そろばん教室は今もアリ?子どもに習わせるメリットと疑問を解説

そろばん教室は今もアリ?子どもに習わせるメリットと疑問を解説

スマートフォンやタブレットでワンタップで計算の答えが出る時代、「そろばんって、今の時代に本当に必要なの?」と多くの親御さんが疑問に感じているのではないでしょうか。一方で、そろばんには今の時代だからこそ注目したいメリットがあります。

この記事では、そろばん教室のメリット・現代でも役立つ理由・教室の選び方・よくある疑問への答えをまとめました。子どもに何か習い事をさせたいと考えている方は、ぜひお読みください。

そろばん教室のメリット

そろばん教室と聞くと計算が速くなるというイメージが強いかもしれませんが、実際には計算力以外にも学習の土台となる力が幅広く身につきます。ここでは、そろばん教室が子どもの成長にもたらすメリットを見ていきましょう。

計算力・暗算力が身につく

そろばん教室に通い始めて、まず実感するのが計算力の伸びです。そろばんの学習では、数字をただ紙の上で追うのではなく、珠を動かしながら計算していきます。目で見て、手を動かし、結果を確認するという流れを繰り返すことで、数の大きさや関係性を感覚的に理解できるようになります。

このような学び方は暗記に頼った計算とは違い、理解を伴う力として定着しやすい傾向があります。そのため、掛け算や割り算に進んだ際に計算の考え方が分かっており、応用が利きやすくなります。

また、繰り返し練習する中で計算スピードが上がり、正確さも安定してきます。学校のテストで計算ミスが減ったり、時間内に問題を解き切れるようになったりすることで、子ども自身が成長を実感しやすい点も魅力の一つです。

次に、そろばんならではの力として挙げられるのが暗算力です。そろばんの学習を続けていくと、やがて実物のそろばんを使わずに頭の中で珠を動かして計算できるようになります。いわゆる「イメージ暗算」と呼ばれる状態です。この段階になると、数字を視覚的なイメージのまま答えを導き出せるようになります。

このように計算力と暗算力の両方が身につくことで数字に対する自信が育ち、「考えること」を前向きに捉えられるようになる点は、そろばん教室ならではのメリットと言えるでしょう。

集中力や記憶力が伸びる

そろばん教室のメリットとして、計算面と並んでよく挙げられるのが集中力の向上です。そろばんの学習では、珠の動きと数字の変化に意識を向け続ける必要があります。少し気を抜くだけで計算がずれてしまうため、「今やっていることに集中する」姿勢が求められます。

また、そろばんの練習は短時間で区切って行われることが一般的です。限られた時間に集中して取り組むという習慣が身につくと、日常生活にも良い影響が表れます。宿題や授業に集中して取り組むことができるようになります。

集中力の他に、そろばんは記憶力の面でも良い影響を期待できます。計算を進める際、数字の並びや珠の動きを一時的に頭の中に留めながら処理していきます。この作業の積み重ねにより、「瞬間的に情報を覚える力」、いわゆる「短期記憶」が鍛えられます。短期記憶は先生の指示を覚えたり複数の情報を整理したりする場面で欠かせない力です。

さらに、そろばんに慣れてくると珠の動きを映像のように思い浮かべて計算できるようになります。このようなイメージを使った記憶は単なる丸暗記とは異なり、比較的忘れにくい傾向があります。数字をイメージとして捉える経験を重ねることで、覚えること自体への抵抗感が減り、算数の学習全体がスムーズに進みやすくなります。

集中力と記憶力は、どちらも一朝一夕で身につくものではありません。そろばんを通じて日々コツコツと積み重ねることで、子どもは自然とこれらの力を伸ばしていきます。学校生活はもちろん、スポーツや他の習い事、将来の仕事においても活かせる、一生の土台となる力が育つ点は、そろばん教室の大きな魅力と言えるでしょう。

そろばんは古い?今の時代でも役立つの?

そろばんは古い?今の時代でも役立つの?

「電卓や計算アプリがあるのに、そろばんを学ぶ意味はあるの?」と感じる方も多いでしょう。ここからは、そろばんが現代だからこそ評価されている理由を見てみましょう。

計算力と思考力両方が伸びるから今でも役に立つ

そろばんが今の時代でも役立つ理由の一つは、「計算力」と同時に「思考力」を育てられる点にあります。そろばんでは桁の動きや数の構造を意識しながら珠を操作して答えを導き出します。そのため、「どうすれば正しく計算できるか」「次に何をすべきか」を常に頭の中で整理しながら進める必要があります。この積み重ねが、思考力を鍛えることにつながるのです。

計算力・思考力は大人になってからも役立ちます。仕事や日常生活では、数字を正確に扱う力に加え、「どう判断するか」「どのように進めるか」を考える場面が多くあります。そろばんで培われた計算力と思考力は、道具に頼らず自分の頭で考える力として残り続けるため、時代が変わっても価値が失われません。

