主な流れと、入園が決定してから行う準備を紹介します。
願書提出までの主な流れ
【4月~7月頃:情報収集と見学】
通える範囲にある幼稚園をリストアップし、Webサイトなどで基本的な情報を集めましょう。未就園児向けの園庭開放や見学会を実施する園も多い時期なので、実際に足を運んで園の雰囲気や先生・在園児の様子を見てみることが大切です。
【9月~10月頃:入園説明会と願書配布】
多くの幼稚園で、次年度の入園希望者向けの説明会が開催されます。教育方針や費用、一日の流れ、選考方法などの詳細な情報を得られる機会です。説明会への参加が願書受け取りの条件となる園もあるため、必ず確認しましょう。説明会後に願書の配布が始まります。
【10月~11月頃:願書提出と面接・考査】
地域・園によって願書提出の期間は異なり、受付方法が先着順か抽選か、郵送か持参かなども園によって様々です。願書提出後は親子での面接や、子どもの簡単な考査が行われ、合格した場合は入園手続きへと進みます。
入園準備でやっておきたいこと
入園が決定したら、子どもがスムーズに園生活をスタートできるように準備を始めましょう。
【生活習慣の見直し】
園の生活リズムに合わせて早寝早起きの習慣を整え、トイレトレーニングも少しずつ進めておきましょう。入園までに完璧におむつが外れている必要はありませんが「トイレに行きたい」という意思を自分で伝えられるように練習しておくと安心です。衣服の着脱、食具を使って自分で食事をするといった、身の回りの基本的なことを自分でやろうとする意欲を育んでいきましょう。
【持ち物の準備】
園から指定された用品を揃えていきます。園によっては細かくサイズを指定される袋物などもあるため、早めに確認して準備しましょう。購入した全ての持ち物には、名前を分かりやすく記入します。お名前シールやスタンプなどを活用すると便利です。
まとめ
子どもにとって初めての集団生活の場となる幼稚園選びは、ご家庭にとって大きなイベントの一つです。たくさんの情報があって迷うことも多いですが、一番大切なのは「子どもの個性や発達に合っているか」という視点です。
この記事で紹介したポイントを参考に、ぜひ親子で園を見学し、雰囲気を感じてみてくださいね。