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子どものひきこもり、親御さんができることは?

「子どもが学校に行かず、外出もしたがらない」「親ができることは何があるのだろう」と、お困りではありませんか?子どもが長期間ひきこもり状態になると、子どもの精神状態も心配ですし、成績や進路への影響が出ないか気になりますよね。

子どものひきこもり、よくある原因と対応

結論、子どものひきこもりは原因を分析し、専門機関などの第三者に相談することが早期解決につながります。この記事を読むと、子どものひきこもりに関する、次のことが分かります。

  • よくある原因と対応
  • 相談窓口
  • 長期化させないためにできること

ぜひ最後までご覧ください。

子どものひきこもり、よくある原因と対応

そもそも、どんな状態がひきこもりの定義なのでしょうか。厚生労働省が定める「ひきこもりの定義」は、次のようになっています。

『様々な要因の結果として社会的参加 (義務教育を含む就学, 非常勤職を含む就労, 家庭外での交遊など) を回避し、原則的には6ヵ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態(他者と交わらない形での外出をしていてもよい) を指す現象概念である。

なお、ひきこもりは原則として統合失調症の陽性あるいは陰性症状に基づくひきこもり状態とは一線を画した非精神病性の現象とするが、実際には確定診断がなされる前の統合失調症が含まれている可能性は低くないことに留意すべきである。』

引用:厚生労働省「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」

このように、半年以上にわたって社会参加をせずに家庭内で過ごしていると、ひきこもりと定義されるのです。この章では、子どものひきこもりのよくある原因と、原因別の対応を紹介していきます。

原因1:学校でのトラブル(人間関係や学業不振)

子どもにとって、学校生活でのトラブルやつまずきは、ひきこもりの要因になりやすいです。

  • 人間関係

クラス内や部活内でトラブルがあったときに、逃げるようにしてひきこもりになることがあります。思春期の多感さも相まって、周囲は問題ないと思っても、本人の中ではうまくいかないと感じていることがあります。

  • 学業不振

進学やクラス替えで自分よりできる存在を認識し、自信をなくすことがあります。テストの点数や順位を意識せざるを得ない状況になることも多く、結果を出すことを求められているプレッシャーを感じます。特に受験や就職を意識する時期は不安を感じやすいです。

大人が思う以上に学校生活はストレスを感じやすいものです。家庭で子どもが話をしてきたらよく聞いたり、リラックスできるような環境を作ったりすると良いですね。必要に応じて担任やスクールカウンセラーに相談しましょう。

原因2:家庭環境

子どもにとって、学校と同じくらい大きな割合を占める家庭環境。親との関係性も重要です。

例えば、厳格な家庭はしつけが厳しくなることで、子どもが自信をなくすことにつながります。過保護な親も、子どもが「信頼されていない」と感じたり、自分で決断する力が育ちにくくなったりすることがあります。放任主義・経済的に不安定な状況・家庭内の不和や離別がある場合も、子どもに影響が出ることがあります。子どもとの適度な距離を保ち、家庭が大きなストレスを与える場にならないよう注意が必要です。

原因3:ゲーム・ネットへの依存

ゲームやネットは、脳の報酬中枢を刺激してドーパミンを放出させます。何かに挑戦して成功すると嬉しくなり、達成感を得られ「もっとやってみよう」という気持ちになりますが、これがドーパミンの影響です。ゲームやネットは手軽に「できた・学んだ」を体感できるツールで、本格的な体験は伴わないもののドーパミンを放出させます。その結果、デジタルへの依存や中毒状態に陥りやすくなるのです。

先述のとおり、学校生活は子どもにとって多少のストレスを感じます。「学校に行くよりも、家でゲームやネットをする方が楽しい」と感じ、不登校やひきこもり状態につながることがあります。家庭でゲームやネットのルールを決め、適度な使い方を教えることが大切です。

原因4:その他の要因

上記以外にも、さまざまな要因があります。

  • コンプレックス

容姿や性格を指摘されたり、誰かと比べられたりすることでコンプレックスを感じ「自分はダメだ」と自信をなくすことがあります。

  • 反抗したい気持ち

親や学校へ反抗したい気持ちから、ひきこもりにつながることがあります。

  • 精神疾患や発達障害

うつ病や統合失調症などの精神疾患や、発達障害の特性ゆえに学校生活や日常生活に難しさを感じる子どももいます。医療機関を受診し、適切な治療を受けましょう。

ひきこもりの子どもへの対応方法

ひきこもりの子どもへの対応方法を5つ紹介します。

ひきこもりの子どもへの対応方法

1. 子どもの気持ちに寄り添う

まずは子どもの気持ちに寄り添うことが大切です。ひきこもり状態の子どもは甘えているわけではなく「ひきこもりたくないけど、やめられない」と思っている子どもが大半です。責めることで親子の信頼関係が崩れてしまうので、まずは子どもの話を聞いて共感することを大切にしましょう。共感してもらえることで子どもが自信を持てるようになり、元気になっていきます。もし「違う」と感じることがあるときは、頭ごなしに否定せず「あなたはこう思うんだね。お母さん(お父さん)はこう感じるよ」と、個人の意見として伝えると子どもも受け止めやすくなります。

