中間反抗期の子どもへの対応:親が知るべきことと具体的な対処法
年長(5歳頃)から小学校中学年(10歳頃)の間に訪れる「中間反抗期」。
素直だった子どもが突然反発したり、口ごたえが増えたりすると、「どう接していいのかわからない」「正直、ちょっと疲れた」と感じてしまうこともあるでしょう。
しかし、その反抗にはちゃんと意味があり、子どもが心と体を成長させている証でもあります。
この記事では、中間反抗期の特徴や子どもの心理、そして親としてどのように向き合えばいいのか、具体的な対処法をわかりやすくお伝えします。

中間反抗期とは?時期と主な特徴
中間反抗期は、急に乱暴な言葉を使ったり、口答えをするようになったりする反抗的な言動が現れる時期です。
この時期の反抗は、思春期の反抗期とは異なり、子どもの成長の一環として自然に現れるものです。
親として戸惑うこともありますが、これは自立に向かう重要なステップの一つです。
ここでは、中間反抗期がいつ頃訪れるのか、どのような行動が見られるのかを詳しく解説します。
中間反抗期は何歳から何歳まで?
中間反抗期は、年長(5歳頃)から小学校中学年(10歳頃)にかけて起こることが多いと言われています。
第1次反抗期(イヤイヤ期)や思春期の第2次反抗期ほど知られていませんが、この時期の子どもが親に反抗的な態度を取ることは珍しくありません。
特に、小学校3~4年生頃は「ギャングエイジ」と呼ばれ、友だちとの仲間意識が強くなることで排他的になったり、男女間で対立が起こりやすくなったりする時期です。
中間反抗期の主な特徴
それでは、中間反抗期に見られる4つの主な特徴について詳しく見ていきましょう。
① 干渉されることを嫌がる
この時期、子どもは自己主張を強め、親からの指示を嫌がります。
例えば、朝の支度時に「靴下を履いてね」「お弁当持った?」と言うと、「うるさいな!自分でやるから!」と反発することがよくあります。
これは自立心が強くなった証拠で、親の干渉が煩わしく感じるのです。
② 友だちの存在が大きくなる
友だちとのつながりが重要になり、家族よりも友だちを重視する傾向が強くなります。
ときには、グループを作り独自のルールを設けたり、排他的になることもあります。
不安になるかもしれませんが、この時期は人間関係の基本を学び、社会で必要なスキルを身につける大切な時期と捉えましょう。
③ なんでも自分でやりたがる
中間反抗期の子どもは、自分でやり遂げたいという気持ちが強くなり、親が先回りして手を出すと反発することがあります。
そのため、ママやパパが先にやってしまうと、「自分でやりたかったのに」「後でやろうと思っていた」と怒ることがあるかもしれません。
④ 家以外では優等生
家庭内で反抗的な態度を見せる一方で、学校では優等生を演じることがあります。
家では「うるさい!」と反発しながら、外では良い子を見せる現象です。
この現象は、子どもが家庭で自分を表現できる一方、外では他人の目を気にしている証拠です。
【親向け】中間反抗期の接し方
中間反抗期は、親にとって辛抱の時期かもしれません。
反発や無視されることで、どう接すれば良いか悩むこともありますが、反抗的な態度は子どもの成長過程の一部です。
この時期、重要なのは「できない子」として扱わず、「できる子」として接することです。
適切に接することで、子どもとの信頼関係が築け、成長を促すことができます。
このセクションでは、具体的な接し方のコツを紹介します。

子どもの気持ちに寄り添い、受け止める
中間反抗期の子どもに対しては、反抗的な態度が見られることもありますが、まずはその気持ちに寄り添い、受け止めることが重要です。
反抗的な態度をしてきたときは、まず子どもの話に耳を傾けてみてください。
子どもが何を感じ、考えているのかを理解し、共感を示すことで、信頼関係を築くことができます。
