赤ちゃんからできる。リトミックで育む優しい親子関係
初めは赤ちゃんのお世話に追われ、家事をするだけで精いっぱいな新米ママは多いものです。少し成長して、日中児童館などへ出かけられるようになったら「リトミック」を始めてはいかがでしょう。初めての習い事として親子で楽しめるリトミックは、乳幼児期に行うことで、音楽に必要な要素を体で覚えられるのが利点です。その後本格的に音楽を始めた時にも効果を発揮してくれます。今回は、親子で楽しめる音感教育リトミックについて紹介します。
リトミックで実感する3つの効果
音感が良くなる
リトミック教室ではピアノやタンバリン・鉄琴など使ってレッスンします。子どもたちはリズムに合わせて手を打ったり、ジャンプをしたりします。体の動きを使って拍子をとるので、音の長さを実感しながら覚えられます。将来的に楽譜にある2拍子や4拍子を理解するのに役立つ効果があります。歌を歌う時にも拍子が取れれば苦手意識を持つこともなくとり組めるようになります。音の高さや低さなども体感しながら覚えられ、音楽センスが磨かれます。
感受性が豊かになる
音に合わせて体を動かすことが表現あそびにつながるリトミックは子どもの感性も伸ばします。「かめさんのようにゆっくり」「うさぎさんのようにはやく」といった声掛けは想像力も広げてくれます。子どもにとって親しみやすいたとえで、自分なりに表現する機会が持て、表現力が付くのはリトミックならではの効果です。
コミュニケーション上手になる
リトミックは歩き始めたばかりの幼児がはじめて集団で行う習い事として人気があります。公民館や児童館で開かれる低料金のレッスンも多く、小さいうちでも通いやすい環境が揃っています。同じくらいの年齢の子どもと一緒に同じ動きをすることで、人をまねながら成長が促進されます。家にこもりがちになる子育て期ですが、コミュニケーションの場として親子で楽しめるのもリトミック教室へ通う利点になります。
リトミックとお遊戯の違い
リトミックの始まり
20世紀初めに音楽教育家のエミール・ジャック=ダルクローズが始めたリトミックは、音楽を聞く聴覚を鍛えるソルフェージュを含み、様々な面で音楽を感じる教育法です。日本でも山田耕作が早くから注目したことで広まり、現在も幼児教育の中に取り入れられています。「幼児リトミック」として初めは私立の限られた幼稚園で行われていましたが、最近では一般的になり、地域の子どもの交流のためにも講座が開かれています。
リトミックの目的
リトミックでは五感を使って楽しみながら音楽を学ぶことができます。幼いうちから和音やハーモニーといった複雑な音楽の要素をわかり易い形で反復し体に覚えさせます。将来的に音楽関係の才能が開花するための素地にもなります。
音に集中して聴覚を敏感にさせることで、音感が良くなります。小さいうちだからこそ、絶対音感を身につけさせたいという目的で習い始める家庭もあります。また、ピアノの音や体の動きをつかい、子どもにとって馴染みやすい形で学べます。
リズムを体感するのがリトミック
リトミックでは、音楽を総合的に体感するカリキュラムで、体でリズム感を覚えこみます。子どもにとっては動きの中にリズムを感じるのは自然なことであり、それをリトミックの講師が学習させることで音感として身についていきます。
集団で行うリズム学習は、一体感も感じられ子どもにとって楽しい時間になります。歌に合わせた振りを覚えるお遊戯とは違い、決まった型がないのも幼児期の学びにぴったりな方法です。ある程度自由な表現も許されているので、元気なお子さんでも大丈夫です。
年齢別リトミック教室の内容
赤ちゃん期
多くの人は赤ちゃんの頃から音楽を聞くのが大好きです。日常の生活音のない空間で、色々な高さ・リズムの音を聞くことは赤ちゃんにとってとても良い刺激になります。
この時期は、まだ決まった動きができません。歩き始めのころには、ママと一緒にピアノの音楽で遊び、手をたたいたり音に合わせて抱き上げられたりします。月齢が高くなるとママの動きをみてまねようとします。親子で参加することで、日常を離れた経験を共有し絆を深めます。
2歳児
好奇心が出始めるころで、ママから少し離れてできる子も増えてきます。ママが見守る中で子どもだけで音楽に合わせて歩いたり止まったり、リズムやテンポを楽しみます。他のお友達の様子を見て同じことをする社会性が身につきます。音量の大きい小さいといったこともわかります。
3歳児
1から10くらいの数がわかるようになる3歳ごろでは、リズムの取り方も上手になってきます。2拍子・4拍子といった音楽のルールを体で覚えてくる頃です。音色の持つ雰囲気を感じ取り、音のニュアンスを理解し始めます。クラスではママと離れて幼児リトミックをするところも出てきます。元気な子は走り回ったりしますが、音楽のテンポに合わせて楽しむようになります。
4・5歳ごろ
自分なりの表現をしたいという気持ちが出てくるのが4・5歳ごろです。個人差はありますが、リズムを体の動きで表現することにも慣れ、音感も身についてきます。歌を歌う時に他の子と違った表現を試みる子も出てきます。
リトミックを続けることで感性が高まり、音に対する反応も豊かになります。聞こえた音に対してどんな反応をするのか、指示されることを楽しめるころです。音符の長さ、和音を体で理解することで、歌や楽器の表現にも効果が発揮されます。
親子リトミックで一緒に成長できる
親子で通えるリトミック教室
リトミックを始めたいと思ったら、まずは親子で楽しめる教室を探しましょう。公民館でもいいですし、個人宅でリトミック教室を開いている元幼稚園教諭などの講師もいます。赤ちゃんの時期はこもりがちですし、初めての育児では赤ちゃんとのかかわり方もわからないケースも多くなります。リトミックはふれあい遊びにもなりママも赤ちゃんも楽しめ、ママにとっても学びの場であり、息抜きの時間になるでしょう。
長く続ける中で、子どもが徐々にリトミックに夢中になり、成長して離れていく様子を見守っていくこともできます。通うのに無理のない地域の教室がおすすめです。
自宅でできる簡単なリトミック
小さな我が子が習い事としてやって行かれるか不安な場合は、自宅で試してみるのも良い方法です。しかしママの中には音楽はてんでダメで、実は音痴…という人ももちろんいます。音楽に自信がないママでもできる簡単なリトミックを紹介します。
ピアノができなくても、簡単なわらべ歌でリトミックに挑戦しましょう。「どんぐりころころ」などなじみ深い歌を歌いながら子どもを膝にのせてリズムに合わせて揺れるだけでOKです。童謡やわらべ歌は歌詞の調子が良く、自然にリズムを取れるのでおすすめです。
まず音楽を聞くことが楽しいと思えれば、リトミックの教室に行っても大丈夫です。色々な教室を体験して自分たちに合うと思うところを探しましょう。
【リトミック教室の相場】
・大手音楽教室 一回2000円~3000円(教材費込み)
・地域の公民館など 無料~一回500円程度
・個人レッスン 月謝5000円程度(年齢によって違いあり)
まとめ
音楽的センスだけでなく、表現力やコミュニケーション能力まで、人として生きるための力が身につくのが魅力のリトミック。小さいころから初めるメリットはたくさんあります。幼児期の年齢に合わせたクラスは、周りの親子と一緒に楽しみながら成長できます。心を育む幼児期のリトミック教室は親子の絆も深くしてくれる習い事です。