子どもの運動習慣づくり!適切な運動時間と心身へのメリット

子どもの運動習慣づくり!適切な運動時間と心身へのメリット

外で遊ぶ時間が減りがちな今、子どもの運動不足が気になっている親御さんは増えています。運動は体力面だけでなく、意欲や気持ちの安定にもつながる大切な習慣です。ただ、どのくらい運動すればよいのか、日常の中でどう取り入れればよいのか迷う場合もあるでしょう。

本記事では、運動が子どもにもたらすメリットや年齢別の適切な運動時間、無理なく続ける工夫について解説します。あわせて運動が苦手な子どもへのサポートも紹介しますので、子どもに合った運動習慣を考える際の参考にしてみてください。

運動が子どもにもたらす6つのメリット

子どもの運動習慣は単に体力を高めるだけでなく、心や社会性、生活習慣の形成にも関わっています。
文部科学省が公開している「幼児期運動指針」にも、「幼児期における運動の意義」として5つの項目が紹介されています。

上記を含め、運動が子どもにもたらす6つのメリットを紹介します。

体力・運動能力の向上

日常的に体を動かすことは、体力・運動能力の向上につながります。走る、跳ぶ、投げるといった基本的な動きを繰り返す中で、筋力や持久力、バランス感覚などが育ちます。

特に、幼児期は様々な動きを経験しながら体の使い方を覚えることが大切です。ボール遊びや縄跳び、遊具を使った遊びなど多様な動きに触れることで、敏捷性や瞬発力が育まれていきます。運動能力の土台が身につくことで、体育の授業やスポーツに積極的に取り組めるようになり、「体を動かすのが楽しい」という感覚にもつながっていくのです。

健康的な体の育成

健康的な体を育成するためにも、運動は欠かせません。幼児期の適切な運動が、丈夫でバランスの取れた体を育成し、身体の発達を促します。肥満や痩身を防ぐ効果もあり、健康的な生活習慣の形成にも関わります。

また、生活リズムを整える働きも運動がもたらすメリットの一つです。日中にしっかり体を動かして適度に疲れることで、夜の寝つきが良くなります。その結果、朝すっきり目覚められるようになり、食事や活動の時間にも一定のリズムが生まれます。こうした生活リズムは、幼児期の健康だけでなく、将来の健やかな生活習慣にも関わっていくでしょう。

何事にも取り組む意欲の育成

運動することは、子どもの意欲を育てるきっかけになります。体を動かす中で、できなかったことが少しずつできるようになる経験が自信へとつながっていくからです。小さな達成感を重ねることで、「またやってみよう」「次はもっと頑張りたい」という意欲が育まれていきます。

例えば、跳べなかった縄跳びが跳べるようになったり、競争で速く走れるようになったりすると、前向きな気持ちが生まれます。こうした意欲の向上は運動だけに留まらず、勉強や生活の中で新しいことに向き合う場面でも、挑戦しようとする姿勢を支える力になっていきます。

協調性を育む社会適応力の発達

体を動かす遊びやスポーツには、協調性を育み、社会適応力の発達を促す面もあります。鬼ごっこや球技、チームでの練習などを通して、相手に合わせることや順番を守ること、自分の役割を意識することを学んでいきます。こうした経験の積み重ねが、人と関わる力の土台になっていきます。

特に集団で行う運動では、自分の思い通りに進まない場面も少なくありません。友だちと声をかけ合ったり、相手の動きを見て行動したりする中で、協調性が育まれます。うまくいかなかったときや負けたときの経験も、気持ちの切り替え方を学ぶきっかけになるでしょう。こうして身についた社会適応力は、学校生活や友人関係の中でも生かされていくのです。

思考力や判断力を養う認知的能力の発達

運動には、思考力や判断力を育てる面もあります。次にどう動くかを考えたり、相手や周囲の動きを見て行動を変えたりする経験が、状況を読む力やその場に応じて判断する力を育て、認知的能力の発達につながります。

また、運動は「集中力」を鍛えるとも考えられています。外遊びや運動でリフレッシュした後は気持ちがうまく切り替わり、その後の活動に落ち着いて取り組めるようになります。このように、体を動かす習慣が、学びへの集中力を整えるという見方も広がっているのです。

