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ワンオペ育児の現状、課題、そして乗り越えるためのヒント

ワンオペ育児とは?その定義と現状

現代の日本が抱える社会問題の1つである「ワンオペ育児」。
パートナーや家族が子育てに積極的に参加せず、家事や育児をほとんど1人でこなす「ワンオペ育児」は、誰にも頼れない孤独や疲労感と隣り合わせです。
この記事では、ワンオペ育児の現状から課題、そして乗り越えるためのヒントをご紹介します。
少しでも心の支えとなれば幸いです。

ワンオペ育児とは?その定義と現状

共働き世帯が増える一方で、家事や育児の負担が特定の一人に集中する「ワンオペ育児」が社会問題となっています。
近年新しく生まれた造語であり、今では世間一般に浸透していますが、具体的にはどのようなことを指すのでしょう。
ここでは、ワンオペ育児について詳しく解説します。

ワンオペ育児の定義と、陥りやすいケース

「ワンオペ育児」とは、「ワンオペレーション育児」の略称であり、両親のどちらか一方、またはひとり親が誰にも頼らずほとんど1人で家事や育児を行うことを指します。
とりわけ、母親がこの問題に直面することが多いです。
この状況に陥りやすいケースとしては、以下のような例があります。

  • パートナーが長時間労働や単身赴任で不在
  • 実家が遠方にあり、頼れる人が近くにいない
  • シングルマザー・ファザーである
  • 保育施設の空きがなく、一時保育の利用も難しい
  • パートナーが育児に非積極的

共働き家庭におけるワンオペ育児の実態

家族の繋がりを起点としたヘルスケア事業を展開する株式会社カラダノートが実施した調査では、「日々の家事育児の状況をワンオペだと思いますか?」という問いに対し、29%が「常にワンオペである」、45%が「たいていワンオペである」、20%が「ときどきワンオペである」、6%が「ワンオペと思わない」と回答しました。
この結果から、94%の母親が何らかの形でワンオペ育児をしていることがわかります。
とくに「常にワンオペ」「たいていワンオペ」と答えた74%の母親は、家事や育児を一人で担う日常が続いており、ワンオペ育児の深刻な常態化が浮き彫りになっています。
参考:9割以上のママが家事育児を「ワンオペしている」と回答 パパの家事育児シェア率3割以上でワンオペの常態化改善に | AMP[アンプ] – ビジネスインスピレーションメディア

ワンオペ育児がもたらす問題点

ワンオペ育児がもたらす問題点

育児や家事を一人で抱え込む「ワンオペ育児」は、心身の負担を増やし、孤独感やストレスを深める原因となります。
ここでは、見過ごせないその問題点を整理してみましょう。

母親への過度な負担(身体的・精神的・社会的な孤立)

ワンオペ育児では、母親が家事や育児を一人で担うことで、心身に大きな負担がかかります。
特に新生児や病児の育児では、睡眠不足や栄養バランスの偏りから体調を崩すこともあり、疲労が慢性化しやすくなります。
休む間もなく子どもと向き合う日々が続く中で、ストレスや孤独感が積み重なり、自分だけの時間を持つことも困難です。
また、外出や友人との交流も制限されやすく、社会との繋がりを感じられずに悩むケースも少なくありません。
相談相手がいないまま悩みを抱え込み続けることで、うつ病やノイローゼといった心の不調に繋がるリスクも高まるのです。

子どもへの影響と懸念

ワンオペ育児が続き、母親が心身ともに追い詰められてしまうと、その影響は子どもの成長にも及びかねません。
関わりが希薄になり、愛情を注ぐ余裕がなくなると、情緒の安定が揺らぎ、発達に遅れが出るケースもあります。
安心感や信頼関係を築きにくくなることで、自己肯定感や社会性にも支障をきたす恐れがあります。

夫婦関係への影響

ワンオペ育児が続くと、夫婦関係が悪化することがあります。
育児を1人で担うことで、夫婦間のコミュニケーションが減り、気持ちのすれ違いや不満が生じやすくなるためです。
育児や家事の負担が一方に偏ることで、相手への不信感や孤立感が募ることもあるでしょう。
そういった状況になると、本来支え合うはずのパートナーとの関係がぎくしゃくし、家庭内に緊張感が生まれてしまいます。
結果として、夫婦関係の悪化が育児環境そのものに影響を及ぼすリスクも否めません。

