子どもがゲームに夢中になっている姿を見ると、「1日何時間までならよいのか」「勉強や睡眠に影響しないか」と不安を感じる保護者の方は多いのではないでしょうか。ゲームは友達とのコミュニケーションや息抜きになる一方で、長時間続けると生活リズムや学習時間に影響することもあります。
本記事では、子どもの1日の平均ゲーム時間や、ゲームが子どもにもたらすメリット・デメリットについて解説します。あわせて、親子で納得できるルールの作り方や、自発的にルールを守るための工夫も紹介します。ゲーム時間のルールを作る際の参考にしてください。
まずは小学生・中学生の1日の平均的なゲーム時間を見ていきましょう。
小学生のゲーム時間は、1日あたり30分〜2時間が目安です。
令和6年度全国学力・学習状況調査では、小学6年生のゲーム時間に関する以下のアンケート結果が公開されています。
【小学6年生の平日ゲーム時間の割合】
・1〜2時間未満:25.0%(最多のボリュームゾーン)
・2〜3時間未満:18.8%
・1時間より少ない:17.9%
・4時間以上:17.5%
・3〜4時間未満:12.5%
・全くしない:8.1%
平日は学校や宿題、習い事などがあるため、ゲームに使える時間が限られます。そのため、「平日は1時間まで」「宿題が終わってから30分〜1時間」など、生活リズムに合わせて時間を決めているケースが多いです。
一方で、休日は平日より自由に使える時間が増えるため、ゲーム時間が長くなりやすい傾向があります。
ゲームによるメリット・デメリットを後述していますので、悪影響にならない程度の時間にできるよう意識してみましょう。
中学生のゲーム時間は、小学生よりも長くなりやすく、1日あたり1〜3時間を目安に考えましょう。
小学生同様、令和6年度全国学力・学習状況調査にて、中学3年生のゲーム時間に関する以下のアンケート結果が公開されています。
【中学3年生の平日ゲーム時間の割合】
1〜2時間未満:21.5%(最多のボリュームゾーン)
2〜3時間未満:19.8%
1時間より少ない:17.9%
4時間以上:16.4%
3〜4時間未満:12.3%
全くしない:11.4%
部活動や塾、家庭学習などで平日の自由時間が限られますが、中学生になるとスマートフォンを持つ子どもが増えるため、すき間時間などにゲームをする機会が増えます。
また、中学生になるとオンラインゲームや友達との協力プレイなどがあり、やめるタイミングが難しくなることがあります。
平日は1〜2時間以内におさめ、寝る1時間前には終えるなど、勉強や睡眠に影響しない範囲で調整しましょう。

遊び方や時間を工夫することで、ゲームはコミュニケーションや学び、気分転換のきっかけになることもあります。ここからは、ゲームが子どもにもたらすメリットを解説します。
ゲームは子ども同士や親子のコミュニケーションツールになります。オンラインゲームや協力プレイでは、一緒に遊ぶ中で、自然と会話が生まれます。
学校や習い事で同じゲームの話題が会話のきっかけになることもあるでしょう。ゲームを通して共通の話題ができることで、普段あまり話さない相手とも関わる機会が増えます。
また、親子で一緒にゲームを楽しむことで、子どもの好きなものを知るきっかけになります。楽しんでいるポイントを聞いてみると、普段の会話では見えにくい子どもの興味や考え方に気付くかもしれません。
ただし、オンライン上では知らない人とつながる可能性もあります。チャット機能やフレンド機能を使う場合は、事前に家庭でルールを決め、安全に遊べる環境を整えておくことが大切です。
ゲームによっては、遊びながら知識や考える力を育てられるものがあります。例えば、パズルゲームでは先を読む力、シミュレーションゲームでは計画を立てる力、クイズ形式のゲームでは知識を増やすきっかけになります。
最近では、英語や計算、プログラミングなどをゲーム感覚で学べる教材やアプリも増えています。「勉強」として取り組むと苦手意識が出やすくても、「ゲーム」として取り組むと楽しみながら学習できる子どもはたくさんいます。
また、ゲームを通して「もっと知りたい」という気持ちが生まれることもあります。歴史や生き物、乗り物、スポーツなどをテーマにしたゲームであれば、図鑑や本、動画などに興味が広がることもあるでしょう。
もちろん、ゲームだけで学習が完結するわけではありませんが、遊ぶ中で得た興味を、家庭学習や習い事、読書などにつなげていくことで、学びの幅を広げることができます。
