【子ども向け】平泳ぎがみるみる上達するコツ!キック・手の動かし方・息継ぎの練習法

こどものおけいこ選び失敗しない3つのポイント

平泳ぎの基本姿勢と推進力を生む仕組み

平泳ぎは、手足の動きや呼吸、姿勢のバランスが大切な泳法です。バランスがずれると進みにくくなってしまうため、子どもが苦手意識を持ちやすい泳ぎ方でもあります。
平泳ぎはコツさえつかめば見違えるほど上達します。

この記事では、上達に大きく影響する姿勢・キック・手の動き・息継ぎのタイミングをご紹介します。また、平泳ぎが上達しない原因と対策も解説しますので、ぜひ最後までお読みください。

平泳ぎの基本姿勢と推進力を生む仕組み

平泳ぎをスムーズに泳ぐためには、水の抵抗を減らす姿勢を身につけることが大切です。まず始めに、平泳ぎの基本の姿勢と推進力を生む仕組みをご紹介します。

水の抵抗を減らす「伸び」の姿勢

平泳ぎでしっかり進むためには、「伸び」の姿勢を正しくとることが大切です。伸びとは、手足を動かしたあとに身体を真っ直ぐに伸ばし、水の中を滑るように進む姿勢のことです。伸びの姿勢ができないと、水の抵抗が増えて身体が沈んでしまい、推進力を活かせません。

理想的な伸びの形は、両腕を頭の前でしっかり伸ばし、手のひらを軽く重ねて体の軸を真っ直ぐに保った状態です。頭から足先まで一直線になるように意識します。顔は軽く水の中に沈め、目線を真下に向けると、身体が水平になり、浮きやすくなります。

伸びの姿勢を正しく保つことで、水の抵抗が最小限になり、次の動作へスムーズに移ることができます。そのため、動きの合間にしっかり伸びる時間を意識することが重要なのです。

手足は同時に動かさない(タイミングの重要性)

平泳ぎでは、手足を同時に動かさないことが基本です。なぜなら、同時に動かすと水の抵抗が増え、進む力を自分で打ち消してしまうからです。手を掻くのと同時に足を蹴りたくなる傾向がありますが、この動きでは推進力が生まれません。手足を動かすタイミングが重要なのです。

平泳ぎで進むための正しい順序は、「手 → 息継ぎ → 足 → 伸び」です。まず手で水を掻き、身体を前に引き寄せた勢いで息継ぎをします。その後に足を引いて蹴り出し、しっかり身体を伸ばすことで、水の流れを利用して進むことができます。

手が動いている間は足を休め、足が動くときは手を休めるという交互のリズムが、平泳ぎの推進力を生むポイントです。手足のタイミングを意識することで、余計な力を使わずにスムーズに進めるようになります。

「キック(足)」のコツと練習法

「キック(足)」のコツと練習法

平泳ぎの「キック(足)」は、推進力を生む大事な動きです。ここからは、キックのコツと練習法をご紹介します。

「カエル足」の正しい形

平泳ぎのキックを安定させるためには、まず「カエル足」の正しい形を身につけることが大切です。足の動きが崩れてしまうと、せっかく蹴っても水を押し出せず、身体が沈んでしまいます。

足の形を確認する際は、うつ伏せになった状態で、足を引きつけ、ゆっくりと後ろに蹴り出してみましょう。足を引きつけるときは足の裏を上に向け、足首は直角をキープし、ひざは肩幅程度に開き、広げすぎないようにします。蹴り出すときは足首の角度を保ちながら水を押し、最後に両足の親指を軽く合わせるイメージです。

いきなり水の中でカエル足をしようとしても上手くいかないことがあるため、うつ伏せ姿勢で足の動きを確認する練習がおすすめです。親御さんがそっと足首やひざを支えながら声をかけ、正しい動きを覚えられるよう促しましょう。

足の裏で水を蹴る意識

平泳ぎのキックでは、足の裏でしっかり水を押すことがコツです。足先やつま先だけで蹴ろうとすると、水をかく力が弱くなり、進む距離が短くなってしまいます。かかとから足の裏全体で水を押すイメージを持ち、膝は軽く曲げ、蹴る際に足の裏で後ろへ水を押し出すことを意識すると、推進力が生まれます。大切なのは、力任せに蹴らないことです。足の形と水のつかみ方を意識するだけで、少ない力でもスムーズに進めるようになります。

練習法としては、プールでビート板を持ち、足だけで進むキック練習がおすすめです。膝や足の向きに注意しながら、かかとから水を押し出す感覚を確認します。家でも、仰向けに寝て足の動きをまねしながら、かかと→足裏で押す順序を確認することで、水のつかみ方の感覚を養う練習ができます。

