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幼児教育とは?子どもの成長における重要なポイント

幼児教育とは?

幼児教育と聞くと、ちょっと堅い言い方に聞こえるかもしれませんが、実は子どもが毎日の生活の中で「できた!」を積み重ねていく大切な時間が幼児教育です。
幼児と言われる0歳から小学校に上がる前までのこの時期は、心や体、言葉などがぐんぐん育つ”伸び盛り”なとき。
遊びや人とのやりとりを通して、子どもは世界を知り、自分らしさを見つけていきます。
この記事では、そんな幼児教育の意味や、子どもの成長にとって大切なポイントを、わかりやすく紹介していきます。

幼児教育とは?

まずは、そもそも幼児教育とはなにか、その定義から確認していきましょう。

幼児教育の定義

文部科学省では、「幼児に対する教育を意味し、幼児が生活するすべての場において行われる教育を総称したものである」と定義されています。
満1歳から小学校入学前の子どもたちが、毎日の生活や遊びを通して心や体、考える力を育んでいく教育です。
ただ「勉強を教える」というイメージとは少し違って、子どもの好奇心や「やってみたい!」という気持ちを大切にしながら、のびのびと成長を見守る教育です。
前述のとおりこの時期は、好奇心がどんどん広がり、心も体も成長します。
脳の発達もとても活発で、6歳までに大脳神経系の約80%が完成すると言われています。
言葉を覚えたり、体を動かしたり、人と関わったりする経験が、これからの人生にとって大切な土台になっていくのです。

早期教育との違い

「幼児教育」と「早期教育」、よく似た言葉ですが、実は目的もやり方も全くちがいます。
幼児教育は、子どもがこれから自分らしく生きていくための“心の土台”を育てるもの。
遊びや関わりの中で、好奇心や考える力、人との付き合い方を自然に身につけていくのが特徴です。
それに対して早期教育は、スキルや成果を意識したアプローチ。英語やピアノ、小学校受験など、少し早めに始めて力をつけることを目的としています。
親の希望が強く関わるケースが多いかもしれません。
どちらが良い・悪いではなく、大切なのは「子どもの今の気持ち」にしっかり寄り添ってあげることです。

幼児教育の目的

幼児教育の目的

幼児教育という言葉をよく耳にするけれど、「何のために行うのか」考えたことはありますか?
まずは、その目的を見ていきましょう。

集中力や好奇心の向上

幼児期は、「なんで?」「どうして?」があふれる時期。
空の色や身近な出来事に疑問を持ったり、「やってみたい!」と挑戦する姿に、思わず微笑んだ経験のある方も多いのではないでしょうか。
何にでも興味を持ち、小さなことにもよく気づきます。
ブロックを真剣に積んだり、小さな虫をじっと観察したり、そんな「夢中になる時間」を通して、自然と集中力や好奇心が育っていきます。
こうして育まれた力は、視野を広げ、自分の力で未来を切り開いていくための大切な土台になるのです。

学習意欲や探求心を育む

幼児期には、「やってみたい」「もっと知りたい」という学習意欲や探求心を持っています。
絵本の世界に入り込んだり、粘土で何かを作り出したり、遊びながら自然と学ぶ楽しさを感じられる環境が、学ぶ意欲や探求心を育ててくれるのです。
結果ではなく過程を大切にすることで、「どうすればいいかな?」と自分で考える力や、工夫する楽しさも芽生えていきます。

社会性やコミュニケーション能力の発達

お友だちと一緒に遊んだり、先生とお話ししたりする経験は、子どもにとって大切な「人との関わり」の学びの場。
順番を待ったり、気持ちを伝えたり、時にはけんかをして仲直りしたり…やり取りを繰り返す中で、社会性やコミュニケーションの力が少しずつ育まれていきます。

幼児教育の種類

ひとくちに幼児教育といっても、いくつかのメソッドがあります。
海外で生まれたものから日本式のものまでその種類はさまざま。ここでは、有名な教育メソッド8つを紹介します。

