文章を理解するうえで欠かせないのが「主語」と「述語」です。主語と述語の理解があやふやだと、作文を書く際に言いたいことが伝わらなかったり、読み手に誤解されてしまったりといった問題が生じます。特に小学校低学年では、主語と述語の理解が国語力の土台となるため、しっかり押さえておくことが必要です。
この記事では、主語と述語の基本的な意味、具体的な見つけ方、ゲームで楽しく学ぶ練習法を解説します。よくあるつまずきポイントへの対策も紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
主語と述語は文を作るうえで欠かせない柱のような存在です。まずは、主語と述語の基本をしっかり押さえておきましょう。
文の中で「誰が」「何が」を表す言葉が主語です。主語は文の主人公のような存在で、文全体の中心となります。例えば、「犬が走る」という文では「犬」が主語です。
主語を理解できるようになると、文の意味をつかみやすくなります。子どもが「今日、ぼくがりんごを食べたよ」と言ったとき、話の中心は「ぼく」です。「ぼく」が何をしたのかを説明するために、述語が続くのです。
以下に例文を挙げてみます。
短い文だけでなく、少し長い文になっても、主語を探すことは大切です。主語が長くても「誰が?」と考えれば、見つけやすくなりますよ。
述語は、主語がどうするのか、どんな状態なのか、何であるのかを示す言葉です。文の動きを表したり、主語の説明をしたりします。「犬が走る」では、「走る」が述語です。
述語には大きく分けて、以下のような3つの役割があります。
例文を見てみましょう。
述語を見ることで、文の意味がしっかりと理解できます。「主語」と「述語」がペアになって、初めて文が完成するのです。

主語を見つける際には、助詞や文の中心を探すとスムーズです。ここからは、主語の見つけ方をご紹介します。
日本語の文では、「~は」「~が」という助詞がついている言葉が主語であることが多いです。例えば、「お父さんは新聞を読む」では、「~は」がついている「お父さん」が主語です。
以下より例文を見てみましょう。
ただし、注意も必要です。「空には雲が浮かんでいる」では、「空には」は主語ではなく場所を表す言葉で、主語は「雲」です。このように、「は」や「が」がついている言葉が必ず主語になるわけではありません。そのため、例文をたくさん見て「誰が?」「何が?」を考える習慣をつけることがポイントです。
主語を見つける際のコツは、文に対して「誰が?」「何が?」と質問し、文の中心を探すことです。
文の中心を探す方法は、助詞に頼らず主語を見つけられるため便利です。長い文になったとしても、「誰が?」「何が?」を繰り返すことで、答えにたどり着くことができます。
以下の例文を見てみましょう。
このように、「誰が?」「何が?」と質問することで、文の主語が見つかりやすくなります。
主語の見つけ方がわかったら、次は述語を探してみましょう。
日本語の文では、多くの場合、述語は文の最後に置かれています。述語が「主語が何をするか」「どんな状態か」を表す言葉だからです。そのため、文章を読む際に、まず文の最後をチェックする習慣をつけると、述語を見つけやすくなりますよ。
以下より例文で確認しましょう。
文章の終わりが述語である理由は、文の最後で結論を伝えるためです。主語が「誰か」「何か」を示し、その後に述語が続くことで、「何をするのか」「どういう状態か」がはっきり伝わります。
述語を探す際に便利なのが、「どうする」「どんなだ」「何だ」を見つけることです。文章の最後にある述語は、必ずこのどれかに当てはまると考えると、見つけやすくなりますよ。
主語が行う動作や行動を示す述語です。読むときは「主語は何をしているのか?」と問いかけると簡単に見つけられます。
例文を見てみましょう。
動作を表す述語は、文の中心で「主語が行動していること」をはっきり示しているので、文章を理解するときの目印になります。
