子どもの「自尊心」を正しく高める!親の接し方と自信が育つ習い事

子どもの「自尊心」を正しく高める!親の接し方と自信が育つ習い事

「自尊心って、そもそも何?」「わがままとはどう違うの?」「親の関わり方で、本当に変わるの?」このような疑問を感じたことはありませんか。

内閣府が2018年度に実施した「日本の若者意識の現状~国際比較からみえてくるもの~」の調査によると、日本の若者(13歳~29歳)のうち「自分に満足している」と回答した人の割合は45.1%でした。これは調査対象となった7か国の中で最も低い数字であり、欧米諸国と比べて大きな差が開いています。しかし「とにかく褒めれば良い」というわけではありません。誰かと比較したり、結果だけを褒めたりしていると、逆に自尊心が低くなることがあります。

この記事では、自尊心の定義から、家庭でできる自尊心の育て方を分かりやすくお伝えします。ぜひ最後までお読みいただき、親子の関わりの参考になれば幸いです。

自尊心とは?低い子と高い子の特徴

まずは、自尊心の定義や「わがまま」「プライド」などの似ている言葉との違いを整理しましょう。

自尊心の定義と自己肯定感との関係

自尊心と自己肯定感は、心理学用語の「self-esteem(セルフ・エスティーム / 自己受容)」の訳語として扱われることが多い言葉です。

ただ、日本では上記2つには次のような違いがあります。

【自尊心】

「社会的自尊感情」を指し、「自己受容+プライド」の両方の意味を持つ言葉です。何かができることや、成果に基づく自信で向上心を支える一方、失敗によって揺らぎやすい面もあります。

【自己肯定感】

「基本的自尊感情」を指し、自己受容の意味に特化して使われます。失敗や成功に関わらず「自分は大切な存在だ」と思える感覚で、自尊心が傷ついたときの支えになります。

子育てや教育では、挑戦を支える自尊心と、子どもの心を守る自己肯定感をバランスよく育てることが大切だと考えられています。

なお、心理学の専門書では「self-esteem」を「自尊心」または「自己肯定感」のどちらかで訳すこともあり、はっきりと区別しない場合もあります。

「わがまま・プライド」との違い

「自尊心を高めると、わがままでプライドの高い子になるのでは?」と心配されることも少なくありません。まずは、言葉の意味を整理してみましょう。

  • わがまま:自分の思い通りにならないと不機嫌になったり、相手の気持ちを考えずに行動したりすること
  • プライド:他人と比べて自分を大きく見せようとしたり、傷つかないように必死に守ろうとしたりする態度

実は、わがままな態度や過剰なプライドは、自尊心が低いことの表れである場合もあります。本当の意味で自尊心が育っている子どもは、「自分は大丈夫」と感じているため、他人を下に見たり、攻撃したりする必要がありません。その結果、相手の気持ちを考えられ、人と比べることが少なくなります。

自尊心を育てることは、わがままにすることではなく、周囲と良い関係を築く力を育てることといえます。

自尊心が低い子どもに見られる言動のサイン

子どもの本音は、言葉だけでなく、行動や態度(言動)に表れやすいです。「いつもと様子が違うな」と感じたら、自尊心が揺らいでいるのかもしれません。

ここでは、自尊心が高い子と低い子に見られやすい言動の違いを紹介します。

自尊心が高い子に見られる言動の特徴

自尊心が高い子どもは、失敗を必要以上に恐れず、新しいことにも前向きに挑戦しようとします。「自分に価値がある」という自己受容が土台にあるため、うまくいかないことがあっても、あきらめずに取り組み続けることが理由です。また、話し合いの場でも、周りの顔色を気にしすぎず、自分の考えを落ち着いて伝えることができます。

心に余裕があるため、友達のことも自然に尊重し、友達の成功も素直に「すごいね」と喜ぶことができます。

自尊心が低い子に見られる言動の特徴

自尊心が低い子どもは、物事を悪い方向に考えやすく、傷つくことを避けるために、最初から挑戦をやめてしまうことがあります。「どうせ無理」「自分にはできない」といった言葉を、口にすることも少なくありません。

また、自信のなさを隠そうとして、周りの人にきつい言い方をしたり、乱暴な態度を取ったりする場合もあります。こうした行動は問題に見えやすいですが、心の中では「気づいてほしい」「認めてほしい」という気持ちを抱えていることが多いです。

すぐに叱るのではなく、「どんな不安があるのかな」と気持ちに目を向けて関わることが大切です。

自尊心を育むには?家庭でできる実践方法

自尊心を育むには?家庭でできる実践方法

自尊心を高めることは、子どもが自分らしく成長していくために、とても大切です。ここからは、今日から家庭で取り入れられる、自尊心を育むためのポイントを紹介します。

結果ではなくプロセスを褒める

テストの点や順位など、結果だけを褒める声かけは控えましょう。結果ばかりを評価されると、子どもは「うまくいかない自分には価値がない」と感じやすくなり、失敗を必要以上に怖がるようになります。

結果だけでなく、努力のプロセス(過程)に目を向けて、言葉で伝えることが大切です。「毎日コツコツ練習していたね」「最後まで諦めずに考えられたね」と、がんばった過程を具体的に言葉で伝えましょう。
 

