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習い事 1

叱らない教育は間違い?本当に大切な子育てとは

「叱らない子育て」が注目される一方で、「甘やかしているだけでは?」と疑問の声も上がっています。
しかし、中には「叱らない親でいること」「怒らない子育て」をモットーにしている親もいるようです。子どもを尊重しながら、健やかな成長を支えるために、本当に必要な接し方とは何なのでしょうか。
今回は、「叱らない教育」の本質と、子どもにとって大切な関わり方について考えてみましょう。

叱らないことが与える影響

叱らないことが与える影響

「叱らない子育て」は、子どもを尊重するという点では魅力的に聞こえますが、注意が必要な側面もあります。
叱ることを極端に避けてしまうことで、子どもが社会のルールや他者との関係性を学ぶ機会を奪ってしまうかもしれません。
ここでは、叱らないことで生じる主な影響を見ていきましょう。

ルール意識の欠如

叱られることがない子どもは、「してはいけないこと」や「守るべきルール」の境界線を自分で見つけるのが難しくなります。
特に幼少期には、大人がしっかりと線引きを示すことが不可欠です。
間違いをそのままにしておくと、他者との関係性や社会の中で守るべきことに適応する力が育ちにくく、周囲の人とのトラブルの引き金になりかねません。
叱ることは、単なる否定ではなく、ルールを教える大切な手段でもあるのです。

自己肯定感の低下

「叱られない=否定されない」ことで自己肯定感が育つと思われがちですが、実際には逆効果になることもあります。
間違いや失敗に向き合う経験がないまま育つと、困難に直面したときに自分を支える土台がありません。
「I’m OK」だけを刷り込まれた「ニセモノの自己肯定感」は、実際の試練に直面したときに簡単に崩れてしまいます。
たとえ自信があるように見えても、それが現実的な成功体験や葛藤を通して得たものではない場合、社会に出たときに壁にぶつかりやすくなるのです。
自己肯定感は正しく評価され、認められ、ときに叱られる中で少しずつ築かれるもの。
子どもの将来を考えると、「叱らないこと=優しさ」ではなく、ときにきちんと叱ることも必要な愛情のかたちなのかもしれません。

「叱らない親」に育てられた子どもの特徴

叱られずに育った子どもは、一見のびのびと自由に見えるかもしれません。
しかし、適切な注意や制止を受けずに育つことで、内面にはさまざまな課題を抱えることになります。
以下に、その典型的な特徴を挙げてみましょう。

「叱らない親」に育てられた子どもの特徴

メンタルが弱い

叱らないで育てることの大きな弊害は、打たれ弱い子どもに育つこと。
困難や失敗を叱られることなく通り過ぎてきた子どもは、問題に真正面から向き合う経験が少ないため、挫折に極端に弱くなります。
少しの批判や注意でも深く傷つき、立ち直れないほど落ち込むことがあります。
「叱られ慣れていない」ことで、社会の厳しさに順応しにくいメンタルを育ててしまうのです。

反抗的で言うことを聞かない

「叱られない=何をしてもいい」と感じた子どもは、他者の言葉を素直に受け止める力が育ちません。
特に大人に対する敬意や信頼を学ぶ機会が少ないため、指示に反抗したり、自分の思い通りにならないとすぐに態度に出す傾向があります。

我慢ができない

欲求を否定される経験がないと、「待つ」「譲る」といった社会性のない子どもになりかねません。
欲しい物がすぐに手に入らないとイライラしたり、不満を爆発させたりする場面が多くなります。
このような自己中心的なふるまいが目立ち、集団生活の中でのトラブルにつながることもあります。

「怒る」と「叱る」:感情と意図の違い

子どもに対して強く言葉をかける場面では、「怒っている」のか「叱っている」のかが、実は大きな意味を持ちます。
似ているようでまったく違うこの2つの行動は、子どもに与える影響もまるで異なります。違いを明確に理解することで、よりよい関わり方が見えてきますよ。

目的の違い

「叱る」は、子どもの行動を正し、より良い方向へ導くことを目的とした行為です。
相手に伝えるべきことを、ときに強い口調であっても理性的に伝えるものであり、子どもの成長を願う意図があります。
一方で「怒る」は、自分の苛立ちや不満といった感情をそのままぶつける行為であり、感情の発散が目的です。
子どもに何かを伝えるというより、自分の気持ちを解消するために行われる行為というわけですね。

伝え方の違い

「叱る」は、冷静なトーンで「なぜそれがいけなかったのか」「どうすればよかったのか」を具体的に伝えることが基本です。
相手の理解をうながし、自分で気づく力を育てるための声かけになります。
その一方で、「怒る」は、感情のままに強い言葉や大きな声で「何回言わせるの!?」「もう勝手にしなさい!」など叱責してしまいがちです。
言葉の内容よりも怒りの感情が前に出てしまっているため、子どもには「怖かった」という印象だけを与えてしまいます。

叱る時の注意点:心に響く伝え方

ここまで叱らない教育について話してきましたが、だからといって悪いことをしたときに何もしないのは、子どもの将来のためになりません。
大切なのは、誤った叱り方ではなく、子どもの心にしっかり届く叱り方を理解しておくことです。