なぜワンオペ育児になってしまうのか?その原因を探る

なぜワンオペ育児が起こるのか、さまざまな要因が考えられます。
ここでは、ワンオペ育児に陥る主な理由をご紹介します。

パートナーの働き方や単身赴任

ワンオペ育児の原因の1つ目は、パートナーの働き方や単身赴任です。特に共働き家庭では、仕事の忙しさにより片方が家事や育児に参加できなくなることがあります。その結果、残された方に負担が集中し、ワンオペ育児が始まってしまいます。さらに、単身赴任の場合は物理的なサポートが得られず、家事や育児をすべて一人で担うことになりがちです。
こうした状況が続くことで、知らず知らずのうちにワンオペ育児が固定化してしまうケースも少なくありません。

家事・育児に対する意識のずれ

ワンオペ育児の原因の2つ目は、家事や育児に対する意識のずれです。
お互いにどのように役割を分担するか、どこまで負担を分け合うかについて、十分に話し合われていないことが多いです。
この認識の違いが、育児や家事の負担が一方に偏る原因となり、結果としてワンオペ状態を引き起こします。
例えば、片方が育児に多くの時間を割きたいと考えている一方で、もう一方が仕事を最優先にしてしまう場合、このズレが負担を生むことになります。
こうしたすれ違いの積み重ねで、ワンオペ育児が常態化してしまうのです。

ワンオペ育児を乗り越えるための解決策

ワンオペ育児を乗り越えるための解決策

ワンオペ育児で忙しく過ぎていく毎日。
子どもとの良好な関係を保ちながら、この状況を乗り越えるためには、どのような方法が有効なのでしょうか。
ワンオペ育児を乗り越えるために、押さえておきたい解決策を4つ紹介します。
疲れを感じているママは、自分のライフスタイルに合わせて、無理なく取り入れてみてくださいね。

労働環境を変える

ワンオペ育児を続ける中で、労働環境の改善は大きなカギとなります。
例えば、フレックスタイムやリモートワークの導入により、仕事と育児のバランスを取りやすくすることができるでしょう。
働く時間帯や場所に柔軟性を持たせることで、育児の負担を軽減できます。
また、労働時間の短縮や休暇の取得をしやすくすることで、家族との時間を確保することができ、心身の負担を減らすことも可能です。

夫婦で協力体制を築く

夫婦で協力体制を築くことは、ワンオペ育児を乗り越えるために非常に重要です。
育児や家事の負担が一方に偏ることで、パートナーの大変さを理解していない場合が多くあります。
特に、母親が抱えるストレスや疲れを父親が気づかないことがよくあります。
そのため、パートナーにはハッキリと自分の気持ちや負担を伝えるようにしてみましょう。
例えば、「今、すごく大変だから手伝ってほしい」と直接お願いすることや、辛い気持ちをひとりで抱え込まずにシェアすることが大切です。
夫婦でのコミュニケーションをしっかりとることで、負担を分け合い、協力しながら育児を進めていくことができます。

外部サービスの活用(一時預かり、家事代行など)

ワンオペ育児に限界を感じたときは、外部サービスを上手に活用するのも1つの手です。
例えば、ベビーシッターや一時預かり、家事代行など、信頼できる専門サービスを利用すれば、自分の時間を確保しやすくなります。
「お金がかかる」「周囲にどう思われるか気になる」と感じるかもしれませんが、リフレッシュすることで子どもに向き合う気持ちの余裕が生まれます。
無理せず頼れるものには頼る、そんな選択肢も大切です。

頼れる家族や友人への相談

頼れる家族や友人に相談することも、ワンオペ育児を乗り越えるうえで大切な手段です。
誰かに話を聞いてもらったり、少しの時間だけ子どもを見てもらったりするだけでも、心が軽くなるものです。
「迷惑かもしれない」と遠慮せずに、思い切って助けを求めてみましょう。
事前に相談しておけば、いざという時にも頼りやすくなります。
信頼できる人とのつながりが、育児の孤立感を和らげてくれますよ。

まとめ

ワンオペ育児は、心身への負担だけでなく、夫婦関係や子どもの成長にも影響を及ぼしかねない深刻な問題です。
けれど、ひとりで抱え込まず、少しずつ環境や考え方を見直すことで、その負担は軽くできます。
労働環境の見直しや夫婦の協力体制、外部サービスや身近な人への相談など、今できることから取り入れてみましょう。
完璧を目指すのではなく、自分と家族が心地よく過ごせる形を見つけていくことが何より大切です。
まずは、できそうなことから1つずつ取り入れてみてくださいね。

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