主語の状態や性質を示す述語です。「主語はどんなふうか?」と考えると見つけやすくなります。状態を表す述語には、形容詞や形容動詞が多く使われます。
例文を見てみましょう。
「主語はどんなふうか?」と問うことで、状態を表す述語が見つかりやすくなりますよ。
主語が何であるか、誰であるかを説明する述語です。「主語は何だ?」と問いかけると見つけやすいです。名詞や「です」「だ」で終わる文によく出てきます。
例文を見てみましょう。
判断文の述語は、「〜だ」「〜です」で終わることが多いのが特徴です。文の最後に置かれることで、文全体の内容をしっかり締めくくります。
主語と述語は必ずペアになって文を作ります。そのため、ペアを意識すると述語が見つけやすくなりますよ。
例文を見てみましょう。
このように、主語と述語のぺアを意識し、主語と結びつけることで述語を容易に見つけることができます。

「主語」と「述語」を机に向かって練習するだけでは、退屈で飽きてしまいがちです。ここからは、ゲームや遊びの要素を取り入れた練習法をご紹介します。
主語と述語を書いたカードを用意して、組み合わせを自由に入れ替えながら文を作るゲームがおすすめです。
例えば、「お母さん」「料理を作る」「先生」「本を読む」「猫」「眠っている」といったカードを用意します。遊び方は自由です。カードを組み合わせて「猫+眠っている」「先生+本を読む」のように文を作ったり、途中でカードを入れ替えて別の文を作ったりします。正しい組み合わせだけでなく、ユニークな組み合わせを作ってみるのも盛り上がりますよ。
さらに、チーム戦やタイムアタックを取り入れると、競争心も刺激されて飽きずに続けられます。カードを入れ替えながら文を作ることで、主語と述語の理解を促しましょう。
日常の会話の中で「この文の主語はなに?」「述語はどれかな?」とクイズ形式で質問してみましょう。
また、お話や絵本を読みながら「この文の主語は?」「述語は?」と質問するのも効果的です。クイズ感覚なので、子どもも楽しみながら学べますよ。
主語や述語のつまずきは、決して特別なことではありません。最後に、主語・述語でつまずく原因と、その対策をご紹介します。
子どもが主語・述語の理解につまずく原因のひとつが、助詞の使い分けです。日本語の文では「は」「が」「を」「に」などの助詞が、文の中での役割をはっきり示しています。特に「は」と「が」は、混乱しやすい助詞のため注意が必要です。
「は」は話題を示す助詞で、文全体のテーマを表すことが多いです。
例:「ぼくはサッカーが好き。」(=ぼくについて言えば、サッカーが好きだ)
一方で「が」は、文の主語を明確に示す助詞です。
例:「ぼくがサッカーをする。」(=サッカーをするのは、ほかでもなくぼくだ)
このように、同じ「ぼく」という言葉でも、助詞が変わると文の意味やニュアンスが変わります。助詞の理解があいまいだと、主語と述語の関係もつかみにくくなり、文の意味を正しく理解できません。
対策としては、いろいろな例文に触れて「は」と「が」の違いを体感することが大切です。「空は青い」「花が咲いた」「私は学生だ」など、短くシンプルな文をたくさん読んでみましょう。繰り返すことで助詞の感覚が身につき、主語と述語の結びつきも理解できるようになります。
「昨日、学校で友達が新しいゲームを見せてくれた。」などの長い文では主語が見えにくく、理解が難しくなります。対策として、文を短く区切る練習をすると効果的です。
「昨日、学校で」→場所や時間
「友達が」→主語
「見せてくれた」→述語
このように、文を分解することで主語と述語を見つけやすくなりますよ。
まとめ
主語と述語は、文章を理解するための基本です。主語は「誰が?」「何が?」という質問で見つけ、述語は「どうする?」「どんなだ?」「何だ?」という3つのパターンで探しましょう。カードゲームや日常会話でのクイズなど楽しい練習法を取り入れることで、子どもが飽きずに学習を続けられます。今回ご紹介した練習法を参考に、ぜひ親子で一緒に取り組んでみてください。繰り返し練習することで文章の読み書きが上達し、国語力の土台が身につきますよ。