人格否定しない

子どもを叱る際に、人格を否定するような言葉は絶対に避けましょう。
叱ることは、愛情を込めて子どもに伝えることであり、決してその存在を否定することではありません。
「どうせ君はダメだ」「いつもそうなんだから」といった言葉は、叱っているのではなく、自分のフラストレーションを発散しているだけです。
子どもは親の所有物ではなく、1人の尊重すべき人間です。
その人格を否定するような言葉は、子どもの心に深く傷を残します。
自分の価値が分からなくなり、自己肯定感を失ってしまうこともあります。
これでは、子どものやる気や前向きさも奪ってしまいかねません。
子どもの可能性を広げるためにも、否定的な言葉ではなく、「今のは〇〇だけれど、次はこうしようね。」など励ましや助言を心がけてくださいね。

理由を明確に

叱るときに「ダメ!」や「謝りなさい!」といった一言で終わらせてしまうことがありますが、こうした叱り方では子どもは自分が何をしたために怒られているのか理解できません。子どもには、なぜ叱られたのか、どこが悪かったのかを分かりやすく伝えることが重要です。
さらに、叱る理由は1度に1つに絞ることがポイントです。
叱っているときは、ついついあれもこれも伝えたくなってしまいますよね。
しかし、複数の問題を1度に注意してしまうと、子どもは何が原因で叱られているのかが曖昧になり、反省のしようがなくなります。
ひとつの行動についてしっかりと説明し、その行動がなぜ良くなかったのかを伝えることで、子どもは理解しやすくなります。

一方通行にしない

叱る際は、子どもの気持ちを聞き、一方的に押し付けないことが大切です。
子どもには叱られる理由があり、その理由を理解することが重要です。
叱る前にまず、子どもがなぜそのような行動を取ったのかを聞いてみましょう。
「どうしてそうしたの?」と問いかけ、子どもの気持ちや状況を理解することが大切です。子どもの意見を聞き、「~したかったんだね」とその気持ちを認めることで、子どもは自分の意図を理解してもらえたと感じ、気持ちが楽になります。
その後、「でもね、~すると〇〇という問題が起きるから、次回はこうしてみようね」といったように、叱った理由を伝えてあげると、次回の行動を促すことができます。
そうすれば、子どもは自尊心を守りつつ、反省し、納得して行動を改善できるのです。

叱った後のケア:信頼を保つために

子どもが悪いことをしたときは叱る必要がありますが、その後のケアも非常に重要です。
親子の信頼関係を深めるために、叱った後のケアについて確認しておきましょう。

叱った後のケア:信頼を保つために

冷静に伝える

叱った後には自分の思いを冷静に伝えることが大切です。
感情的になったときは、一旦その場を離れて心を落ち着かせる時間を持ちましょう。
怒鳴ったり、大声を上げたりすることは避けるべきだと分かっていても、つい感情的になってしまうことは誰にでもあります。
特に子育てにおいては、思い通りにいかないことが多いため、感情が先に立つこともありますが、その後に後悔しないようにすることが重要です。
まずは自分を責めず、その場を離れて深呼吸をして、気持ちを整理しましょう。
気持ちの整理ができたら、「怒ってごめんね」と冷静に伝えてあげてください。
こうすることで、子どもは親の感情に振り回されることなく、何が悪かったのかをしっかり理解しやすくなり、反省することができます。

安心感を与える

感情的に怒られた後、子どもに最も必要なのは安心感です。
怒られたことで不安や恐怖を感じている子どもには、心を落ち着けるためのサポートが欠かせません。
感情的な反応が収まった後、子どもの心を解きほぐすために、ギュッと抱きしめてあげましょう。
お母さんの腕の中は、子どもにとって最もホッとできる場所です。
安心感を与えることで、子どもの不安はすっと消え、心が落ち着きます。
そうすると。「自分はココがいけなかったな」と自分を責めていた心の中に自己肯定感を高める気持ちも湧いてきます。
また、叱ったことによって行動が改善されたときには、「すごいね」「よくできたね」とほめてあげましょう。
これも大切なフォローの1つです。

まとめ

叱ることは、子どもの成長にとってとても大切なことですが、どう叱るかが重要です。
感情的に怒ってしまうこともありますが、そのときはまず冷静になってくださいね。
冷静に理由をしっかり伝え、子どもの気持ちを尊重しながら叱りましょう。
また、叱った後には安心感を与えてあげることも忘れずに。
ギュッと抱きしめて「大丈夫だよ」と声をかけてあげるだけで、子どもの心は落ち着きます。
親にとっては叱った後に「なんであんなに言ってしまったんだろう」と後悔することがあるかもしれませんが、叱ることは子どもとの信頼を深めるチャンスでもあります。
適切な叱り方をすることで、子どもは反省し、次に進む力を得られるはずです。
子育ては悩みの尽きないものですが、叱るときでも愛情を持って接することが最も大切です。
子どもと向き合いながら一緒に成長していってくださいね。

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