子どものピアノレッスン:才能を伸ばす習い事

子どもにピアノを習わせようか迷っている保護者の方は「ピアノを習うと、どんなメリットがあるのだろう」「レッスンの費用はどれくらいかかるの?」「大手や個人の教室があるけど、どちらを選ぶと良い?」などと、お考えではありませんか?ピアノ教室は種類が様々で、レッスン費用や指導カリキュラムに幅があるので「どこが良いのだろう」と迷ってしまいますよね。
この記事を読むと、次のことが分かります。
- ピアノを始めるのに最適な時期
- ピアノレッスンが子どもにもたらすメリット
- レッスンの費用相場
- ピアノ教室の選び方
ぜひ最後までお読みいただき、参考にしてくださいね。
ピアノレッスンはいつから始めるのが最適?
「メリットもたくさんあるみたいだし、子どもにピアノを早く習わせたい」とお考えの方もいるのではないでしょうか。
結論、ピアノに興味を持ったタイミングであれば何歳から始めても大丈夫です。ただ、体や脳の発達から、習い始めにおすすめの時期があるので紹介します。
3歳~6歳がおすすめ
ピアノを習い始めるのには3歳~6歳の時期がおすすめです。おすすめの理由を2つ紹介します。
- 耳の発達
子どもの耳の発達は3歳頃から始まって5歳頃に急速に伸び、8歳頃までに完成します。この時期は音を聴いたときに「ドの音だ」など、特定の音を聞き分ける能力である「絶対音感」を習得しやすいので、身につけてほしい場合は、4歳~5歳にはピアノを習い始めるようにしましょう。
- 体と精神の成長
2歳までは鍵盤を押す力が足りず、指に負担がかかります。また、長時間座るための体幹が未発達で、精神的にも「30分~50分程度、座って先生の話を聞く」ということが難しいので、3歳を過ぎてから習い始めると良いでしょう。
もし「もっと早い時期から音楽関係の習い事をさせたい」ということであれば、リトミックがおすすめです。リトミックは音楽を聴いて身体を動かしたり、歌ったりして、全身で音楽を表現する習い事です。0歳から受講できるクラスを設ける教室もあるので、全国の習い事教室を紹介している わくわくスクール でお近くの教室を探してみてくださいね。
ピアノレッスンが子どもにもたらすメリット
ピアノを演奏することで、子どもにもたらすメリットを5つ紹介します。
集中力・記憶力アップ
ピアノを弾くときには、次の動作を同時に行います。
- 楽譜を読み取る
- 情報を記憶する
- 指を動かしてピアノを弾く
- ペダル操作があれば、足でペダルを踏む
- 耳で音を聴く
- 音を聴いて、動きを調整する
ただ指や足を動かすだけでなく、両手で違う動きを行い、強弱や音の質を変えるために力加減や指の使い方を変えるため、集中力が必要です。ピアノを続けると、長い曲や難易度が高い曲を演奏する機会が増えるので、より集中力が身についていきますよ。
また、発表会などでは「暗譜」といって、楽譜を見ずに暗記して弾くことが多いです。指を含めた体の動き・楽譜の表現・音の響きを記憶するため、脳の領域が活発に動き、記憶力がアップします。
音感・リズム感の向上
レッスンや練習を通して、音感が身につきます。特に絶対音感は生まれつきの要素も強いですが、幼少期のトレーニングによって身に着けられることがあります。
曲のテンポに合わせて正確にリズムを刻むためのリズム感も、ピアノを演奏するうえで大切な要素ですが、レッスンや練習によって向上していきます。音感やリズム感が向上すると、外国語の習得やスポーツにも役立ちます。
脳の発達を促進
ピアノの演奏では両手の10本の指を使います。右手の動きは言語や数学などの学問・論理的思考に強い左脳、左手の動きは芸術や空間認識などの非言語能力に優れる右脳に働きかけるので、脳の活動が活性化します。脳の発育は4歳で約80%、6歳で約90%が完成すると言われており、幼児期にピアノを習うことで脳の発達を促進します。
情操教育にも最適