疲れているときは、ゲームで遊ぶことがストレスの発散になります。上手くいったという達成感や、少しずつ上達していく感覚が、前向きな気持ちにつながることもあります。
このように、ゲームにはメリットがたくさんあります。外遊びや運動、読書、家族との会話などと同様に楽しめると良いですね。ただし、ゲームにはデメリットもありますので、続けて見ていきましょう。
ゲームは楽しみの一つですが、長時間続けると心身や生活習慣に影響することがあります。ここでは、長時間のゲームが与えるデメリットと悪影響を解説します。
長時間ゲームを続けることで目に負担がかかり、視力低下につながる可能性があります。特に、携帯型ゲーム機やスマートフォンなどは、画面との距離が近いため注意が必要です。夢中になっているうちに姿勢が前のめりになり、目を酷使してしまうこともあります。
視力への影響を抑えるには、途中で休憩を入れることが大切です。「30分遊んだら一度画面から目を離す」「明るい場所で遊ぶ」「寝る前のゲームは控える」など、家庭でルールを作っておきましょう。
また、目の疲れを感じている様子がある場合は、早めに休ませることも必要です。目をこする、まぶしそうにするなどの変化があれば、ゲーム環境を見直しましょう。
ゲーム時間が長くなると、寝る時間や起きる時間が不規則になり、生活リズムが乱れます。特に夜遅くまでゲームをしていると、睡眠時間が短くなったり、寝つきが悪くなったりすることがあります。
睡眠不足は、日中の集中力にも影響します。学校で眠くなったり、授業に集中しにくくなったりする場合もあります。
特に、オンラインゲームでは「あと少しで終わる」「友達と約束している」などの理由で、やめるタイミングを逃してしまうことがあります。「寝る1時間前にはゲームを終える」「夕食後は30分まで」など、終了時間や声かけのタイミングをしっかりと決めておきましょう。
ゲームに使う時間が長くなることで、宿題や家庭学習に取り組む時間が減ってしまうことがあります。特に、学校から帰宅した後は時間が限られており、ゲームを始めてしまうと勉強や翌日の準備が後回しになりやすくなります。
すぐに成績へ影響が出るとは限りませんが、勉強の習慣が崩れる可能性があります。学習時間が確保できているかを確認し、生活全体のバランスを見ながらゲーム時間を調整していきましょう。

ゲームのルールは、親子で話し合って決めることが大切です。次に、親子で納得できるゲームルールの作り方を紹介します。
ゲームのルールを作るときは、まず遊んでよい場所と時間を決めておきましょう。例えば、「ゲームはリビングでする」「平日は宿題が終わってから30分まで」「休日は午前と午後に分けて遊ぶ」など、具体的に決めておくことがおすすめです。
また、オンラインゲームは友達との約束があると途中でやめにくいことがあります。そのため、遊ぶ前に終了時間を共有しておくことで、トラブルを防げます。
一方で、ルールを細かく設定しすぎると、親子ともに負担になることがあります。まずは「場所」「時間」「終わるタイミング」を中心に決め、必要に応じて少しずつ見直していきましょう。
ゲームのルールは、毎日同じ内容に固定しすぎず、ある程度の柔軟性を持たせることも大切です。平日と休日、学校がある日と長期休みでは、使える時間や生活の流れが異なるためです。
例えば、平日は短めに設定し、休日は少し長めにする方法があります。「宿題と明日の準備が終わったら10分追加」「習い事や家庭学習を頑張った日は週末に少し長く遊べる」など、子どもが前向きに行動できる仕組みにするのもおすすめです。
ただし、ご褒美として時間を追加する場合、その場の気分で決めないことが大切です。「何をしたら、どのくらい追加できるのか」をあらかじめ決めておきましょう。
一方で、ゲーム時間を増やすことだけがご褒美になると、ゲームへの意識が強くなりすぎる場合があります。外遊びや、好きな本を買う、家族で出かけるなど、ゲーム以外の楽しみも組み合わせながら、バランスよく取り入れていきましょう。
ゲームのルールは、保護者が一方的に決めるのではなく、子どもと話し合いながら決めることが大切です。理由を伝えずに、「1日30分だけ」「これ以上はだめ」と決めてしまうと、子どもが納得できず、隠れて遊んだり反発したりすることがあります。
まずは、子どもがどのぐらいゲームで遊びたいのかを聞いてみましょう。そのうえで、保護者からも「寝る時間が遅くなるのは心配」「宿題の時間を確保したい」など、ルールを作る理由を伝えます。
例えば、以下のようなイメージです。
・子ども:楽しいから帰ってからたくさん(2時間以上)遊びたい!