このように、デジタルやAIが身近な時代だからこそ、自分の頭で考え、組み立てる経験ができるそろばんは、今でも価値のある学びとして、評価されているのです。

算数・勉強・日常生活にも応用できる

そろばんを習って計算や暗算が得意になることで、算数に対する自信が育ちます。そろばんでは数字を珠の動きとして視覚的に捉えるため、「数字は難しい」という印象を持ちにくくなります。そのため、足し算・引き算はもちろん、繰り上がり・繰り下がりの仕組みも感覚的に理解できるようになります。その結果、算数への苦手意識が生まれにくくなり、前向きに学習へ取り組めるようになるのです。

その効果は算数だけでなく、勉強全体へと広がります。そろばんの計算では、複数の工程を頭の中で整理しながら、先を見通して手順を組み立てる必要があります。この経験を通して、物事を順序立てて考える力や論理的に考える姿勢が身につくのです。こうした力は、算数・数学の文章題だけでなく、国語の読解問題や理科・社会の理解にも良い影響を与え、学習全体の土台を支える力となります。

さらに、そろばんで培った力は日常生活の中でも役立ちます。買い物の合計金額を考えたり、時間や予定を把握したりといった場面で暗算力や数の感覚が活かされるのです。

このように、そろばんは算数に強くなるだけでなく、勉強と生活の両方を支える力を育てる習い事と言えます。

そろばん教室の選び方(チェック項目)

そろばん教室は、教室ごとに指導方法や雰囲気が大きく異なります。無理なく続けられるように、教室選びのポイントをご紹介します。

年齢・レベルに合った指導をしているか

そろばん教室を選ぶうえで大切なのが、子どもの年齢・レベルに合った指導が行われているかどうかです。

例えば、初心者から上級者まで段階的に学べるカリキュラムが用意されている教室では、無理なく力を伸ばしやすくなります。そろばんの習得スピードには個人差があるため、全員が同じペースで進む指導は、つまずきや苦手意識につながることもあり注意が必要です。

また、理解が追いつかない子には丁寧に寄り添い、得意な子には次のステップを示してくれるなど、柔軟な対応ができる環境であれば、子どもは安心して学び続けられます。そのため、年齢・レベルに合わせた指導が整っているかどうかは教室選びで確認しておきたいポイントの一つです。

通いやすさや負担

そろばん教室を選ぶ際は、通いやすさとあわせて、家庭への経済的な負担がどの程度になるかも確認しておきましょう。そろばんは継続することで力が伸びる習い事のため、無理なく通い続けられる環境かどうかが大切です。自宅や学校から近い場所にある教室であれば、送迎の負担が少なく、子どもも通うことを負担に感じにくくなります。通学路の安全性や、夕方以降でも安心して通える立地かどうかも事前にチェックしておきましょう。

また、費用面では入会金や教材費、検定料、そろばん本体の購入費など、月謝以外にかかる費用も把握しておくことが大切です。教室によっては、検定や大会への参加時に別途費用が発生する場合もあります。料金体系が分かりやすく、事前に説明がある教室であれば、安心して通わせられるでしょう。通いやすさと費用のバランスが取れている教室を選ぶことが、長く続けるための大切なポイントです。

よくある疑問と答え

よくある疑問と答え

そろばん教室について調べていると、始める年齢や他の習い事との比較など、様々な疑問が浮かびます。最後に、よくある疑問と答えをご紹介します。

何歳ぐらいから始めるのが良いの?

一般的には、数字に興味を持ち始める年長から小学校低学年ごろが開始の目安とされています。ただし、年齢だけで判断する必要はなく、椅子に座って話を聞けるか、簡単な数字に抵抗がないかといった点も大切です。早く始めれば必ず有利になるわけではないため、子どもの様子を見ながらタイミングを判断しましょう。

プログラミングなど最先端の技術を学んだ方が良い?

結論から言うと、どちらか一方が優れているというより、身につく力の順番と役割が異なると考えると判断しやすくなります。

そろばんは、計算力や集中力、数の感覚といった、考えるための土台を育てる学びです。数字を正確に捉え、順序立てて処理する力は学習の基礎になります。一方でプログラミングは、「どう動かすか」「どう指示を出すか」を組み立てる応用的な学びといえます。

基礎が十分に身についていない状態で高度な内容に進むと、理解が追いつかず負担になることもあります。まずは思考の土台をしっかり育て、その後にプログラミングなどの最先端分野へ広げていく方が、結果的に学びやすくなるケースも少なくありません。家庭の方針や子どもの年齢や性格を踏まえ、「今、何を育てたいか」という視点で選ぶことが大切です。

まとめ

そろばんは決して時代遅れの学びではありません。そろばんで身につく計算力や集中力、思考の土台は、算数だけでなく他の教科や日常生活にも活かされる力です。便利な道具に頼れる今の時代だからこそ、基礎となる力を身につける選択肢として、そろばんは十分に検討する価値のある習い事と言えるでしょう。

一方で、続けやすさや子どもとの相性も重要な判断材料になります。本記事で紹介したメリットや教室の選び方を参考に、無理なく続けられる環境を選んでください。

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