サッカー初心者の子ども向け!自宅や公園でできる基本練習メニューと親のサポート

こどものおけいこ選び失敗しない3つのポイント

サッカーを始めたばかりの子どもには、「うまくやること」よりも「楽しむこと」が大切です。難しい練習は必要ありません。遊び感覚でボールに触れながら、少しずつ慣れていくことが上達への近道になります。

サッカーの練習場所は、広いグラウンドがなくても自宅の庭や近くの公園などで十分です。毎日ほんの10分でも、ボールに触れる習慣をつくることが重要です。

この記事では、サッカー初心者の子どもでも取り組みやすい、自宅や公園でできる練習メニューをご紹介します。親子で楽しみながら、無理なく上達できる練習のコツを見ていきましょう。

基礎技術「止める・蹴る・運ぶ」を身につけよう

サッカーの基本技術は「止める・蹴る・運ぶ」の3つです。難しい技術を覚えるよりも、まずはこの3つを丁寧に身につけることが大切です。ここでは、基本技術を身につけるための練習をご紹介します。

ドリブル練習:ボールを運ぶ練習

ボールを足元でコントロールしながら進む練習がドリブルです。スピードよりも、ボールを自分の思い通りに動かすことを意識しましょう。

コーンやペットボトルを3〜5本程度並べて、その間をドリブルしながらジグザグに進む練習がおすすめです。最初は間隔を広くし、慣れてきたら少しずつ狭くしていきましょう。コーンがない場合は、靴やおもちゃなどで代用しても構いません。ポイントは、常にボールを足元に置くことです。蹴りすぎてボールが離れてしまうと、コントロールが崩れてしまいます。ボールを撫でるように扱う感覚を養うことを意識しましょう。

「今日は昨日より2秒も速かった!」といった記録の更新は、モチベーションアップにつながります。練習を見守る際は子どものやる気を引き出すため、積極的に声がけしましょう。

パス&トラップ練習:止める・蹴るの練習

止める・蹴るの練習は、パス&トラップが基本になります。正確にボールを止めて、狙ったところへ蹴ることができると、プレーの安定感がぐっと増します。

まずは、壁に向かってボールを蹴り、跳ね返ってきたボールをしっかり止める壁当てパスから始めます。足の内側で優しく蹴る(インサイドキック)のがコツです。強く蹴りすぎるとコントロールが乱れてしまうため、集中力が必要です。

親子で一緒に練習できるなら、向かい合ってのパス交換をが効果的です。5mほど距離を取り、一定のリズムでボールを蹴り合いましょう。受け取る際は、ボールを止めるトラップを意識して、足の裏や内側でやさしく受け止めます。

パス&トラップ練習を続けることで、ボールが足につく感覚が身につきます。最初は上手くできなかったとしても、焦らず繰り返し練習することが大切です。

個人でできるおすすめの練習

個人でできるおすすめの練習

個人で練習を積み重ねることで、ボールタッチの精度や判断力が磨かれます。ここからは、個人でできるおすすめの練習をご紹介します。

色んなボールタッチの練習

ボールタッチの練習は、足の感覚を養うのに最適です。やり方はシンプルで、足の裏、内側、外側などの部分を使って、ボールをコロコロ転がします。テレビを見ながらでも、音楽を聴きながらでも練習できるので、毎日習慣しやすいのが魅力です。

例えば、以下のような動きを繰り返すことで、ボールへの感覚が育ちます。

・足の裏で前後に転がす
・右足と左足で交互にボールをタッチする
・足の内側と外側を交互に使う
・足の裏でボールを左右に動かす
・つま先でボールを前に押し出す

慣れてきたら、テンポを速めたりリズムに合わせて動いたりしてもOKです。お子さんが小さい場合は、親が近くで見守りながら声をかけてあげましょう。

リフティング

リフティングは、ボール感覚を磨くための代表的な練習です。最初から何回も続けようとせず、まずは2~3回程度成功したらOKという気持ちで取り組みましょう。

初心者におすすめの練習法が、キャッチリフティングです。足でボールを軽く上げてから、すぐに両手でキャッチします。繰り返すことで、ボールを蹴るタイミングをつかむ練習になります。

キャッチリフティングに慣れてきたら、2回続けて蹴ったり、左右交互に蹴ったりして、レベルを上げていきましょう。コツは、力を入れすぎず、ひざを軽く曲げてボールの真下をすくい上げるように蹴ることです。

リフティングは根気が必要な練習ですが、目標回数を設定するなど工夫することで、やる気が長続きします。

シュート練習

ボールタッチやリフティングに慣れてきたら、ゴールに向かってボールを蹴るシュート練習を始めましょう。もしゴールがなければ、段ボールやペットボトルをゴール代わりにしてもOKです。最初は当てる遊びの感覚で、的を狙って蹴る練習をしてみましょう。

狙いをつけるコツは、ボールの中心をしっかり見ることです。蹴る瞬間は身体を前に倒しすぎず、姿勢を真っ直ぐに保つと安定したキックになります。また、強いシュートを打つためには、軸足(蹴らない方の足)の位置が重要です。ボールの真横、少し後ろくらいに軸足を置くと、バランスよくボールに力を伝えられますよ。