レッジョ・エミリア・アプローチ教育

レッジョ・エミリア・アプローチは、イタリアの小さな街レッジョ・エミリアで生まれた教育方法です。
子どもたちが自分で考えたり、いろいろな体験を通して学んだりする力を大切にしています。
この方法では、決まった教科やカリキュラムはなく、子どもたちが自由にやりたいことを選びながら自然に社会で必要な力を身につけていきます。
考える力やコミュニケーション力を伸ばしながら、自主性と協力する力も育てるのが特徴です。
みんなで話し合い、自分で決める経験も多いため、社会性や判断力もしっかり身につきます。

ピラミッドメソッド

ピラミッドメソッドは、オランダで生まれた子どもが安心してのびのび過ごせる教育法です。
オランダは「子どもの幸せ度が世界トップクラス」と言われていて、このメソッドもそんな国の考え方が詰まっています。
「やる気」「保育者の主体性」「寄り添う」「距離感」の4つの基本理念、これらがしっかり支え合って子どもたちの自立心や考える力、想像力を育てていきます。
知識だけでなく、自主性や決断力、自己解決力、創造力などをバランスよく身につけられる教育方法です。

ドーマンメソッド

ドーマンメソッドは、アメリカのグレン・ドーマン博士が率いる研究所で生まれた教育メソッドです。
もともとは脳に障害がある子どもたちのために開発されたものですが、今では日本でも幼児の知育に役立つ方法として注目されています。
このメソッドは、フラッシュカードやドッツカード、体操など、子どもの五感や体に刺激を与えて脳の発達をサポートするのが特徴です。
これは、幼児期から文字や数字を用いた教育に触れておくことで、子どもの判断力や理解力が育まれるので、好奇心旺盛な子どもに育つことが期待されます。

モンテッソーリ教育

モンテッソーリ教育は、イタリアの医師で教育者でもあったマリア・モンテッソーリが1907年に考え、実施された教育法です。
この教育の一番のポイントは「子どもは自分で成長する力を持っている」という考え方です。
大人が一方的に教え込むのではなく、子ども自身が興味のあることを選び、自分のペースで学べるようにすることを大切にしています。
大人はそのための環境づくりや教材の準備をして、そっと見守る役割です。
また、幼児期を「0~3歳」と「3~6歳」の2つの時期に分け、それぞれに合った関わり方やサポートを行うのも特徴です。

シュタイナー教育

シュタイナー教育は、ドイツの教育者ルドルフ・シュタイナーが考えた方法で、子どもの成長を7年ごとに区切り、その時期に合った力を育てます。
このメソッドのポイントは、子どもの個性を大切にし、自由にのびのびと成長できるようサポートすることです。
幼児期に特に体を動かす遊びや活動を多く取り入れ、身体を使って学ぶことを重視しています。

ニキーチン教育

ニキーチン教育は、ロシア・モスクワでニキーチン夫妻が7人の子どもを育てる中で、この教育メソッドを考案しました。
ニキーチン教育では、子どもの創造力を育てる知育遊びや活動を重要視していますが、中でも積み木遊びが効果的だと知られています。
ニキーチンの積み木は通常のものとは少し異なっており、積み木を組み合わせて物事の法則を見つけたり、空間認識能力や発想力を発達させたりすることに期待できます。
この教育の特徴は、子どもを信じて、少し難しいことやチャレンジに挑ませること。
「子どもに危険なことはさせたくない」「難関なものよりもできることからコツコツさせたい」という考えが一般的ですが、この教育方法では危険な経験や難しいことにあえて挑戦させます。

七田式教育法

七田式教育は、日本の教育研究家・七田眞さんが考えた独自の教育法です。
子どもにただ知識を詰め込むのではなく、もともと持っている可能性や才能をじっくりと引き出して、しっかりと磨いていくことを大切にしています。
この教育法では「知育」「食育」「体育」「徳育」の4つの視点から子どもの五感をバランスよく刺激し、IQのような数字で測れる力だけでなく、思いやりや考える力といった心の部分も育てることを目指しています。
そのため、頭も心も体もまんべんなく成長させることができるのが特徴です。