親が否定せずに受け入れる姿勢を持つことで、子どもは自分の気持ちを安心して表現できるようになります。
適切な距離感を保ち、見守る姿勢を持つ
これまで大切にお世話してきた子どもを考えると難しいかもしれませんが、親は中間反抗期の子どもに対して、干渉しすぎない努力も必要です。
なるべく口を出さず、適切な距離感を保ちながらそっと見守ってあげましょう。
中間反抗期の時期の子どもには、上手にできないことが多々あります。
つい手を出したくなるかもしれませんが、子どもが自分で考え、行動する機会を与えることで、自己肯定感を高め、成長を促すことができます。
一方で、困難に直面した時には適度にサポートしてあげましょう。
親自身の感情をコントロールする
子どもが反抗的な態度を取ると、ママやパパは困惑したり苛立ったりしてしまいがちですが、そこで親が感情的にならないようにすることが大切です。
もし、「いけないことはいけない」と伝えなければならない場合は、できるだけ冷静に話すことを意識しましょう。
「散らかさないで」「早く片づけて」と指示するのではなく、「片づけてくれると助かるな」「早く片付けておくと後で楽だよね」などポジティブな声掛けを心がけてみてくださいね。
夫婦で協力し、一貫性のある対応を心がける
夫婦で協力し、子どもに対して一貫性のある対応をすることが非常に大切です。
例えば、ママが「宿題を終わらせてから遊びなさい」と言ったにもかかわらず、パパは「今日は気分が悪いから遊んでもいいよ」と言うと、子どもはどちらを信じてよいのか分からなくなり、反抗的な態度を取ることが増えます。
このような一貫性のない対応は、子どもにとって不安定な状況を作り出し、反抗心を強める原因となります。
そのため、夫婦で事前に話し合い、同じ方針で子どもに接することが重要です。
夫婦で一貫性のある対応をすることで、子どもは親の考えやルールを理解しやすくなり、安心して行動しやすくなります。
専門機関への相談も検討する
もし反抗期の子どもとの接し方に悩んだ場合、専門機関に相談することも1つの方法です。
心理カウンセラーや専門家に相談することで、子どもの心理状態を理解し、適切なアドバイスを受けることができます。
専門的なサポートを受けることで、問題を早期に解決することができ、親子の関係も改善されるでしょう。
中間反抗期の行動パターンと対応方法
このセクションでは、よく見られる行動パターンとその効果的な対応方法についてご紹介します。

暴言・暴力への対処法
この時期、子どもは「ウザい」「キモい」など、相手を傷つける言葉を使うことがあります。
また、反抗心から暴力をふるうこともあるかもしれません。
もし暴言や暴力で「親が言うことを聞いた」と認識してしまうと、要求を通すために暴言や暴力を使うようになります。
そこで、ママやパパは毅然とした態度で「暴言や暴力はいけない」と伝えましょう。
受けた相手がどう感じるか、自分がされたらどう思うかを問いかけて、話し合うことが大切です。
無視や口答えへの対処法
中間反抗期の子どもは、親の言うことを無視したり、口答えをすることがあります。
このような反応には冷静で一貫した対応が必要です。
無視された場合は焦らず再度話しかけ、目を合わせて注意を引きましょう。
口答えがあった場合は、感情的にならずに子どもの気持ちを聞き、冷静に自分の考えを伝えます。
いずれにしても、一貫した態度で接し、適切な行動を促すことが大切です。
親の注意を聞かない場合の対処法
中間反抗期の子どもは、親の注意を無視したり反発したりします。
これは自己主張の強化と考えられ、冷静に対応することが大切です。
例えば、子どもの意見をしっかり聞き共感し、その後冷静に自分の考えを伝えます。
反論されても感情的にならず、「◯◯だからこうしてほしい」と自分の立場を説明しましょう。
また、間違った場合でも冷静に「その考えもわかるけど、実は◯◯だから違うんだ」と説明します。
