子どもの習い事の選択肢として、サッカーを考えている保護者の方。「サッカーを習わせると、どんなメリット・デメリットがあるのだろう」「必要な道具や費用を知りたい」と考えていませんか?
結論、サッカーは運動能力や精神面の発達など、子どもの成長を促せるおすすめの習い事です。ただ、送迎をはじめとした親の負担や怪我のリスクがあることも事実です。
この記事では、以下の内容を解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、参考にしていただければ幸いです。
サッカーを習うことで、次のようなメリットが得られます。
サッカーは走る・蹴る・跳ぶなど、さまざまな動きをします。ボールの動きや相手の動きに合わせて瞬間的にどう動くかを判断するため、瞬発力や身体のコントロール力が身につきます。
また、少年サッカーは試合時間が40分程度で、試合中に約3km走ると言われています。40分間動き続けるため、持久力も身につき、体力の向上も期待できます。
11人(少年サッカーの場合は8人)で試合を行うサッカーは、試合に勝つために仲間と協力することが不可欠です。声をかけながらボールをパスする、仲間やコーチと戦略を考えるなど、練習からチームの仲間と良い関係を築いて協力する必要があります。また、多くの人と関わることで礼儀やリーダーシップを学ぶことができ、コミュニケーション能力の向上にもつながります。
子どもの頃にサッカーを習うことで、成長しても部活動として取り組んだり、社会人サッカーやフットサルを楽しんだりするきっかけになります。フットサルは主に屋内で行われる5人制のサッカーのことで、サッカーのルールをベースにして行われるスポーツです。仕事や勉強のストレスを体を動かして発散し、息抜きになるでしょう。
サッカーを習うことで起こる可能性があるデメリットを紹介します。
スポーツである以上、怪我のリスクがあります。サッカーでは捻挫・打撲や、特定の部分の使い過ぎによる筋肉の炎症が起こりやすいです。慌てずに適切な対応をとれるように、事前に応急手当やホームケアを学んだり、いざというときに受診できるように近隣の整形外科を調べておいたりすると安心です。
子どもの年齢やチーム・スクールにもよりますが、送迎の負担が発生することがあります。練習の頻度は週2回程度のチームもあれば、週4回以上行うチームもあります。学年によっては子どもだけで練習に行ける場合もありますが、未就学児~小学校低学年頃までは保護者の送迎が必要なことも多いです。普段の練習のほかに、試合や遠征などで遠方の送迎がいることもあります。
また、保護者が練習を見学しながらお茶くみしたり、待機をしたりするチームもあります。入会前に保護者の当番の有無、送迎負担について確認すると良いでしょう。昨今は見学不要・お茶くみなどがないチームも増えているので、そのようなチームを選ぶことも1つです。
サッカーはボール1つあればプレーできるため、他のスポーツより気軽に始めやすく、用意するものが少ないので、他の習い事よりも費用が抑えられる傾向があります。チームの種類によっても金額の差が大きいため、今回はスポーツ少年団(スポ少)・クラブチーム(Jリーグ育成組織など)・スクールに分けて、費用の目安を紹介します。
| スポーツ少年団 | 0~3,000円 |
| クラブチーム | 6,000~12,000円 |
| スクール | 5,000円~8,000円 |
地域の小学校などで行われるスポーツ少年団は、入会金がクラブチームやスクールと比べて安いです。場所代などの経費が安く、コーチもサッカー経験のある地域の人が担っていることが大半のため、入会金を含めて費用が安い傾向があるためです。
一方、クラブチームやスクールはプロ経験があるコーチが直接指導するため、スポーツ少年団に比べるとお金がかかります。
| スポーツ少年団 | 2,000~5,000円 |
| クラブチーム | 5,000~15,000円 |
| スクール | 5,000~13,000円 |
先述のとおり、場所代やコーチの専門性の違いから、月謝もスポーツ少年団は安め、クラブチーム・スクールは高めという傾向があります。
月謝のほかにも年会費が設定されていたり、スポーツ保険料・遠征費・交通費・イベント費用などがかかったりするチームがあるので、見学や入会時に確認してみてください。
購入する商品やお店、所属チームの指定品があるかによって変動しますが、概算を記載します。
| サッカーボール | 3,000円 |
| トレーニングシューズ | 5,000円 |
| ユニフォーム | 20,000円 |
| ソックス | 1,500円 |
| インナー | 2,000円 |
| バッグ・リュック | 5,000円 |
| 概算 | 36,500円 |
インナーやソックスの洗い替えなどを購入する場合はさらに費用がかかります。野球はユニフォームや道具一式を揃えると5~10万円ほど必要になるので、他の球技と比べて金銭的な負担は多くないといえます。
費用についての章で少し触れましたが、サッカーチームとサッカースクールの違いについて解説します。
サッカーチームには、大きく分けてスポーツ少年団とクラブチームがあります。
