フリースクールは、一般に、学校へ通うことが難しい子どもに、学習支援や教育相談、体験活動などを提供する民間施設です。活動内容や支援方針は施設によって異なります。
施設によって支援の目的や過ごし方が異なるため、「何を基準に選べばよいか分からない」と迷う保護者もいるでしょう。
この記事では、フリースクールの特徴や対象年齢、出席扱いの基本的な仕組みなどを紹介します。子どもに合う学び方や居場所を考える際の参考にしてください。
まずは、フリースクールの基本的な特徴を紹介します。
フリースクールは、学校教育法で定められた小学校や中学校とは異なる民間施設です。一般的に、以下のような団体や個人が運営しています。
文部科学省が2015年に実施した「小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う 民間の団体・施設に関する調査」では、NPO法人が運営する施設がもっとも多い結果でした。法人格を持たない団体や個人が運営する施設もあり、運営形態はさまざまです。
活動内容も施設ごとに異なり、主に以下のような取り組みが行われています。
施設を選ぶ際は、活動内容だけでなく、支援方針やスタッフの体制、在籍校との連携方法も確認しましょう。
フリースクールの多くは、子どもの気持ちや自主性を尊重しながら活動を進めています。
▶過ごし方の例
一方で、生活上のルールや学習時間を設けている施設もあります。活動の自由度だけで判断せず、子どもの性格や現在の状態に合うかを確かめることが大切です。
フリースクールには、小学生から高校生までを受け入れる施設があります。ただし、「小・中学生のみ」「中学生以上」など、対象年齢や学年は施設ごとに異なります。ホームページや問い合わせで事前に確認しましょう。
フリースクールは、主に不登校の子どもや、学校へ通うことに不安を抱える子どもが利用しています。発達障害などにより特別な配慮が必要な子どもを受け入れる施設もありますが、対応の可否や支援体制は施設によって異なります。利用前に、子どもの状態に合った支援を受けられるか確認することが大切です。
フリースクールを利用した日は、一定の要件を満たすと、在籍校で出席扱い(※)になる場合があります。
※出席扱い:学校外の施設で相談や指導を受けた日数を、指導要録上の出席日数に含める仕組み
義務教育段階では、保護者と学校に十分な連携・協力関係が保たれていることなどを踏まえ、在籍校の校長が出席扱いにするかを判断します。民間施設で受ける相談や指導が子どもにとって適切かどうかも、校長が教育委員会と連携して判断します。
高校生も、一定の要件を満たせば、施設で相談や指導を受けた日が指導要録上の出席扱いになる場合があります。ただし、この出席扱いは、科目の履修や単位認定に必要な授業への出席とは別のものです。
フリースクールに通うだけで自動的に出席扱いになるわけではありません。希望する場合は、利用を始める前に在籍校へ相談しましょう。

ここからは、フリースクールを支援の目的別に紹介します。
復学支援型は、在籍校への復帰を希望する子どもに対し、生活や学習の準備を支えるタイプです。復学を見据えて、決まった時間に通う練習や教科学習、少人数での集団活動などを行う施設があります。
ただし、学校へ戻ることを急ぐ必要はないため、子どもの気持ちを確認しながら、在籍校とも連携してくれる施設を選びましょう。
居場所提供型は、子どもが安心して過ごせる環境づくりを重視するタイプです。復学を急ぐよりも、家以外に落ち着ける場所を探している場合に選択肢となります。
活動内容は、スタッフとの会話やゲーム、調理、スポーツ、創作活動などさまざまです。疲れている日は休むなど、子どもの状態に合わせて過ごせる施設もあります。
まずは見学や体験を利用し、子どもが「また行っても良い」と感じられるかを確かめましょう。
学習支援型は、学校を休んでいる間も学習を進めたい子どもに、教科学習を中心とした支援を行うタイプです。理解度や体調に合わせて、個別学習を取り入れる施設もあります。
在籍校の教科書に沿って学んだり、得意な教科から少しずつ取り組んだりするなど、進め方は施設によってさまざまです。
ここでは、通学やオンラインなど、利用スタイル別にフリースクールのタイプを紹介します。
通学型は、子どもが施設へ通い、スタッフや他の子どもと一緒に過ごすスタイルです。
