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保育園に入れない!待機児童問題の現状と今すぐできる5つの対策


共働き世帯の増加により、保育園の需要は高まっています。
2024年時点の全国の待機児童は2,567人、減少傾向にあるものの、それでもなぜ「保育園に入れない!」という問題がこれほど起きてしまうのでしょうか。
特に都市部では保育施設が不足しており、厳しい入園基準が影響し、希望する保育園に入れないケースが後を絶ちません。
そこで本記事では、「保育園に入れない…どうするべき?」と悩んでいる方へ向けて、待機児童問題の現状と今すぐできる5つの対策を紹介します。

保育園に入れない原因

保育園に入れない原因

待機児童が減っている一方で、それでもなお保育園に入れない家庭があるのはなぜでしょうか。
その理由について、いくつかの原因を詳しく解説していきます。

保育園の数が足りない

保育園に入れない主な原因は、保育園の数が不足していることです。
特に都市部では需要が高く、定員がすぐに埋まってしまいます。
厳しい労働環境による保育士不足に加え、都市部では保育園のための土地の確保が難しく、さらに認可基準の高さも新規開設の障害となっています。

認可保育園の選考基準を満たしていない

「認可保育園の選考基準を満たしていない」という理由で保育園に入れない家庭も多くあります。
認可保育園は、国が定めた基準を満たし、都道府県知事の認可を受けた保育施設です。
入園を希望する家庭は、市区町村に収入や勤務状況を申請する必要があり、各自治体の選考基準を満たさないと入園が認められません。
これにより、保育の必要性が高い家庭が優先され、条件に合わない家庭は入園が難しくなります。

調整指数による優先度

認可保育園の選考は、点数制で行われており、入園の優先度は「選考指数」という基準で決まります。
選考指数とは、基準指数と調整指数の合計点によるものです。
算出元となる二つの基準の内容は、以下になります。

・基準指数
保護者の健康や就労状況どを点数化したもの
自治体によって算出の基準が異なる

・調整指数
家庭の状況により調整が行われる、加算や減点
基準指数同様、自治体によって算出の基準が異なる
特に重要なのが「調整指数」で、同じ基準指数の家庭の中で優先順位を決める役割を果たします。

例えば、ひとり親家庭や、兄弟姉妹が同じ園に通っている場合は加点され、逆に、祖父母と同居している場合や育休中の申し込みでは減点されることがあります。
そのため、保育の必要性が高く共働きの家庭でも、調整指数が低いと、他の家庭に優先されて入園できない場合があります。

保育園に入れない!今すぐできる5つの対策

保育園に申し込んだけれど入れなかった…。
そんなとき、どうすればいいのか悩んでしまいますよね。しかし、認可保育園以外にも選択肢はあります。認可外保育園や一時保育の活用、働き方を変えるなど、できることを知っておくことが大切です。
ここでは、保育園に入れなかったときに試せる5つの対策を紹介します。

【基本】保育園の種類と入りやすさを知ろう

まずは保育園の種類と入りやすさを知りましょう。
以下に表にまとめましたので、是非参考にしてください。

保育園の種類概要入りやすさ
認可保育園国が定めた基準を満たす保育施設。入園順位は保育指数で決定。★☆☆☆☆(競争が激しく、都市部では入りにくい)
認可外保育園保護者が直接選べる保育施設。柔軟な保育時間と日数。★★★★☆(入園しやすいが、料金が高い)
認証保育園都道府県独自の基準を満たす施設。都市部に多く設置。★★★☆☆(都市部では競争が激しいが、地域によっては入りやすい)
認定こども園(幼保連携型)保育園と幼稚園を併せ持つ施設。1号認定(幼稚園枠)は園に直接申し込み、2・3号認定(保育園枠)は自治体に申請。★★★★☆(保育と教育を求める家庭には入りやすい)
保育ママ自治体認定の家庭的保育。定員3〜5名の少人数制。★★☆☆☆(定員が少なく、希望者が多いと入りにくいが、家庭的な雰囲気が魅力)

【裏技】認可外保育園も視野に入れよう

認可保育園のみ応募していた場合は、認可外保育園も検討してみましょう。
認可外保育園にも定員があり、多くの場合、先着順での申し込みとなるため、早めに申し込むことが重要です。
また、認可外保育園に預けることで、保育の指数で加点対象となる自治体もあるため、認可保育園が決まるまでの間、一時的に利用する方もいます。