「あおり足」を直すための練習

あおり足は、足の甲で水を押してしまい、効率的に前に進めない状態のことです。後ろから見ると足の甲が目立つため、視覚的にも判断しやすいです。正しいキックでは、足の裏で水を押すため、足の甲はほとんど見えません。

あおり足を直すためには、足の裏を天井に向けたまま引き寄せることが重要です。その際、足を引き寄せる前に親指を少し開き、膝とふくらはぎの間隔を保つことで、水をしっかりとらえる形になります。このポイントを意識すると、蹴り出す際に足全体で水を押せるようになり、効率的に前に進むことができます。

もし、子どもがあおり足で泳いでしまっている場合、プールでビート板を使って足だけで進む練習を続けることで、正しい感覚をつかみやすくなります。また家庭では、仰向けに寝て、足の形や動きを目で確認しながら練習して、あおり足の癖を減らすよう意識しましょう。

「プル(手)」のコツと練習法

平泳ぎの「プル(手)」は、水の流れを感じながらスムーズに動かすことが大切です。ここからは、プルのコツと練習法をご紹介します。

水の抵抗を抑える手の掻き方(逆ハート)

平泳ぎの手の動きで大切なのは、水をとらえて前へ進む形をつくることです。その基本となるのが、両手で逆ハートを描くような動きです。逆ハートの形で水を掻くことで、水の抵抗を抑えることができます。

逆ハートの動きは、まず、両腕を前に伸ばした状態からスタートします。そこから手のひらを外側に向け、ゆっくり外へ開いていきます。次に、ひじを軽く曲げながら体のほうへ水を寄せるようにして、胸の前あたりで両手を近づけます。このとき、両ひじを張らずに脇をしっかり締めるのがポイントです。最後に、手のひらを合わせるようにして再び前へ伸ばすと、逆ハートのような軌跡が描けます。

練習する際は、水の中で逆ハートを描くイメージで両手を動かす方法がおすすめです。また、鏡の前で手の形を確認したり、お風呂でゆっくり手の軌道をたどったりすることで、身体が逆ハートの形を覚えやすくなります。

脇を締めて素早く水を前に戻す

平泳ぎで前に進むためには、掻いた水を前に戻す動きが非常に重要です。そのため、手を広げたあと、脇を締めながら胸の前で両手を合わせ、勢いよく伸ばして水を前に戻しましょう。
脇を締めて素早く水を前に戻すことで、身体が前へと滑る力(推進力)が生まれます。一方、手を前に戻すのが遅くなると水の抵抗が強くなり、スピードが落ちてしまいます。

水を前に戻す動作は、平泳ぎの中でもスピードと美しさを左右する重要な部分です。慣れるまでは、プールサイドや鏡の前で、脇を締めた状態から腕を真っ直ぐ前へ出す練習をしましょう。

「息継ぎ」と「手足のタイミング」

「息継ぎ」と「手足のタイミング」

平泳ぎで苦戦しやすいのが、息継ぎのタイミングです。ここからは、息継ぎと手足のタイミングを見ていきましょう。

上半身を上げすぎない正しい息継ぎ

平泳ぎでは、息継ぎのときに上半身を持ち上げすぎると腰が沈み、推進力が弱くなってしまいます。水の抵抗を減らしてスムーズに進むためには、上半身を上げすぎない正しい息継ぎを身につけることが大切です。正しい息継ぎの姿勢ができると、身体の軸が安定し、長く泳いでも疲れにくくなるといった効果もあります。

意識すべきポイントは、あごを軽く上げて目線を斜め前に向けることです。肩を持ち上げず、胸をわずかに前へ押し出すようにすると、口が水面に出て呼吸できるようになります。息を吸ったらすぐに顔を戻し、身体を真っ直ぐに伸ばして次の動きへつなげましょう。

プールでは、水面近くであごの角度を確かめながら息継ぎの練習をすると感覚がつかみやすいです。また、家のお風呂でも、顔を半分水につけて呼吸のタイミングを確認することで、息継ぎの姿勢を身につける練習になります。

「手→足→伸び」のリズムを覚える練習

平泳ぎでスムーズに前へ進むためには、「手→足→伸び」のリズムを身につけることが大切です。この流れができると、無駄な力を使わずに泳げるようになります。

まずは手で水を掻き、身体を起こしたタイミングで息継ぎをすることがポイントです。次に、顔を戻しながら足を引きつけ、キックで身体を押し出したあとに、しっかりと伸びの姿勢をつくります。この一連の動作が滑らかにつながることで、リズミカルで美しい平泳ぎになります。