その際、命令的な言い方は避け、穏やかに伝えるよう心がけてくださいね。
中間反抗期における男女の違い
中間反抗期の行動や特徴は、男の子と女の子で異なる点が多いため、それぞれについて説明します。
男女間で中間反抗期の態度に違いが見られるのは、女の子の方が男の子よりも言葉の発達が早いことが影響しています。
この発達の差が、中間反抗期に現れる行動の違いに繋がっているのでしょう。
特徴と対応方法:男の子の場合
中間反抗期の男の子は、暴言や暴力的な行動を取ったり、無視したりすることがあります。
これは、男の子は言葉の発達に遅れがある場合が多く、思いをうまく表現できないため、フラストレーションが爆発することが原因です。
また、集中している時に親の干渉を嫌がることもあります。
無視されても焦らず優しく話しかけ、集中している時には適切なタイミングで話しかけると効果的です。
特徴と対応方法:女の子の場合
女の子は男の子よりも口答えや屁理屈を言うことが多く、親との言い合いが増えることがあります。
無視することもありますが、これは自分の気持ちをうまく伝えられないため、理解してもらいたいという気持ちの表れです。
言い合いが続いても感情的にならず、子どもの気持ちに寄り添って穏やかに接することが大切です。
やってはいけないNG対応
中間反抗期では、突然の反抗的な態度に戸惑い、感情的になってしまうこともあるでしょう。
つい言ってはいけないことを発言してしまうこともあります。
ここでは、反抗期の子どもに対して避けるべきNG対応を紹介し、親子関係をより良く保つためのポイントをお伝えします。
頭ごなしに否定する
中間反抗期の子どもは、自分の気持ちや意見を表現したい時期でもあります。
そんな時に、親が話を聞かずに「どうせできないんでしょ」や「サボりたいだけでしょ」などと決めつけるのはNGです。
こうした言葉は、子どもを傷つけ、自信を失わせる原因になりかねません。
子どもの気持ちに耳を傾け、最後まで話を聞くことが大切です。
感情的に叱る
子どもが反抗的な行動をしたとき、親はどうしても感情的になりがちですが、感情のままに叱ってしまうと、子どもは反省するどころか、反発心を強めてしまうことがあります。
怒りを抑えて、冷静に理由を伝えながら叱ることが大切です。
子どもの前で夫婦喧嘩をする
親が目の前で言い争いをすることは、子どもにとって大きなストレスとなります。
子どもは親の関係性を無意識に心配し、不安を感じることが多いです。
家庭内での問題は、できるだけ子どもには見せずに、大人同士で解決するよう心掛けましょう。
親が一致団結して問題を解決する姿を見せることが、子どもの安心感につながります。
過去の失敗を持ち出す
反抗的な行動をとる子どもに対して、「昔あなたはこんなことをしたでしょう」と過去の失敗を持ち出すのは避けましょう。
子どもにとって、過去の失敗を引き合いに出されることは、自己肯定感を傷つける原因になります。
過去のことは一度置いておき、今の行動に焦点を当て、子どもと向き合うことが大切です。
他の子どもと比較する
他の子どもと自分を比較することは、子どもにとって非常にプレッシャーを感じさせ、劣等感を抱かせてしまうことがあります。
「〇〇ちゃんはできるのに、あなたはどうしてできないの?」といった言葉は、子どもの自己肯定感を低くする原因になります。
子ども一人ひとりの成長に合わせて接し、比較することなくその成長を見守ることが重要です。
まとめ
中間反抗期の子どもへの対応は、干渉しすぎず感情的にならず、反抗的な行動に対しては冷静に話を聞くことが大切です。
親がいくら頑張っても、うまくいかないことが多いかもしれません。
しかし、子どもがどんなことを言っても、どんな態度をとっても、試行錯誤しながら一貫して向き合っていくことが大切です。
子育てを通して、親も一緒に成長する、そんな風に子どもの未来を考えて子どもとの関わり方を見つけていきましょう。