【盲点】空きが出やすい保育園を狙おう

空きが出やすい保育園を狙うのも1つの方法です。具体的には、二次募集があるかを確認しましょう。4月入園では、辞退者が出たり定員に空きができた際に二次募集が行われることがあります。途中入園でも、定員に空きがあれば応募可能です。

【抜け道】育休延長や時短勤務も検討しよう

希望する月に保育園に入れない場合、育休を延長する選択肢もあります。入園できない場合は、育休を1歳6ヶ月まで延長でき、さらに状況が続く場合は最長2歳まで延長が可能です。

【最終手段】ベビーシッターや一時預かりも活用しよう

保育園に入れない最終手段として、ベビーシッターや一時預かりを活用するのも良いでしょう。一時預かりは認可保育園や認定子ども園で提供され、日中の短時間預けることができます。
ベビーシッターは、保護者が不在の間、自宅に来て子どもの世話をしてくれます。
就労目的での利用が保育の指数に加点される場合もあるため、保育園が決まるまでの間のサポートとして有効です。

保育園選びで失敗しない!情報収集と見学のコツ

保育園選びで失敗しない!情報収集と見学のコツ

保育園選びは、子どもの成長や家庭の生活スタイルに大きく影響するため、慎重に行いたいものです。希望する園に入れなかった、思っていた環境と違ったといった後悔を防ぐためにも、事前の情報収集と見学が重要になります。このセクションでは、保育園選びで失敗しないためのポイントや、効果的な情報収集・見学のコツを紹介します。

【情報収集】口コミサイトやSNSの活用

保育園選びには、口コミサイトやSNSでの情報収集がおすすめです。
口コミサイトでは、保護者の意見を参考にして園の雰囲気や特徴を知ることができます。
SNSでは、公式アカウントや保護者の投稿から、保育の様子やイベント情報を写真や動画で確認でき、より具体的なイメージが湧きやすくなります。

【見学】チェックすべきポイントと質問リストの作成

保育園や幼稚園選びでは、実際に見学して環境や教育方針を確認することが大切です。
そこで、見学時に役立つチェックポイントと質問リストをまとめました。

〈チェックポイント〉

→立地について
 ◻︎自宅からの所要時間、通いやすさ
 ◻︎雨の日でも通えるか
 ◻︎周辺の環境や治安
 ◻︎お散歩で行ける公園が近くにあるか
→施設について
 ◻︎園庭はあるか、ない場合の外遊びの方法
 ◻︎施設の清潔さ
 ◻︎施錠などセキュリティー管理
 ◻︎建て替えや移転の予定はないか
 ◻︎部屋の広さ
 ◻︎ベビーカーや自転車の置き場所
 ◻︎ロッカーの大きさ(抱っこ紐は置けるか)
→先生について
 ◻︎保護者に対する対応や印象
 ◻︎子どもに対する接し方・コミュニケーション
 ◻︎保育士同士の雰囲気
 ◻︎各クラスの園児に対する保育士の人数
 ◻︎看護師は駐在しているか
→保育時間について
 ◻︎延長保育は何時までか
 ◻︎早朝保育は何時からか
 ◻︎延長保育はスポット利用可能か
 ◻︎土曜保育はあるか
→給食について
 ◻︎調理室があるか、外注か
 ◻︎アレルギー対応
 ◻︎メニュー表や実物を見て、美味しそうか
 ◻︎食育に対する考え方
 ◻︎延長保育の場合の夕食の提供
→持ち物について
 ◻︎オムツやおしり拭きは持ち込みか
 ◻︎使用済みオムツは持ち帰るか
 ◻︎布団・シーツは持参か
 ◻︎日々の持ち物(手ふきタオル、上履きなど)
 ◻︎母乳の持参は可能か
→運営主体について
 ◻︎運営主体は誰か
 ◻︎保育理念や方針
 ◻︎スタッフの離職率
 ◻︎行事などについて
 ◻︎リトミック、英語などの教室はあるか
 ◻︎夏はプールや水遊びをするか
 ◻︎運動会・発表会などの行事は土日にあるか
→その他
 ◻︎ならし保育はどのように行うか
 ◻︎病気や発熱の際の登園の目安
 ◻︎保育の様子を確認できるツール
 ◻︎(連絡帳・アプリ・写真掲示など)
 ◻︎感染症の予防対策

〈質問リスト〉

・1日の流れはどのようになっていますか?
・行事はいつごろ、どんなタイミングで行われますか?
・保護者懇談会はありますか?
・ならし保育はどのくらいの期間で、どんな形で進めていきますか?
・アレルギー対応はどのように行っていますか?
・離乳食はどのように進めていきますか?
・おやつはどんなものが出ますか?
・トイレトレーニングや歯磨き指導はいつ頃から始めますか?