決まった曜日に通う施設もあれば、子どもの状態に合わせて利用日数を相談できる施設もあります。教科学習のほか、ゲームや調理、運動、校外活動などを行うケースもあります。
自宅以外の居場所を持ち、人との交流を少しずつ増やせる点が特徴です。ただし、外出や集団活動が負担になる子どももいるため、まずは体験を利用し、無理なく通えそうかを確認しましょう。
訪問型は、スタッフが自宅を訪れ、子どもの状態に合わせて学習や交流を支援するスタイルです。外出への不安が強い場合や、自宅で人とのつながりを作るところから始めたい場合に向いています。
最初は一緒にゲームをしたり、好きな話題で会話をしたりして、関係づくりを進める施設もあります。信頼関係ができてから、学習や外出へ活動を広げるケースもあるでしょう。
訪問回数や滞在時間、保護者の同席が必要かどうかは、施設によって異なります。自宅で受ける支援だからこそ、スタッフの経歴や相談体制も確認することが大切です。
オンライン型は、パソコンやタブレットを使い、自宅から学習や交流に参加するスタイルです。オンライン授業や個別面談、子ども同士の活動などが行われます。
外出が難しい時期でも、自宅から参加できる点が特徴です。顔や声を出さず、チャットから始められる施設であれば、人とのやり取りに不安がある子どもも参加しやすいでしょう。
ただし、オンライン活動に参加するだけで「出席扱い」になるわけではありません。学校との連携や計画的な学習、定期的な対面指導などの要件があるため、利用を始める前に在籍校へ相談しましょう。
共同生活型は、自宅を離れ、スタッフや他の子どもと生活しながら活動するスタイルです。
食事の準備や掃除などを一緒に行い、生活リズムや人との関わり方を身につける施設があります。自然のなかで、農業や野外活動に取り組むケースもあるでしょう。
共同生活型の施設は数が限られており、受け入れ年齢や利用期間も施設ごとに異なります。見学や面談を通して、安全管理や夜間の職員体制、緊急時の対応まで確認しましょう。

フリースクールの費用は、施設や利用日数によって異なります。
文部科学省が2015年に実施した調査では、月額会費の平均は約3万3,000円、入会金を徴収する施設の平均は約5万3,000円でした。ただし、フリースクール以外の団体も含む調査であり、実施から時間もたっているため、費用の目安として参考にしてください。
フリースクールの入会金は、約3〜5万円を一つの目安として考えるとよいでしょう。ただし、入会金を設けていない施設もあれば、10万円を超える施設もあり、金額には大きな差があります。
文部科学省の調査では、入会金を徴収する194施設のうち、1〜3万円の施設が約3割ともっとも多く、平均額は約5万3,000円でした。一方「入会金を徴収しない」と回答した施設も123か所あります。
見学料や体験料、登録料などが別途必要になる場合もあるため、入会前に費用の内訳を確認しましょう。
月額利用料は、約3〜5万円を一つの目安として考えられます。
文部科学省の調査では、月額1〜3万円の施設が38.2%、3〜5万円の施設が36.3%で、平均額は約3万3,000円でした。月額1〜5万円の範囲に収まる施設が多いものの、利用日数や支援内容によって金額は異なります。
料金体系は、毎月同じ金額を支払う定額制のほか、利用日数に応じて料金が決まる場合もあります。
また、同調査では「授業料の減免制度に関する質問」へ回答した259施設のうち、45.2%が減免制度を設けていました。入会前に、休会制度や退会時の返金、減免制度の有無も確認しておくと安心です。
自治体によっては、フリースクールの利用料を助成している場合もあります。対象者や申請期限は地域ごとに異なるため、利用できる制度がないか、住んでいる自治体の窓口や公式サイトで確認しましょう。
フリースクールは、学校以外で学びや人とのつながりを持てる選択肢の一つです。復学支援や居場所づくり、学習支援など、施設によって目的や活動内容が異なります。
通学型だけでなく、訪問型やオンライン型、共同生活型もあります。子どもの体調や気持ち、家庭の状況に合う方法を選ぶことが大切です。
一定の要件を満たせば、フリースクールを利用した日が在籍校で出席扱いになる場合もあります。ただし、自動的に認められるわけではないため、希望する場合は利用前に学校へ相談しましょう。
学校への復帰だけを急ぐ必要はありません。見学や体験を通して、子どもが安心して過ごし、自分らしく学べる環境を探しましょう。