これまで学んできたプログラミングの力を確認するのがプログラミング検定です。小学生が受けられる検定もあり、次の学習目標をつくるきっかけになります。
本記事では、小学生向けの代表的なプログラミング検定や取得するメリット、合格に向けた勉強方法を紹介します。

まずは、小学生がプログラミング検定に挑戦する主なメリットを見ていきましょう。
プログラミング検定のメリットの一つが、目標ができることで学習に積極的に取り組めるようになることです。日々の練習や作品づくりに慣れてくると、学習の目的が曖昧になり、マンネリ化しがちです。「検定に合格する」という目標があることで、学習のモチベーションが上がります。
検定には複数の級やレベルが用意されており、自分に合った段階から挑戦できます。一つの級に合格したあとも次の目標を立てられるため、継続してプログラミングを学ぶ意欲になるでしょう。
身につけた知識やプログラミングのスキルを、級やレベルという形で客観的に証明できる点もメリットの一つです。作品だけでは見えにくいスキルの理解度が可視化されるため、現在の実力を把握することに役立ちます。
検定によって出題内容は異なりますが、次のようなスキルを確認できます。
※Scratch:文字入力の代わりに、ブロックを組み合わせてプログラムを作る、子どもの学習用として広く使われているプログラミング言語
検定の結果から得意分野や苦手な分野が見えるため、次に何を学ぶかを考える材料にもなります。
プログラミング検定の合格実績を入試で評価する中学校があります。
優遇措置 には次のようなものがあります。
ただし、すべての中学受験で有利になるわけではありません。
まずは各検定の公式サイトにある「入試優遇校一覧」で確認できます。志望校の最新の募集要項とあわせて見ておきましょう。
▶︎ジュニア・プログラミング検定「入試優遇校一覧」https://www.sikaku.gr.jp/js/ks/nyuushi/
また、対象校であっても「どの検定の何級から評価されるか」「どのような優遇措置があるか」は学校や年度によって異なります。
検討する際は、志望校の最新の募集要項も確認するようにしましょう。
小学生が挑戦できるプログラミング検定は、Scratchを使うものから、より本格的なプログラミング言語を扱うものまであります。ここでは、代表的な検定の特徴と試験内容を紹介します。
ジュニア・プログラミング検定は、サーティファイの情報処理能力認定委員会が主催する、子ども向けのプログラミング検定です。Scratchを使い、問題文の条件を満たすゲームや物語などの作品を作成します。
▶︎ジュニア・プログラミング検定 公式サイト:https://www.sikaku.gr.jp/js/ks/
レベルは次の4段階です。
| レベル | 主な出題範囲 | 受験料(税込) |
| Entry(4級) | 条件分岐・繰り返し/キャラクター(スプライト)を1〜2つ動かす | 2,900円 |
| Bronze(3級) | 条件分岐・繰り返し/少数のスプライトを連動させる | 3,100円 |
| Silver(2級) | 複数の条件分岐・入れ子構造/少数のスプライトを連動させる | 3,300円 |
| Gold(1級) | 複数の条件分岐・演算・入れ子構造/さまざまなスプライトを連動させる | 3,500円 |
いずれも実技試験で、合格基準は得点率60%以上です。級が上がるにつれて、使うスクリプトと作品の複雑さが増します。
受験資格に制限はなく、年齢を問わず受けられます。試験は、全国のプログラミング教室や学習塾、小学校などの認定会場で行われます。
個人で申し込む場合は、公式サイトの会場検索で会場を探し、連絡して試験日時や申込方法を確認してください。試験日は会場ごとに異なり、受験料は申込時に会場へ支払います。
結果は受験後1か月ほどで発表されます。
プログラミング能力検定(プロ検)は、「繰り返し」や「条件分岐」といったプログラミングの基本ルールごとに理解度を測定する検定です。
小学生からが対象で、ビジュアルプログラミング言語と、テキストプログラミング言語(JavaScript・Python・Java)のどちらかを選んで受験できます。
▶︎プログラミング能力検定 公式サイト:https://programming-sc.com/student01/
レベルは1〜6の6段階で、ビジュアル言語版はレベル1〜4、テキスト言語版はレベル1〜6まで用意されています。全レベル共通で、試験時間は40分、合格ラインは60%です。
それぞれ、レベル別の出題範囲は以下になります。
・ビジュアル言語
| レベル | 主な出題範囲 | 受験料(税込) |
| レベル1 | 順次処理・条件分岐・繰り返し・並列処理・角度 | 2,200円 |
| レベル2 | 不等号・座標・乱数 | 3,300円 |
| レベル3 | 論理演算子・変数 | 4,400円 |
| レベル4 | 関数・リスト | 5,500円 |
・テキスト言語
| レベル | 主な出題範囲 | 受験料(税込) |
