子どもに教える楽譜の読み方!基礎知識と楽しく覚えるコツ

子どもに教える楽譜の読み方!基礎知識と楽しく覚えるコツ

楽譜を読むには、音の高さや長さを表す音符と、基本的な音楽記号の意味を押さえることが大切です。読み方が分かると、好きな曲の演奏に挑戦しやすくなり、音楽の授業で学ぶ内容への理解も深まります。

この記事では、五線譜の見方や音符・休符の読み方を解説します。代表的な音楽記号も紹介するので、子どもと一緒に楽譜を読む際の参考にしてください。

楽譜を読むための基本ルール

まずは、音符を並べる「五線譜」と、音の高さの基準になる「ト音記号・ヘ音記号」について紹介します。

音の高さを表す五線譜

五線譜は、横に引いた5本の線に音符や記号を書いた楽譜です。音符の丸い部分を「符頭(ふとう)」と呼び、この丸が線の上にあるか、線と線の間にあるかを見て、音の高さを読み取ります。

丸の位置が上にあるほど高い音、下にあるほど低い音を表します。五線の外にある音を書くときは「加線(かせん)」という短い線を足します。

まずは、『丸が上にあるほど音が高くなる』というイメージを掴んでおきましょう。

ト音記号とヘ音記号

楽譜を読むための基本ルール

ト音記号とヘ音記号は、五線譜上で音の高さの基準を示す「音部記号」です。ピアノの楽譜では、右手で弾く高い音のパートにト音記号、左手で弾く低い音のパートにヘ音記号がよく使われます。

まず覚えたいのは、ピアノの真ん中にあるドの位置です。ト音記号では五線のすぐ下に足した1本目の加線上、ヘ音記号では五線のすぐ上に足した1本目の加線上に書きます。どちらも同じ高さのドを表しています(画像:赤枠部分を参照)

このドを目印に、線と線の間をたどって音を数えてみましょう。

また、記号が示す音を目印にする方法もあります。「ト」と「ヘ」は日本語の音名で、ドレミでいう「ソ」と「ファ」に当たります。ト音記号の渦巻きの書き始めは「ソ」の少し下から始まり、ヘ音記号の左側の黒丸は「ファ」を示します。

子どもが覚えやすい音を目印にして、少しずつ読む範囲を広げてみてください。

音符と休符の種類

音符と休符の種類

音符は音を出す長さ、休符は音を休む長さを表します。ここでは、4分音符を1拍として、基本的な音符と休符の種類を見ていきましょう。

基本の音符

音符の長さは、丸い部分が白いか黒いか、棒や旗が付いているかで見分けます。

まずは、よく使う5種類を比べてみましょう。次の図をご覧ください。

基本の音符

8分音符・16分音符が連続して複数ある場合は、1拍のまとまりを分かりやすくするために、旗を横線でつないで書く場合もあります。横線が1本は8分音符、2本は16分音符と見分けます。図の括弧内も見ながら、形の違いを確認してみてください。

基本の休符

休符は、音を出さずに休む記号です。音符と同じように、形によって長さが決まっています。

休符基本の長さ
全休符4拍※1小節全体の休みにも使う
2分休符2拍
4分休符1拍
8分休符0.5拍(1/2) 
16分休符0.25拍(1/4)

練習では、音符と休符を交互に書いて、拍手などでリズムをとってみるのがおすすめです。遊びを通して音符や休符に親しむことで、楽譜を読む力を養えます。

付点音符と付点休符

「付点」は、音符や休符の右側に付く小さな点です。点が1つ付くと、元の長さの半分が加わり、全体で1.5倍の長さになります。

<例>4分音符を1拍とした場合

  • 付点2分音符:「2拍+1拍」で3拍
  • 付点4分音符:「1拍+1/2拍」で1拍半

付点休符も同じように、元の長さに半分を足して数えます。

文字や数字で考えると少し複雑ですが、「1個と半分」の長さだとイメージしてみてください。

拍子と小節の見方

音符や休符の長さが分かったら、拍子や小節を確認してみましょう。

小節と小節線の役割

楽譜には、縦に引かれた線がいくつもあります。この縦線を「小節線」と呼び、線と線で区切られたひとつの空間を「小節」と呼びます。
子どもには「音符や休符が入るお部屋と、その仕切り(壁)」と伝えるとイメージしやすいでしょう。