石井式教育法

石井式国語教育法は、日本の教育学博士・石井勲さんが考えた言葉の学び方です。
特徴は「漢字かな交じり文」というリズムの良い文章を使うこと。
毎日この文章を読み聞かせることで、子どもたちは日本語の美しい響きやリズムを自然に感じ取れるようになります。
ただ言葉を覚えるだけでなく、耳で日本語のリズムを感じながら学ぶことで、言葉のセンスや読解力がしっかり育つのが魅力です。
厳しい教育というよりも、まるで日本語の音楽を楽しみながら言葉を身につけるようなイメージと言えるでしょう。

幼児教育を行う際に意識すること

幼児教育を行う際に意識すること

幼児教育はただ行えばよいというわけではありません。
ここでは、意識すべき点について紹介します。

安全で教育に適した環境の用意

幼児教育では、子どもが安心して学べる安全な環境づくりがとても大切です。
たとえば、遊ぶ場所にはクッション性のあるマットを敷いて転んでもケガしにくくしたり、誤飲の心配がない安全なおもちゃを用意したりしましょう。
また、教材やおもちゃは子どもが自分で取りやすく、片づけやすい場所に置くこともポイントです。
こうした環境を整えることで、子どもは安心して集中し、のびのびと学ぶことができます。

ストレスなく、遊びを通して学べるようにする

幼児教育は、子どもが楽しく学べることが大事です。
無理にやらせると、やる気がなくなってしまうこともあります。
親子で一緒に遊びながら学ぶ時間を作ると、子どもの興味も広がりやすくなります。
家では絵本の読み聞かせやお絵かき、ブロック遊びがおすすめです。

子どもの自主性を尊重する

幼児教育では、子どもの自主性を何よりも大切にしてくださいね。
親の希望や大人の都合を無理に押しつけることは避けましょう。
子どもは自分が興味を持っていない遊びや学びを強制されても、楽しく続けることはできません。
子ども自身が楽しさや面白さを感じてこそ、好奇心や自主性が育っていきます。
子どものペースや気持ちを尊重しながら、そっと見守る姿勢が大切です。

家庭でできる幼児教育

ここまで幼児教育について詳しく解説してきましたが、今からすぐに取り入れられる幼児教育を知りたい方もいるのではないでしょうか。
ということで、家庭でもできる幼児教育について3つ紹介します。

親子で一緒に遊ぶ

家庭での幼児教育は、まずは親子での遊びから。
積み木やお絵描き、ごっこ遊びなど、特別な道具を用意する必要はありません。
「一緒に遊ぶ」ことで発想力・言葉のやりとり・集中力などは自然と育ちます。
子どもは「楽しい」と感じると自分からどんどん学ぼうとするもの。
だからこそ「親も一緒に遊ぶ」ことがポイントです。

絵本の読み聞かせ

絵本の読み聞かせは、親子のつながりを深める大切なひととき。
お話の世界を一緒に旅する中で、子どもは言葉の力や想像する楽しさを自然と身につけていきます。
子どもにとって、ママやパパの声はとても気持ちが落ち着くものです。
そのため、語彙や理解力が育つだけでなく情緒の安定したお子さまに育つと言われています。

お手伝い

日常の中で「これお願いできる?」とお子さまにお手伝いを頼むことは、実はとても効果的な幼児教育のひとつです。
おもちゃを片づける、ごはんの準備を手伝う、洗濯物を運ぶ、そんなちょっとしたことでも、「自分が役に立っている」という実感が、お子さまの責任感ややり抜く力につながっていきます。
また、家族に「ありがとう」と喜んでもらえることで、自己肯定感も育ちます。
できたことを認めてもらうことで、「もっとやってみたい」「自分にもできるんだ」という前向きな気持ちが自然と芽生えていきます。

まとめ

今回は幼児教育について徹底解説しました。
幼児教育は子どもの成長の土台作りです。
さまざまな教育メソッドがありますが、幼児教育に正解はありません。
焦らず子どもの気持ちを大切にしながら、親子で楽しく関わってみましょう。
日々の積み重ねが、未来の大きな力につながりますよ。

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