【声かけの例】

・テストが返却されたとき

 「100点だね!すごい!天才だね!」→「毎日少しずつ勉強していたから、良い点につながったね」

・お手伝いをしてくれたとき

 「早くて助かる」→「丁寧に拭いてくれてありがとう」

・描いた絵を見せてくれたとき

 「上手だね」→「色の組み合わせを工夫したね」

プロセスを見つけて褒めるのが難しいときは、「ありがとう」「助かったよ」と感謝の気持ちを伝えるだけでも十分です。「自分は誰かの役に立てる」という感覚が、自信や自尊心を育てていきます。

兄弟や友達と比較しない

「お兄ちゃんはできたのに」「〇〇ちゃんはもっと速いよ」など、他者との比較はNGです。比べられることで、子どもは「自分はダメなんだ」と感じやすくなり、自尊心が傷ついてしまいます。

比べるべきは、過去の子ども自身です。「前より字がきれいになったね」「前はできなかったことが、できるようになったね」と、子ども本人の成長に目を向けて言葉にしましょう。少しずつの積み重ねが、「自分は成長できる」という自信につながります。

失敗した時「次はどうするか」を一緒に考える

子どもが失敗したときに強く叱ったり、「なんでそんなことしたの?」と責めたりすると、逆効果になることがあります。「なんで」という言葉は子どもが「怒られている」と感じやすく、本当の気持ちを話しにくくなってしまいます。

失敗したときは「次はどうすればうまくいくかな?」と声をかけ、一緒に考える姿勢を大切にしましょう。失敗を「学ぶチャンス」と捉え直すことで、子どもは自尊心を少しずつ回復させていきます。

習い事が子どもの自尊心を育てる理由

習い事は、家庭や学校とは違った形で、子どもの自尊心を育ててくれます。家庭ではつい甘えが出やすく、学校では勉強の成績で評価されやすいものです。その中で、好きなことや興味のある分野に取り組み、「自分にはこれができる」と感じられる経験は、心を安定させる土台になります。

ここでは、習い事が自尊心を育てる理由を2つ紹介します。

スモールステップで成功体験を積める

習い事のメリットは、成長のプロセスが目に見えやすいことです。多くの習い事では、進級テストや発表会などの目標が設定されており、小さな段階を一つずつクリアしていく仕組みがあります。

例えば「逆上がりができた」「曲を最後まで弾けた」という経験は、子どもにとって大きな自信につながります。小さな成功を重ねることで「やればできるかもしれない」という気持ちが育ち、習い事以外の場面でも前向きに挑戦できるようになります。

「自分の得意」が見つかる

学校生活では勉強が中心になりやすく、勉強が苦手な子どもは自信を持ちにくいことがあります。一方で、習い事にはスポーツや音楽、表現活動など、さまざまな種類があるため、子どもの性格や得意なことに合った分野で、力を発揮しやすい環境があります。

「走るのが得意」「絵を描いているときは集中できる」といった、自分の良いところに気づけることは、自尊心を育てる大切なきっかけになります。得意なことが一つあると、「自分には価値がある」という感覚につながりやすいです。

自尊心を高めるのにおすすめの習い事ジャンル

自尊心を高めるのにおすすめの習い事ジャンル

自尊心を育てるには、どのような習い事を選ぶかが重要です。競争が激しすぎる環境や、指導が厳しすぎる教室では、かえって自信を失ってしまうこともあります。大切なのは、子どもが「できるようになった」「前より成長した」と実感できるかどうかです。

ここからは、自尊心を育む効果が特に期待できる習い事ジャンルを2つ紹介します。

昨日の自分との成長を比べやすい「水泳・陸上(個人競技)」

水泳や陸上、体操などの個人競技は、過去の自分と比較しやすい習い事です。タイムや距離などの数値で成長が分かるため、努力の結果を実感しやすい特徴があります。

例えば「以前より泳げる距離が長くなった」「タイムが1秒縮んだ」などの経験は、子どもに大きな達成感を与えます。練習を重ねることで成果が出ると、努力することに前向きになるでしょう。

サッカーや野球などのチーム競技では、レギュラー争いによって精神的に負担を感じる場合もあります。こういった理由から、自分の成長に集中しやすい個人競技は、自信を積み重ねたい子どもに比較的向いていると言えます。

正解のない自由な表現が認められる「絵画・造形教室」

絵画や造形の習い事には、はっきりとした正解がありません。そのため、点数や順位で評価されることが少なく、自由な発想や感性を大切にできます。

例えば、空をピンク色に塗ったときに「面白い表現だね」「素敵な色使いだね」と受け止めてもらえる環境では、子どもは「自分の感じ方でいいんだ」と安心できます。

他人の評価を気にせず、自分の世界に集中できる時間は、ありのままの自分を認める気持ちを育てます。言葉で気持ちを伝えるのが苦手な子や、内気な性格の子にもおすすめの習い事です。

まとめ

子どもの自尊心は、これからの人生を支える大切な力です。結果だけでなく、努力している過程そのものを認める関わりを意識しましょう。特に家庭での関わりは、子どもの心の安定に大きく影響します。

習い事は、小さな成功体験を積み重ねながら、自分の強みを知るきっかけになります。習い事に限らず、日々の会話の中で「前よりできるようになったね」「次はどうしようか」と声をかけることが、自尊心を育てる土台になります。

焦らず、親子それぞれのペースで、自尊心を少しずつ育んでいきましょう。

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