楽曲の表情を読み取って演奏で表現したり、作曲された背景を想像したりすることで、子どもの情緒面の発達を促進します。ピアノは個人で演奏するイメージが強いかもしれませんが、グループレッスンなどで友達と一緒に演奏する機会があると、協調性やコミュニケーションを学ぶ機会にもなりますよ。また、ピアノを演奏することで「3大幸せホルモン」の1つであるドーパミンが分泌され、ストレスの緩和につながり、子どもの情緒にも良い影響を与えます。
手先の器用さ、微細運動能力の向上
両手の指をバラバラに動かして手や指の小さな筋肉を使うため、微細運動能力が向上します。微細運動が関わる動作はピアノのほかにも、箸を使う、字を書くなどがあり、日常生活や学習などで必要とされる能力ですが、ピアノを通して楽しみながら身に着けられます。
ピアノレッスンの費用相場

ピアノレッスンの費用は、運営形態やレッスン形態によって変わります。この記事では、大手ピアノ教室、個人教室のレッスン費用相場を紹介します。
月謝の目安
大手ピアノ教室と個人教室で、月3~4回程度のレッスンを受けた場合の月謝の目安は、以下のとおりです。
大手ピアノ教室(グループレッスン) | 6,500~12,000円程度 |
大手ピアノ教室(個人レッスン) | 7,500~16,000円程度 |
個人教室(個人レッスン) | 6,000円~15,000円程度 |
大手ピアノ教室はグループレッスンを展開し、3~6名程度の少人数グループで40~50分程度のレッスンを行っていることが多いです。1コマで複数人に教えるため、個人レッスンよりも月謝が安い傾向があります。
個人レッスンは、大手ピアノ教室と個人教室ともに20~45分程度で設定されていることが多いですが、60分で設定されている場合もあります。月謝は個人教室の方が安い傾向があります。
月謝は子どもの年齢やレベルにより変動し、レベルが上がるほど月謝は高くなることがほとんどです。また、音楽大学への進学やプロを目指す場合は、レッスン回数や時間を増やしたり、教室を変えたりする必要があり、1回のレッスンで数万円の謝礼を支払う場合もあります。
大手ピアノ教室と個人教室の違い
- 先生
大手ピアノ教室は採用試験を実施し、試験に合格した人が働いています。入社後も研修や講習を受けているので、一定のノウハウを持つ先生に教えてもらえます。また、先生がもし退職してしまっても別の先生が引き継いで担当してくれるので、教室を変える必要はありません。
個人教室の先生は自分で開業しているので、いろいろな経歴の先生がいますが、大手ピアノ教室での勤務経験がある先生も多いです。
- 教室の場所
大手ピアノ教室は立地が良いことが多く、ショッピングモールに教室を構えたり、幼稚園などで出張レッスンを行っていたりする教室もあります。また、引っ越しをしても同じ会社の教室に通いやすく、同じカリキュラムで学べることも安心ですね。
個人教室は先生の自宅でレッスンをすることが多く、住宅街の中に教室を構えていることが多いです。
- 使用する教材
大手ピアノ教室では、独自のカリキュラムが組まれていることがほとんどで、オリジナル教材を使用することが多いです。
一方で、個人教室はバイエルなどの市販の教材を中心にレッスンを進めます。
その他費用(入会金、教材費など)
レッスンを受けるために、月謝以外に必要な費用を紹介します。
- 入会金
大手ピアノ教室は入会金が設定されていることがほとんどです。個人教室でも設定されていることが多いですが、ない場合もあります。相場は2,000〜10,000円程度です。
- 施設費
月謝とは別に、冷暖房費などを徴収する教室もあります。
- 楽器購入・メンテナンス費用
ピアノを継続して習うのであれば、楽器を購入して自宅でも練習する必要があります。電子ピアノであれば据え置き型で、鍵盤が88鍵あり、ペダルが2〜3本付属する機種の購入が求められることが多く、相場は10万円〜20万円くらいです。
アップライトピアノやグランドピアノを購入する場合は、楽器の種類や状態やグレードによっても異なりますが、中古品であれば数十万円で購入できるものもあります。また、購入後も半年〜1年に1度程度、調律が必要です。