「今日は10本中何本入るか挑戦しよう!」といったように、ゲーム性を持たせた練習も効果的です。

チームで行うおすすめの練習

チームや友達と一緒に練習することで、協調性や判断力が育ちます。ここからは、チームで行うおすすめの練習をご紹介します。

ショートパス・ロングパスの練習

ショートパスは近距離での正確なボールコントロール力を、ロングパスは距離のあるキック力を鍛えます。どちらも試合で欠かせない重要な技術です。

まずは、5メートルほどの近い距離でのショートパスの練習から始めましょう。足の内側でボールを蹴ると安定します。ショートパスでは、スピードより正確さが大切です。相手が受け取りやすいボールを心がけましょう。

慣れてきたら、10メートル、15メートルと少しずつ距離を広げて、足の甲で強く蹴るロングパスに挑戦してみましょう。ロングパスは、足を大きく振りかぶって、ボールの下側を捉えるように蹴ります。強く蹴るためコントロールが難しく、ボールが大きく反れたり、高く上がりすぎたりすることもあります。焦らず、徐々に精度を上げていきましょう。

パスの練習では、相手の足元を狙うことがポイントです。また、強さも大切で、弱すぎるパスは相手に届く前にカットされてしまい、強すぎるパスは受け取ってもらえません。相手との距離に応じた、適切な力加減を身につけましょう。

1対1の対人練習

1対1の対人練習は、攻撃・守備の両方を学ぶための大切な練習です。対人練習では、技術だけでなく、判断力、勇気、駆け引きといった、試合で必要な総合的な力が養われます。

まずは、3メートル四方くらいの狭いエリアを設定し、ドリブルで攻撃する側と守る側に分かれます。攻撃側はボールを持ち、守備側はそれを奪おうとします。攻撃側はエリアの外にドリブルで出られたら成功、守備側はボールを奪えたら成功です。30秒や1分など時間を区切って、交代で攻守を入れ替えます。

攻撃側は相手の動きを見てタイミングよく抜くことを、守備側はボールと相手の間に体を入れることを意識します。集中して行うと、判断力と反応スピードがぐんと上がります。

勝ち負けだけでなく、タイミングや体の使い方など、成功・失敗要因を意識できるとより上達につながります。

ミニゲーム

パスや1対1の対人練習などを終えた後におすすめなのが、ミニゲームです。2対2や3対3など、通常の11人制サッカーよりも人数を少なくして行いましょう。ミニゲームでは、人数が少ない分、一人ひとりのプレー機会が通常のゲームよりも多いため、上達スピードが速まります。また、ミニゲームでは「止める・蹴る・運ぶ」の技術を、どの場面で使うべきかという判断力が育ちます。

ミニゲームをした後は、チームのメンバーと振り返りをしましょう。サッカーにおいてコミュニケーションはとても重要で、練習を通して声掛けに慣れておくことは、上達に大きく貢献してくれます。

その他の上達のポイント

その他の上達のポイント

技術の練習だけでなく、観察や振り返りも上達のための大切なステップです。最後に、サッカーをより上達させるために意識したい3つのポイントをご紹介します。

動画などで上手い人のプレイを参考にする

YouTubeなどの動画サイトで、上手い人のプレイを見て参考にしましょう。プロ選手のプレイを見て、「あんなふうに動いてみたい!」と思う気持ちは子どもにとって大きなモチベーションになります。

同年代のサッカーが上手い子どものプレイ動画も参考になります。「この子と自分、何が違うんだろう」と考えることが大切です。動画を見ながら、「今のトラップ上手だったね」「ボールの運び方がスムーズだね」と親子で会話をし、観察力も育てましょう。

撮影などで自分のプレイを見返す

スマホなどで自分のプレイを撮影して見返してみましょう。ドリブルのときにボールを見すぎている、姿勢が前のめりになっているなど、改善ポイントを親子で話し合うのも良い方法です。

また、動画は成長記録にもなります。以前の自分のプレイと見比べることで、「前より上手くなってる!」と実感でき、子どもの自信にもつながります。

無理をしすぎずに楽しみながら練習する

最も大切なことは、楽しく練習を続けることです。上手くいかない日があったとしても、「今日はドリブルのタッチが丁寧だったね」と良いところを見つけ、前向きに声をかけましょう。

また、日々の練習の中に遊びの要素を取り入れると、子どもは夢中になります。「ボールを何回リフティングできるか競争!」など、ゲーム感覚で練習を続けるのもおすすめです。

まとめ

サッカーは、一日で劇的に上達するものではありません。コツコツと続けることで、少しずつ身体に技術が染み込んでいきます。親が興味をもって一緒に練習したり、動画を見てアドバイスしたりすることが、何よりのサポートになります。練習の内容よりも、子どもが楽しんでやれているかを重視しましょう。

この記事で紹介した練習メニューは、特別な道具や広い場所がなくても実践できるものばかりです。まずは一つからでも構いません。今日から少しずつ、自宅や公園で練習を積み重ねましょう。焦らず、楽しみながら、親子でサッカーライフを満喫してください。

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