ストレスの解消

子どもも様々なストレスを抱えて生活しています。友達関係の悩み、気持ちをうまく言葉にできない葛藤など、大人が思う以上に心に負荷がかかっていることが少なくありません。そうしたとき、体を動かすことが気分の切り替えやストレス解消のきっかけになります。

運動によって気分を高めるホルモンの分泌が促されると、緊張状態がやわらぐと言われています。思いきり走ったり、夢中になって遊んだりした後に、なんとなく気持ちが軽くなることもあるでしょう。運動の習慣を取り入れることは、心の健康を支えるうえでも大切なのです。

年齢別に見る1日の適切な運動時間

年齢別に見る1日の適切な運動時間

子どもの運動時間は多ければよいというものではなく、年齢別の目安を意識することが大切です。ここでは、年齢別に見る1日の適切な運動時間を紹介します。

幼児期の目安

文部科学省の「幼児期運動指針」によると、幼児期は様々な遊びを通じて毎日合計60分以上体を動かすことが推奨されています。ここでいう60分とは、まとまった時間を確保するという意味ではなく、1日の中で少しずつ積み重ねていくイメージです。

例えば、午前中に公園で20分ほど走り回り、お昼ごろに室内でリズム遊びを10分、夕方に散歩で30分歩くといった形でも十分です。大切なのは、特定のスポーツに取り組むことよりも走る・跳ぶ・くぐる・登るといった多様な動きを経験することです。鬼ごっこや遊具遊び、ダンスなど体を動かす時間を取り入れていくことが、この時期の運動習慣づくりにつながります。

小学校低学年の目安

小学校低学年では、1日60分以上の運動が推奨されています。幼児期と運動時間の目安は同じですが、低学年では通学で歩く時間、休み時間の外遊び、体育の授業、放課後の遊びなど、学校生活の中で体を動かす機会が増えていきます。これらを積み重ねれば、特別な運動をしなくても自然と1日の目安に近づきます。

ただ、この時期はまだ楽しさを感じながら動くほうが続きやすい傾向があります。放課後に公園で友だちと遊ぶ、家族で縄跳びをする、近所を散歩するといったように、遊びや日常生活の延長で体を動かせる環境を整えていくことが、運動習慣を根づかせるポイントになります。

小学校高学年の目安

小学校高学年でも基本は1日60分以上の運動が推奨されていますが、低学年に比べて意識すべき点が変わります。勉強や習い事が増えるほか、ゲームや動画視聴などに使う時間も増えるためです。放課後にほとんど体を動かしていないというケースも少なくありません。そのため、通学や体育の時間だけに頼るのではなく、外遊びやスポーツ、家での軽い運動を含めた1日の活動量を考えることが大切です。厚生労働省のガイドラインでは、運動量の確保とあわせて、座りすぎやスクリーンタイムに気をつけることが勧められています。

また、高学年では運動の「量」だけでなく「質」にも目を向けたいところです。厚生労働省は、高強度の有酸素運動や筋肉・骨を強化する身体活動を週3日以上取り入れることを推奨しています。縄跳びや鬼ごっこ、ジャンプを含む遊び、全身を使うスポーツなどを60分の中に組み込むことで、よりバランスよく運動能力の向上を図れるでしょう。

日常で無理なく運動量を増やす工夫

日常で無理なく運動量を増やす工夫

子どもの運動量を増やすためには、日常生活の中で体を動かす場面を増やすことが大切です。ここからは、日常で無理なく運動量を増やす工夫を紹介します。

徒歩での移動

日常で無理なく運動量を増やしたいときは、移動手段の見直しも一つの方法です。自転車や車での移動を徒歩に変えることで、運動のきっかけをつくることができます。

道ばたの花や虫を見つけたり、少し遠回りして探検したりすると、楽しみながら歩けます。また、階段を昇り降りする、少し早歩きをしてみるといった行動も、日常で取り入れられる工夫です。まずは近くの公園や買い物に徒歩で行くことから取り入れてみると良いでしょう。