小節には、「1つの小節の中に入れられる音符や休符の長さ(合計サイズ)が、曲ごとに決まっている」というルールがあります。

決まったサイズのお弁当箱に、大きなおかず(長い音符)や小さなおかず(短い音符)を組み合わせて、隙間なく詰めていくようなイメージです。

このように小節ごとに区切って整理することで、長い曲でも「今どこを演奏しているか」がすぐにわかるようになります。

では、先ほどお伝えした「入る音符の量」は、どうやって決まるのでしょうか? それを指示しているのが、次で解説する「拍子(ひょうし)」というルールです。

拍子記号の意味

「拍子記号」とは、前のセクションで解説した「小節(お部屋)のサイズ」を決めるルールのことです。曲の初めにある、ト音記号やヘ音記号のすぐ右側に書かれています。
ここで指定されたルールによって、曲の基本となるリズム(拍のまとまり)が決まります。 数字は分数のように上下に並んで書かれていて、それぞれ次の意味があります。

  • 下の数字:基準にする音符の種類(何分音符を1拍にするか)
  • 上の数字:1小節に入る数(その音符が、1つの小節に何個入るか)

代表的な拍子記号を見てみましょう。

拍子記号通常の1小節に入る長さ拍の取り方
4分の4拍子(4/4)4分音符4つ分4分音符で4拍
4分の3拍子(3/4)4分音符3つ分4分音符で3拍
4分の2拍子(2/4)4分音符2つ分4分音符で2拍
8分の6拍子(6/8)8分音符6つ分付点4分音符で大きく2拍
2分の2拍子(2/2)2分音符2つ分2分音符で2拍

表を見て「あれ?」と思った方もいるかもしれません。
「4分の3拍子(4分音符3つ分)」と「8分の6拍子(8分音符6つ分)」の2つがありますが、これはどちらも「8分音符が6個入るサイズ」になります。
しかし、グループの分け方が違うため、「リズムのノリ」の点で、全くの別物になります。

・4分の3拍子
4分音符が3つ入るお部屋です。
「ズン・チャッ・チャッ」という、ワルツのような3歩で進むリズムになります。


・8分の6拍子
8分音符が「6つ」入るお部屋です。
3つの音符をひとまとめにし、2つに分けて「タタタ・タタタ」といったリズムになります。

子どもと一緒に数えたり、手拍子をしたりしながら、まとまり方の違いを感じてみてください。
リズムをまとめた動画も多く投稿されていますので、「4分の3拍子」「8分の6拍子」などで検索すれば、聴いて確認することもできます。

代表的な音楽記号

代表的な音楽記号

これまで見てきた「音の高さ」や「長さ」の他にも、楽譜には曲の表情をつくるための様々な「音楽記号」が書かれています。演奏を始める前に、音符の周りにある記号にも目を向けてみましょう。

ここでは、楽譜によく出てくる3種類の記号を紹介します。

変化記号(シャープ・フラット)

シャープ(♯)は半音上げる、フラット(♭)は半音下げる記号で、楽譜上では音符の左側に記載されます。ピアノでは、白鍵と黒鍵を含めて、「すぐ隣の鍵盤までの間隔」が半音に当たります。