2. 親御さん自身も休息を取り、前向きに

ひきこもりの対応は長期にわたるので、親御さんも正直疲れてしまいますよね。「子どもがいるから、家にいてしっかり対応しないと」と思うかもしれませんが、向き合い続けると大変ですし、子どももずっと親がいると思うと息苦しさを感じてしまいます。家の中でも趣味や仕事をしたり、1人で留守番ができる子どもであれば外出したりして気分転換するのもおすすめです。親が充実した生活を送る姿を見せることで、子どもも将来に対してポジティブなイメージを持てます。

3. 安心できる生活環境・生活リズムを整える

安心できる環境作りには、子どもと積極的にコミュニケーションをとり、やりたいことを尊重することが大切です。ただ、デジタルとの付き合い方はルールを決め、依存状態にならないように気をつけたいですね。

規則正しい生活リズムも大切です。ひきこもり状態のときは昼夜逆転が起きやすいので、なるべく学校に通うときに近い時間で起床・就寝できるように整えましょう。また、無理のない範囲で外出を取り入れ「買い物の荷物を持ってほしいから一緒に来てほしい」など、理由や簡単な役割を与えるのもおすすめです。

4. 専門機関に相談する

ひきこもりの対応は、専門機関に相談してみましょう。自治体の支援窓口やサポート団体など、さまざまな機関があります。家庭内だけで解決しようとせず、アドバイスを受けることがおすすめです。次の章で相談窓口を紹介しますので、ぜひお読みください。

5. 医師への相談(精神疾患などの確認)

ひきこもり状態に陥る背景に、精神疾患や発達障害を抱えている可能性があります。また、もともと疾患はなくても、ひきこもりの長期化によってストレスを感じることで、二次障害として精神疾患を引き起こすこともあります。医師の診察を受けることで、子どもに合った対応をとりやすくなるので、一度受診を検討しても良いでしょう。

ひきこもりの相談窓口の例

全国・地方自治体・民間に、相談窓口や情報提供の場があります。

全国的な相談窓口

厚生労働省のひきこもりに関する情報サイト「ひきこもりVOICE STATION」 があります。ひきこもりに関する基礎情報がまとまっており、当事者・経験者のインタビュー動画の視聴、全国の支援窓口を検索できるWebサイトです。まずはこちらで情報収集をして理解を深め、近くの相談窓口を調べて支援につなげることがおすすめです。

地方自治体の相談窓口

地方自治体の窓口には、以下のようなものがあります。ぜひ利用してみてください。

  • ひきこもり地域支援センター

都道府県と指定都市を中心に設置されています。社会福祉士、精神保健福祉士、保健師などの資格を有するひきこもり支援コーディネーターが、ひきこもりの状態にある当事者や家族へ相談支援・居場所作りを行います。また、関係機関と連携して地域のネットワーク作りや情報提供も行う、ひきこもり支援の地域拠点です。

  • ひきこもり支援ステーション・ひきこもりサポート事業

ひきこもり地域支援センター同様、相談支援や居場所作りを行います。各市町村の実情に応じ、個別の任意事業の実施も行います。

  • 児童相談所

原則18歳未満の子どもと、その家族への支援を行います。子育て全般の相談のほかに、ひきこもりの相談にも応じています。

その他の相談窓口

学校のスクールカウンセラーや、民間の支援団体に相談することができます。

民間の支援団体の中には、共同生活寮・施設で経験を積めるところや、訪問支援・就労支援を行うところもあります。オンラインで当事者会・家族会を行う団体もあるので、近くに支援施設がない・事情があり訪問できない場合も利用できます。

ひきこもりの長期化を防ぐために、今できること

厚生労働省によると、ひきこもり状態になってからの期間は3年未満が53.5%と、半数を占めます。一方で、7年以上の長期にわたると回答した方は21.5%です。3年以上経過すると、ひきこもりが長期化する可能性も増加してしまいます。

この章では、長期化を防ぐためにできることを紹介していきます。

ひきこもりの長期化を防ぐために、今できること

早期発見・早期対応の重要性

ひきこもりは準備段階・開始段階・ひきこもり段階があり、準備段階では身体症状や精神症状が現れ始めます。準備段階で症状のケアを行うと、ひきこもりが発現しないことが多いです。なるべく開始前に、充分な休息とケアを行うことが大切です。

ひきこもりが開始して1年以上が経過している場合は、自力での回復が難しい可能性があります。支援窓口につながり、専門家と相談して長期的に関わることで、少しずつ回復してくることが多いです。なるべく早めに相談窓口につながることが大切です。

家族以外の人とのつながりを持つ

「世間体もあるし、周囲に子どもがひきこもりだと知られたくない」と考える方もいるかもしれません。しかし、ひきこもり期間が長くなるほど、家庭での対応は難しくなります。家で様子を見るだけでなく、専門家からアドバイスを受けたり、同じ経験をしている人と話をしたりすると、学びが多く解決につながることもあります。まずは親が相談の窓口に出向き、家族以外の人とのつながりを作ることがおすすめです。

まとめ

子どもと親の双方にとって、ストレスを感じることが多い、ひきこもりの問題。一定期間、家で様子を見ても改善しない場合は、早めに相談窓口や支援団体につながることがおすすめです。長引くほど対応が難しくなるため、早めの対応が必要です。家庭内だけで抱え込まず、さまざまな支援先とつながって対応しましょう。

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