・親:帰宅後は時間が限られるため平日は1日1時間
上記であれば、休日は時間の制限が少ないため「平日は1時間までにする代わりに、休日は予定がなければ少し長めにする」といった、双方が受け入れられる落としどころを見つけられます。自分で決めたルールであれば、守ろうとする意識を持ちやすくなります。大切なのは、保護者の考えを押しつけるのではなく、子どもが納得できる形を一緒に探すことです。
ゲームのルールを作るときは、違反したときの対応も一緒に決めておきましょう。ペナルティを決めておくことで、その場の感情で叱りすぎたり、親子げんかになったりするのを防げます。
例えば、「時間が過ぎたら翌日のゲーム時間を10分短くする」「何度も約束を破った場合は、週末までゲームを禁止する」など、子どもが理解できる内容にすることが大切です。ペナルティは厳しすぎるものではなく、ルールを守る意識につながる程度にしましょう。
また、ルール違反があったときは、なぜ守れなかったのかを一緒に確認することも必要です。オンラインゲームで途中退出しにくかったのか、終了時間を忘れていたのか、宿題の前に遊び始めてしまったのか、理由によって見直すポイントが異なります。確認した理由に応じて、時間設定や声かけのタイミングを調整していきましょう。
ゲームのルールは、子どもが守りやすい環境を整えることも大切です。最後に、子どもが自発的にルールを守る工夫を紹介します。
子どもがルールを守りやすくするために、ゲーム機をリビングなどの共有スペースに置く方法があります。保護者の目が届く場所に置くことで、時間や遊んでいる内容を把握しやすくなります。「そろそろ終わりの時間だよ」「次の区切りで終わろうね」と伝えやすく、親子でゲームの状況を共有しやすい点もメリットです。
また、ゲーム機の充電場所をリビングにするのも一つの方法です。使わない時間はリビングに戻す流れを作っておくことで、夜遅くまで遊ぶことを防げます。家庭の生活リズムに合わせて、管理しやすい置き場所を決めましょう。
「時間通りに終わった」「宿題を済ませてから遊べた」「約束した場所でゲームができた」など、子どもがルールを守れた日は、しっかり認めることが大切です。反対に、守れなかったときだけ注意していると、ゲームのルールが「怒られないための約束」になってしまうことがあります。
毎回大げさに褒める必要はなく、「ちゃんと時間内に終われたね」「約束を覚えていたね」などと伝えるだけで十分です。自分で時間を意識できた場面を見逃さず、日々の声かけの中で褒めることを習慣にしていきましょう。
子どものゲーム時間は、年齢や生活リズムによって適切な長さが異なります。ゲームには、友達とのコミュニケーションや学び、気分転換につながる面もありますが、長時間続けると視力や睡眠、学習時間に影響することもあります。
大切なのは、ゲームを一方的に禁止するのではなく、家庭に合ったルールを親子で決めることです。遊んでよい場所や時間、守れなかったときの対応をあらかじめ話し合い、親子ともに納得したうえでルールを決めましょう。
本記事では、子どもの平均的なゲーム時間や、ゲームがもたらすメリット・デメリット、親子で納得できるルールの作り方について解説しました。無理なくゲームと付き合える環境を整えていきましょう。