【決定】優先順位と希望条件の整理

保育園選びで最も重要なのは、優先順位と希望条件を整理することです。
保育園にはさまざまな特色があり、全ての希望を満たす場所を見つけることは難しいこともあります。
そのため、最も重要なポイントを絞り込み、譲れない条件と柔軟に対応できる部分を明確にしておきましょう。
例えば、アクセスの良さ、教育方針、安全面、施設の設備などが考慮すべき点です。
それぞれについて、優先順位をつけることで、最適な保育園選びができるようになります。

保活はいつから始める?スケジュールと準備リスト

保活は早めに始めることが大切です。
保育園の選び方や手続きには時間がかかるため、計画的に進める必要があります。
ここでは、保活をいつから始めるべきか、スケジュールと準備リストをまとめてご紹介します。

【スケジュール】妊娠中から保活を始めよう

保活は妊娠中から始めるのが理想的です。

特に0歳児の4月入園を希望する場合、出産後に保活を始めると締切に間に合わないことがあります。
秋生まれや冬生まれの場合、出産後すぐに申し込みが必要になることもあり、見学の時間も取れなくなることがあります。
また、仕事をしながら保活を進めるのは予想以上に負担が大きいため、余裕をもって準備を進めることが重要です。
希望する入園時期に合わせて早めにスケジュールを立てましょう。

【準備リスト】必要書類と持ち物を確認しよう

保育園や学童の入園手続きには、事前に揃えておくべき書類や持ち物がいくつもあります。
就労証明書や住民票、健康診断書など、自治体ごとに求められる書類が異なるため、早めに確認して準備を進めましょう。

〈保育園で必要な持ち物〉

・着替え
・季節ごとに上下4セット以上
・ループ付きタオル
・ゴム付き帽子
・コップ入れや着替え入れ
・ビニール袋
・レインコートなどの雨具
・昼寝用寝具類
・連絡帳ノート
・制服、制帽、指定のバッグ

保育園に入れなかった!その後の選択肢と手続き

保育園に入れなかった!その後の選択肢と手続き

希望する保育園に入れなかった場合、次のステップをどうするか早めに検討することが大切です。

【選択肢】育休延長、認可外保育園、ベビーシッター…

入園できなかった場合、まず考えられるのが育児休業の延長です。
一定の条件を満たせば、育休給付金を受けながら休業期間を延ばせる可能性があります。
また、前述した通り認可外保育園の利用を検討するのも一つの方法です。
認可園と比べて柔軟な受け入れをしている園も多く、自治体によっては補助金制度がある場合もあります。他にも、ベビーシッターや一時保育を活用しながら、次の入園の機会を待つ方法もあります。

【手続き】二次募集、転園、空き待ち…

自治体によっては二次募集が行われることがあり、申し込み可能な園があるかを確認することが重要です。また、認可保育園に空きが出た際に入園できるよう、空き待ちの申し込み(ウェイティング登録)をしておくのもよいでしょう。
すでに認可外保育園に通っている場合でも、認可保育園への転園申請を出しておけば、途中入園のチャンスが得られるかもしれません。

【相談窓口】自治体、保育コンシェルジュ、NPO…

保育園探しに悩んだときは、自治体の保育担当窓口に相談すると、空き状況の確認や補助金制度について詳しく教えてもらえます。
また、一部の自治体では保育コンシェルジュが在籍していることもあり、各家庭の状況に合った保育の選択肢を提案してくれます。
さらに、子育て支援を行うNPO法人では、認可外保育園の情報提供や一時預かりの相談に対応している場合もあります。

まとめ

待機児童数は減少傾向にあるものの、認可保育園の厳しい選考基準や調整指数によって、保育園に入れないという家庭は多くあります。
今すぐできる対策としては、早めの準備と情報収集、複数の保育園に申し込むこと、認可外保育園や一時預かりの活用、調整指数に対応した申請、そして自治体や地域の特性を考慮することです。
これらの対策を実行することで、保育園入園の可能性を高めることができます。
ぜひ、今回紹介した内容を参考に、入園に向けた準備を進めてください。