以下のように言い換えることもできます。

・シャープ(♯):一番近い「右どなり」の鍵盤を弾く

・フラット(♭):一番近い「左どなり」の鍵盤を弾く

この変化記号には「小節が終わるまで、同じ高さの音すべてに効果が続く」というルールがあり、取り消すまで継続されます。

その取り消しの記号が、ナチュラル(♮)です。
例えば「ド♯・ド・ド・ド♮」の場合、最初から3音は黒鍵のド#を弾き、4音目のみ白鍵のドを弾きます。

また、ト音記号やヘ音記号の右側に、シャープやフラットを記載することで、曲全体に適用させることもできます。これを「調号」といい、変更がない限り効果が続きます。

強弱記号

強弱記号は、音をどのくらい強く、弱く演奏するかを示します。代表的なものは、次の6種類です。

記号読み方意味
ffフォルテッシモとても強く
fフォルテ強く
mfメゾフォルテやや強く
mpメゾピアノやや弱く
pピアノ弱く
ppピアニッシモとても弱く

意味を覚えたら、同じ短いメロディーを、強弱を変えて演奏してみましょう。「ここは小さく」「次は少し力強く」などと声をかけると、子どもも音の違いをイメージしやすくなります。

親子で聴き比べながら、強弱によって曲の印象がどう変わるかを感じてみてください。

反復記号

反復記号は、楽譜の一部を繰り返して演奏するための記号です。よく使うリピート記号は、縦の二重線と2つの点で表されます。

点が縦線の左側にある記号に来たら、点が右側にある開始の記号まで戻ります。開始の記号がなければ、曲の冒頭に戻りましょう。特別な指定がなければ1回繰り返し、その部分を2回演奏して先へ進みます。

反復記号1

また、リピート記号で繰り返し演奏している際に「〇番カッコ」が使用されることがあります。
〇には数字が入り、例えば「1番カッコ」であれば1回目のみ、「2番カッコ」であれば2回目のみ演奏します。

反復記号2

演奏する前に、子どもと一緒に楽譜を指でたどり、順番を確かめてみると良いでしょう。

家庭でできる楽しい練習法

ここからは、家庭でも取り入れやすい練習方法を紹介します。

音符カードや色塗り遊び

音符カードは、音符の形や位置を見ながら、音の高さや長さを学ぶものです。家庭でも、紙に音符を書いて手軽に作れます。

▶音の高さを読む練習

音部記号と五線、音符を描いたカードを用意します。カードを1枚ずつ出して「これは何の音?」とクイズを出したり、「ドはどれ?」と書いてある音を探したりできます。

▶音の長さを読む練習

4分音符や2分音符など、音符の種類のカードを用意し、音符の名前や長さを確認する練習ができます。休符のカードも加えると、手を叩く・休むを組み合わせて遊べます。

まずは少ない枚数から始めて、慣れてきたら増やしてみてください。

色塗りが好きな子どもには、音符の長さに合わせてマスを塗る方法もおすすめです。例えば「4分音符は1マス、2分音符は2マス」と決めると、目で見て長さを比べられます。

知育アプリや動画の活用

アプリや動画も、子どもが楽譜に親しむきっかけになります。音の高さを読む、リズムを覚えるなど、練習したい内容に合わせて選びましょう。

選ぶときは、次の点を確認してみてください。

  • 子どもの年齢やレベルに合っている
  • お手本を繰り返し聴ける
  • 難しさや演奏の速さを調整できる

動画は、楽譜と音を同時に確認でき、演奏している音符が分かるものがおすすめです。子どものレベルに応じて、途中で止めて音符を読んだり、同じリズムを手拍子でまねしたりしてみてください。

親子で一緒に、楽しみながら取り組みましょう。

まとめ

楽譜の読み方は、基本の仕組みを順番に身につけていけば確実に習得できます。
読み方が分かると、親や先生、解説動画などの手本がなくても自分の力で練習を進められるようになります。
初めての曲を弾いてみたり、好きな楽曲を弾いてみたりと、できることの幅が拡がりますね。

まずは音の高さと長さを覚えて、少しずつ拍子や音楽記号にも慣れていきましょう。カードや知育アプリ、動画なども活用して、子どもが楽しみながら覚えられると良いですね。

関連するコラム