最初からアップライトピアノやグランドピアノを購入するケースは少ないと思いますが、もしプロや音楽大学への進学を目指す場合は、先生からグランドピアノなどへ買い替えを勧められることもあります。
- 教材費
先述のとおり、大手ピアノ教室はカリキュラムが組まれていることがほとんどなので、指定のテキストやグッズを購入する必要があります。オリジナルのもののため少し高めで、1年あたり5,000~20,000円程度です。
個人教室の場合は市販の教材を講師の指導方針によって決めたり、生徒の様子に合わせて決めたりします。1冊あたり1,000~3,000円くらいの教材を使うことが多いですが、購入頻度が少ないケースがほとんどです。
- 発表会費
発表会がある教室では、参加費や衣装代がかかります。
ピアノ教室を選ぶ際のポイント
子どもや家庭の状況に合った、ピアノ教室の選び方のポイントを紹介します。
教室の種類(大手、個人、オンライン)
「ノウハウがしっかりしている大手ピアノ教室で習わせたい」「自宅から近くて、柔軟に個別対応をしてくれる個人教室が良い」など、家庭の価値観や状況によって選びましょう。
コロナ禍を機に、ZoomやSkypeなどのビデオ通話アプリを使用するオンラインレッスンも普及しました。「習いたい先生がいるけど、遠方で通えない」「送迎が難しい」という家庭は、ぜひ検討してみてください。
レッスン形式(個人レッスン、グループレッスン)
- 個人レッスン
大手ピアノ教室、個人教室ともに行っていることがほとんどです。先生とマンツーマンのレッスンのため、生徒の個性や進度、希望に応じて柔軟にレッスンを受けられることが特徴です。レッスンの中ではピアノを弾くだけでなく、歌や音楽の基礎知識である楽典、音楽を聴いたり楽譜を読んだりして理解する力を育てるソルフェージュなどを取り入れてレッスンすることもあります。
- グループレッスン
大手ピアノ教室を中心に行われています。グループレッスンではエレクトーンなどの電子オルガンの使用が中心になることが多く、友達と一緒に合奏したり、お互いの演奏を聴き合ったりする機会が豊富です。個人レッスン同様、歌やソルフェージュ、楽典を取り入れながら学びます。
子どもの個性に合わせ、レッスン形式を選択することがおすすめです。
先生との相性(体験レッスンの活用)
先生と子どもの相性も大切です。ホームページなどの情報だけでなく体験レッスンも活用して、指導方針や先生の人柄などが事前に分かったうえで習い始めると安心です。
ピアノを習う前に確認しておきたいこと

ピアノ教室入会後のミスマッチを防ぐために、習い始める前に確認しておきたいことを紹介します。
ピアノを習う目的
子どもがピアノを習う目的が趣味なのか、音楽関係の仕事や進路を目指すのかにより、レッスンの回数と時間、先生が変わります。特に音楽大学への進学やプロを目指すときには、週に数回レッスンを受けることも珍しくありませんし、音楽大学講師の先生などのレッスンを受けることが必要になることもあります。ピアノを習い始めるときから明確にプロを目指すことは少ないと思いますが、もし状況が変われば早めに先生に相談しましょう。
発表会の有無
発表会の取り組み方は教室によって異なり、基本的に発表会に参加する、希望者のみ、そもそも発表会がないなど様々です。園や学校の行事との兼ね合いや費用のこともあるので、入会前に確認しておきましょう。
通いやすさ
自宅からの通いやすさも大切です。遠方の教室だと送迎が大変になってしまうので、通える範囲を家族で事前に相談しておくと良いでしょう。送迎が難しい場合はオンラインレッスンの利用も検討してみてください。また、レッスンの付き添いが必要な教室もあるので、問い合わせておくと安心です。
まとめ
ピアノを習うと、集中力や記憶力など、子どもの能力を向上させることが期待できます。教室の種類やレッスン形式によって、それぞれのメリットがあるので、家族でよく話し合ったり、体験レッスンを活用したりしてみてください。
わくわくスクール では、ピアノ教室を含めた全国の習い事教室を紹介しています。ぜひお近くの教室を探してみてくださいね。