| レベル1 | 順次処理、出力、演算子、変数、if、不等号 | 2,200円 |
| レベル2 | 文字列連結、不等価、for、論理演算子、配列(宣言、取り出し、長さ) | 3,300円 |
| レベル3 | 変数の型(int、String、boolean)、乱数、関数、for(配列処理) | 4,400円 |
| レベル4 | switch、配列操作(追加、削除、参照)、定数、while、ループの中断/継続 | 5,500円 |
| レベル5 | 変数の型(null、型の確認)、配列操作(挿入、入れ替え、並べ替え)、二次元配列、例外処理 | 6,600円 |
| レベル6 | 連想配列、クラス | 8,800円 |
出題はすべて選択式です。検定は毎月実施されており、申込は全国の受験会場を通じて行います。合格者には電子版の合格証書が発行されるうえ、理解度や習熟度が細かく記載された成績表を受け取れます。
日商プログラミング検定は、日本商工会議所が実施する、プログラミングに特化した検定です。IT技術者を目指す人に限らず、学生や社会人など、年齢や職種を問わず受けられます。試験範囲は、プログラミングの基本的な知識とスキルに絞られています。
▶︎日商プログラミング検定 公式サイト:https://www.kentei.ne.jp/pg
レベルは以下の4段階で、段階的に挑戦できます。
| レベル | 主な出題範囲 | 受験料(税込) |
| ENTRY | Scratchを使った簡単なプログラミングと、プログラミング的思考 | 3,300円 |
| BASIC | 言語によらない、プログラミングの基本知識と簡単なアルゴリズム | 4,400円 |
| STANDARD | 高校・大学・専門学校などでの学習の習得度(C言語・Java・VBA・Python) | 5,500円 |
| EXPERT | プログラマーとしての基本能力。仕様書を読んで、ソフトウェアの一部を作る力(C言語・Java・VBA・Python) | 6,600円 |
小学生が最初に挑戦する場合、初学者向けのENTRYが選択肢になります。Scratch 3.0に対応し、小中学生から学べる内容になっているためです。試験はインターネットを介して実施され、採点と合否判定もネット上で行われます。
また、日時は各試験会場が決めるため、申し込みの際は会場に直接問い合わせてください。

受験する場合は、まず出題範囲や試験形式を確認し、実際の問題に近い形で練習することが大切です。ここからは、検定合格に向けた勉強方法を紹介します。
検定によっては、公式の過去問やテキストが用意されています。まずは公式教材で、どのような問題が出るのかを確認しましょう。
【ジュニア・プログラミング検定】
公式サイトでサンプル問題が公開されているほか、全級に対応した公式テキスト『Scratchで楽しむ レッツ!プログラミング』(2,750円・税込)があります。試験は、Scratchで制限時間内に作品を仕上げる実技です。サンプル問題を実際に解き、時間配分も含めて練習しておきましょう。
▶︎『Scratchで楽しむ レッツ!プログラミング』:https://www.sikaku.gr.jp/js/ks/learn/
通っている教室によっては、検定に準拠した教材「プロチャレ」で学ぶことも可能です。サーティファイが教室向けに提供する教材で、Scratchの入門から各級の応用課題まで、段階的に練習できます。
【日商プログラミング検定】
ENTRYからEXPERTまで、各レベルのサンプル問題がPDFで公開されています。ENTRYには公式ガイドブックもあります。まず問題を解いて、理解できていない分野を洗い出してから学習すると効率的です。
▶︎日商プログラミング検定 サンプル問題:https://www.kentei.ne.jp/pg/sample
「プログラミング能力検定」には、公式のオンライン教材があります。実際に出題された過去3回分の問題と解答を収録し、全問に解説動画が付いています。動画はパソコンのほか、スマートフォンやタブレットでも視聴できます。問題集の利用はパソコンのみで、価格は1,100円(税込)から、レベルと言語ごとに販売されています。利用期間は購入から1年間です。
▶︎プロ検過去問題集:https://programming-sc.com/exam/
答えを覚えるだけでは、少し形が変わった問題に対応できません。該当するブロックや処理の流れを確認してから、正解するまで何度も解き直すのがポイントです。
小学生向けのプログラミング検定は、目的に合わせて選べます。
・ジュニア・プログラミング検定:Scratchで実際に作品を作る力を試す目的
・プログラミング能力検定:基本概念の理解度を確認する目的
・日商プログラミング検定:上位レベルまで見据えて学習する目的
検定に挑戦することで、学習の目標ができ、身につけた力を級やレベルで確認できます。また、プログラミング検定は一部の中学受験で評価されるメリットもあります。
まずは公式のサンプル問題を解いて、子どもに合う検定を見つけましょう。