公園での外遊び

子どもの運動量を増やす方法として、公園での外遊びもおすすめです。公園では、走る、跳ぶ、登る、ぶら下がるといった様々な動きを取り入れられます。

遊具で遊ぶことで全身を使いますし、鬼ごっこやボール遊び、かけっこなどを取り入れれば、さらに運動量を増やせます。運動が得意な子どもだけでなく、苦手な子どもにとっても、遊びの延長で運動できる点が外遊びの良さです。放課後や休日に公園で遊ぶ時間を意識的に取り入れてみましょう。

自宅での室内遊び

雨の日や暑い日など、外遊びが難しい日は、自宅での室内遊びを活用して体を動かす時間をつくりましょう。

例えば自宅でできる室内遊びには、以下のようなものがあります。

・音楽に合わせて踊る

・風船を床に落とさないように打ち合う

・布団やクッションを並べて跨ぐ、くぐる、登る

・動物になりきって歩く、ジャンプする

・手押し車で廊下を歩く

・親子で簡単な体操やストレッチをする

このような室内遊びを取り入れて、外に出られない日でも体を動かす機会をつくりましょう。

運動が苦手な子どもへの親のサポート

運動が苦手な子どもには、体を動かすことへの苦手意識をやわらげる関わり方が大切です。最後に、運動が苦手な子どもへの親のサポートを見ていきましょう。

遊びを取り入れる

運動が苦手な子どもには、遊びを取り入れて体を動かす時間を増やすのが効果的です。遊びの延長であれば取り組みやすく、楽しみながら体を動かせます。いきなり難しいことを求めるのではなく、できることを少しずつ増やす関わりを意識しましょう。

例えば、鬼ごっこや風船遊び、だるまさんがころんだ、音楽に合わせたダンスなど、勝ち負けや上手さを意識せずに楽しめる遊びがおすすめです。走る、止まる、跳ぶ、よけるといった動きを取り入れることで、体を動かすことへの抵抗感をやわらげることができます。「たくさん動けたか」よりも、まずは「楽しかった」「またやりたい」と感じられることを大事にし、次の運動への意欲につなげましょう。

親も一緒に動く

子どもが運動に前向きになれないときは、親も一緒に体を動かしてみましょう。大人がそばで楽しそうに関わることで、運動へのハードルが下がります。一人では気が進まない場合でも、親子で一緒に取り組む時間なら運動を受け入れられる子どもも少なくありません。

また、親が結果ではなく過程を見てくれることも、子どもの安心感につながります。「今日はチャレンジしたね」「少し動けたね」といった声かけをして、子どもの前向きな気持ちを引き出すのも有効です。まずは親子で一緒に楽しむ時間として運動を取り入れてみてください。

他の子どもと比較しない

運動が苦手な子どもをサポートする際は、他の子どもと比較してはいけません。周囲と比べられることで「どうせできない」と自信をなくすと、ますます運動から遠ざかってしまいます。子どものペースを尊重し、段階を踏みながらできることを増やしていくことが大切です。

大事なのは、「昨日より長く歩けた」「前より楽しそうに参加できた」「少しだけ動きが増えた」など、その子なりの変化に目を向けることです。小さな成長を認めることで、安心して次の挑戦に向かえるようになります。子どものペースを大切にしながら、無理のない運動習慣につなげましょう。

まとめ

子どもの運動習慣は、体力や運動能力の向上だけでなく、健康的な体づくりや意欲の育成、協調性、思考力や判断力の発達、ストレスの解消など、心身のさまざまな成長につながります。どの年代でも体を動かすことは大切ですが、年齢によって意識したいポイントが異なるため、年齢に合わせた運動時間を確保することが大切です。

また、子どもの運動量を増やすためには、日常生活の中で体を動かす場面を意識して取り入れましょう。運動が苦手な子どもの場合は、無理に頑張らせるのではなく、遊びを取り入れたり、親も一緒に体を動かしたりしながら、その子のペースに合わせて関わることを意識してください。

本記事では、運動が子どもにもたらすメリットや年齢別の適切な運動時間、日常で無理なく運動量を増やす工夫、運動が苦手な子どもへの親のサポートについて解説しました。子どもの運動習慣づくりを考える際の参考にしてみてください。

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