プールでは、まず手の動きだけ・足の動きだけを分けて練習し、慣れたら「手→足→伸び」をゆっくり続けてみましょう。家庭では、床に寝転んで動作の順番を確認し、身体にリズムを覚えさせる練習を続けてください。

キック後のグライド(伸び)を意識する

平泳ぎでは、キック後のグライド(伸び)を意識することで、泳ぎの効率が大きく変わります。キック直後にすぐ次の動作へ移ってしまうと、水の抵抗が増えてスピードが落ちてしまうためです。キックの力を最大限に生かすには、しっかりと身体を真っ直ぐに伸ばし、水の上を滑るような感覚を持つことが大切です。

正しいグライドでは、腕・脚・背中が一直線になり、身体の中心がぶれません。頭を上げすぎず、水面に伸びるイメージを持つと、抵抗が最小限に抑えられ、泳ぎが安定します。

プールでは、キックのあとに「1、2、、」と心の中で数えてから次の動作に移る練習をしてみましょう。家庭では、うつ伏せ姿勢で体を一直線に保つ伸びの姿勢を鏡の前で確認すると、正しいフォームを意識しやすくなります。

平泳ぎが上達しないよくある原因

練習しているのに、「なかなか進まない」「息継ぎで沈む」と感じる場合は、身体の使い方やタイミングに小さなズレがあるかもしれません。最後に、平泳ぎが上達しないよくある原因と、その対策をご紹介します。

キックのとき膝が開きすぎている(水の抵抗を生んでいる)

平泳ぎで進まない原因の一つが、キックのときに膝が開きすぎていることです。膝を大きく開くと、足の動きが外側に流れ、水の抵抗が増えてスピードが落ちてしまいます。さらに、身体が沈みやすくなり、リズムも崩れてしまうため、泳ぎが重たく感じるようになります。

正しいフォームは、膝の間に拳一つ分ほどの距離を保つのが目安です。足を引きつけるときは、かかとをお尻に近づける意識を持ち、太ももが開きすぎないようにしましょう。このとき、足の裏を後ろに向けるように意識すると、水をしっかりと捉えられます。

プールで練習する際は、ビート板を胸の前に持ち、足だけでキックすると効果的です。水中で膝の開きを確認しながら、コンパクトな動きを意識してください。家庭では、膝の間にタオルを挟んだまま仰向けになり、両足を引き寄せて開かないように動かす練習がおすすめです。練習を繰り返すことで内ももの筋肉が発達し、膝を閉じてキックできるようになります。

息継ぎのとき上半身を上げすぎてしまう

平泳ぎで前に進まないもう一つの原因が、息継ぎのとき上半身を持ち上げすぎてしまうことです。上半身を上げると身体が反るため、腰が沈み、水の抵抗が増えてスピードが落ちてしまいます。さらに、腕や足のリズムが崩れ、疲れやすくなります

正しい息継ぎの姿勢は、あごを軽く上げる程度で顔を水面に出し、肩は持ち上げず胸のあたりをわずかに前に押し出すイメージで呼吸します。息を吸ったらすぐに顔を水中に戻し、身体を伸ばして次の動きにつなげることが大切です。

プールの浅い場所で顔を少し水面から出す練習を繰り返すと感覚がつかみやすくなります。家庭では、お風呂で頭の角度や目線を確認しながら呼吸の動作を練習すると、上半身を上げすぎないスムーズな息継ぎが身につきますよ。

「伸び(グライド)」の意識がない

キックやプルのあとに、伸び(グライド)の意識がないことも、平泳ぎで推進力が落ちる原因の一つです。グライドを意識せずに次の動作に移ると、せっかくのキックの力が水の抵抗で失われてしまいます。そのため、キックやプルが終わったら、伸びを意識し、腕と脚を真っ直ぐ伸ばして水上を滑るように進みましょう。

プールでキックのあとに一拍おいてから次の動作に移る練習をすると、グライドの感覚がつかみやすくなります。また家庭では、うつ伏せで身体をまっすぐ伸ばす姿勢を鏡で確認しながら練習して、伸びの意識を身につけましょう。

まとめ

平泳ぎは、姿勢や手足のタイミングを意識することで効率よく進める泳ぎ方です。キックや手の動き、息継ぎ、そしてキック後の伸びをしっかり意識することが、スムーズで疲れにくい泳ぎにつながります。身体の軸を安定させ、水の抵抗を減らすフォームを意識することで、子どもの泳ぎはぐっと上達します。

この記事では、平泳ぎの基本からキック・プル・息継ぎと手足のタイミングのコツと練習法を紹介しました。家庭で簡単にできる練習を取り入れることで、楽しみながら正しい平泳ぎが身につきます。ぜひ親子で平泳ぎの上達に向けて取り組んでみてください。

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