近隣小学校などを拠点に活動し、地域に根付くチームです。コーチはサッカー経験や知識がある保護者・地域の人がボランティアで行っています。入団試験はなく、誰でも参加できます。小学校1年生から6年生まで入団できるチームが多いようですが、幼稚園や保育園の年長・年中などの未就学児を受け入れている場合もあります。月謝が最低限のため、練習や試合への帯同、お茶くみなど保護者の負担があるケースもありますが、同じ学校の友達が在籍していることも多いため、子どもにとって入団しやすいといえます。
Jリーグの育成組織を含めた、街のサッカーチームの総称です。プロ経験者や、上位の指導ライセンスを取得するコーチが在籍していることも多いため、質の高い指導を受けられることが魅力です。強豪チームはセレクションと呼ばれる入団試験があり、合格できないと入団できません。練習試合や遠征なども多く、活動日数が多いため、月謝がスポーツ少年団よりも高く設定されていることが多いです。ただ、運営体制がしっかりしているので、お茶くみなどはクラブのスタッフが担うケースが多く、保護者の帯同はスポーツ少年団よりも少ないです。
スクールは、サッカーの技術を向上させるために通う教室です。教えることに長けた講師が担当し、
サッカーの技術・礼儀やマナー・チームメンバーとのコミュニケーションのとり方について学びます。初心者の子どもはもちろんですが、クラブチームへ加入ができなかった子どもがスクールに入って技術を磨いたり、クラブチームへ通う子どもが他の子との差別化を図るために補助的に通ったりすることもあります。スクールは技術の習得が目的なので、試合がないことが多く、試合があってもサッカーチームより頻度が少ない場合が多いです。
子どものサッカー経験や、どのようにサッカーと関わっていきたいかにより、どちらを選ぶと良いかは異なります。以下にポイントを簡単にまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
スポーツ少年団がおすすめ
クラブチームがおすすめ
スクールがおすすめ

前の章でチームとスクールのどちらを選ぶかのポイントを簡単に紹介しましたが、この章ではスクールを選ぶポイントを解説します。
子どもの他の習い事と被らず、保護者・兄弟の都合に合う日時を選びましょう。練習の帯同やお茶くみなどの当番が必要なのかも、併せて確認すると安心です。練習頻度は週2~4回程度が多いようですが、スクールによりさまざまです。頻度が多いほど子どもの自由な時間が減りますし、保護者も送迎の負担が増えます。子どもの負担にならないように、よく話し合って決めましょう。
スクールによって、基礎練習を重視したり、レクリエーション要素を取り入れた練習をしたりと、内容はさまざまです。中には練習内容に特色があり、ドリブルやキーパーなどの特定のスキルやポジションに特化し、伸ばしたい技術を集中的に磨けるスクールもあります。苦手な部分や伸ばしたい部分が明確なときには、特化型のコースを受講しても良いでしょう。
レベルに関しても、初心者が多いスクールと経験者が多いスクールでは、練習内容や雰囲気が異なるので、事前に確認すると良いでしょう。
スクールの雰囲気や指導方針を確認することも大切です。HPなどの情報だけでは分からないことが多いので、見学や体験を活用してコーチの人柄や子ども達との関係性を見ておくと安心です。
また、人工芝コートや駐車場など、設備面もチェックしておきましょう。
サッカーを始める前に「これだけは準備したい」というものを紹介します。
年代に応じて適切なサイズがあります。子どもに合わせて適切なサイズを使用しましょう。
直径約19cmと小さめの3号球は、まずはボールに親しんでほしい幼児~小学校低学年向けです。小学生の公式試合で使用される4号球は、サッカーチームなどに入って本格的に練習するときに選ぶと、より力を発揮できます。
トレーニングシューズはスパイクと比べて靴底のポイントの数が多く、やわらかめで足の負担が少なめです。低学年の子どもの練習用シューズにおすすめです。マジックテープタイプもあるので、子どもに合わせて選ぶと良いでしょう。

サッカーを習ううえで、よくある質問を3つ紹介します。
大丈夫です。スポーツ少年団や入団試験のないチームは未経験の子どもが多いのでおすすめです。
できます。10歳頃までは「女の子だから」という理由でスクールを厳選する必要はありませんが、10歳以降は身体面でケアが必要になってきます。10歳以降であれば、女子サッカーに知見があるコーチのもとで指導を受けると安心です。女の子向けのサッカーチーム・クラスも増えてきているので、ぜひ調べてみてください。
小学生のうちから始めるのがおすすめです。「スキャモンの成長曲線」という、人の発育をグラフで表したデータによると、動作習得のプレ・ゴールデンエイジは小学校低学年、ゴールデンエイジは小学校高学年とされています。学童期にサッカーなどの運動をすることで運動面の発達を促し、中学生以降も能力を伸ばしたり、生涯にわたってスポーツを楽しめるようになったりします。
子どもがサッカーを習うと運動機能の発達促進をはじめ、協調性・コミュニケーション能力の向上が期待できます。チームの種類やスクールの特色もさまざまなので、家庭で話し合って子どもに合うものを見つけましょう。