子育て中の不眠症を解消!眠れない主な原因と対策

子育て中の不眠症を解消!眠れない主な原因と対策

「子どもの世話で体は疲れているのに、布団に入ると眠れない」と悩んでいませんか。

子育て中は、授乳や夜泣きで睡眠が中断されやすく、体が休まりにくい生活になりがちです。さらに、体を活動状態にする交感神経が働きやすくなるため、疲れていても寝つきにくい状態が続くことがあります。まずは眠れない原因を知り、自分や家庭の状況に合った対策を選ぶことが大切です。

この記事では、子育て中に不眠になる主な原因と、家庭で取り入れやすい対策を紹介します。体と心の負担を減らし、子どもと笑顔で関われるヒントになれば幸いです。

親が不眠症になる主な原因

子育て中の親は、生活リズムの乱れや育児のストレスなど、様々な理由から眠りにくくなることがあります。まずは、特に多く見られる原因を4つ紹介します。

夜泣きや授乳による細切れ睡眠

子どもが小さいうちは、夜泣きや授乳、おむつ替えなどで何度も起きることが多く、睡眠が細切れになりやすいです。そのため、十分な休息時間を確保しにくくなります。

人の睡眠は「レム睡眠」と呼ばれる浅い睡眠と、「ノンレム睡眠」と呼ばれる深い睡眠を約90分~120分周期で繰り返しています。このリズムが整うことで、体や脳の疲労が回復します。

しかし、数時間おきに起きる生活が続くと、この睡眠リズムが途切れてしまいます。たとえ合計の睡眠時間が6時間ほどあったとしても、質の高い睡眠が取れていない状態になることがあります。その結果疲れが抜けにくくなり、自律神経のバランスも崩れやすくなります。

育児のプレッシャーやストレス

育児のプレッシャーやストレスも、不眠の大きな原因の一つです。不安や緊張が続くと、体を活動状態にする交感神経が優位になり、リラックスしにくくなります。

交感神経は自律神経の一部で、体を動かすときや緊張しているときに働く神経です。体にとって必要な働きですが、夜になっても活発な状態が続くと眠りにくくなります。

特に、小さな赤ちゃんを育てている家庭では、SIDS(乳幼児突然死症候群)のような病気や、室温の管理など日常に必要な気配りの多さで、不安を感じることも多いのではないでしょうか。特に初めての子育てでは、「子どもとの上手な関わり方」など、わからないことも多く、悩んでしまう親も大勢います。

こうした心配が重なると、布団に入っても頭が休まらず、寝つきが悪くなることがあります。精神的な負担が続くことで、慢性的な不眠につながる場合もあります。

※SIDS(乳幼児突然死症候群):健康だった赤ちゃんが睡眠中に突然亡くなってしまう原因不明の病気

産後のホルモンバランスの変化

女性の場合は、産後のホルモンバランスの変化も睡眠に大きく影響します。出産後は、妊娠中に多く分泌されていたエストロゲン(卵胞ホルモン)と、プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量が大きく減少します。プロゲステロンには眠りを助ける働きがあるとされており、このホルモンが減ることで眠りが浅くなることがあります。

育児の疲れやプレッシャーに加えて、体の内部で起こる変化も重なるため、産後は眠りにくさを感じやすい時期です。

自分時間を優先する深夜のスマホ操作

深夜にスマートフォンを操作する習慣も、不眠の原因になることがあります。スマートフォンなどのブルーライトを目で受けると、脳が昼間だと錯覚して「メラトニン」という睡眠ホルモンの分泌が減り、眠りにくくなる場合があります。

子どもが寝たあとに「ゆっくりメールの返信をしたい」「動画やSNSで息抜きをしたい」と感じる人も多いでしょう。ただし、眠れない状態が続いている場合は、寝る直前のスマートフォン操作を減らす工夫も大切です。

親の不眠が招く悪影響

親の不眠が招く悪影響

親の不眠は、体や心だけでなく、毎日の育児にも大きな影響を与えます。ここでは、不眠が与える主な影響を詳しく見ていきましょう。

イライラによる子どもへの影響

睡眠が足りないと、脳の中で感情を処理する扁桃体が過敏になります。扁桃体は不安や怒りなどの感情に関わる働きを持つ器官で、過敏になることで子どもの行動にも反応しやすくなり、イライラしてしまう場合があります。

また、子どもは親の姿をよく見ているため「今はイライラしていそう」などと感じ取ることも多いです。親のイライラが子どもにも伝わり、子どもの気持ちまで不安定になってしまう要因にもなりえます。

注意力低下による家庭内事故のリスク

睡眠不足が続くと、注意力や判断力が低下するため、家庭内事故のリスクが高まります。小さなものを片付け忘れたり、危険な物の置きっぱなしに気づきにくくなったりすることで、次のような事故につながる可能性があります。

  • 窒息: 寝具やぬいぐるみ、ビニール袋などで口や鼻をふさがれてしまう
  • 誤飲: 小さなおもちゃ、ボタン電池、薬などを誤って飲み込んでしまう
  • やけど: 熱い飲み物や調理器具に触れてやけどを負ってしまう
  • 溺水: 浴槽や洗面器、バケツなどにためた少量の水で溺れてしまう

子どもの安全を守るためにも、親自身が休息を取れる状態を整えることが大切です。

産後うつや自律神経失調症のリスク

睡眠が長期間不足すると、心身を回復させる働きが十分に機能しなくなるため、産後うつや自律神経失調症の発症リスクを高めます。

産後うつの発症率は約10%とされていますが、睡眠を確保できていない場合は、睡眠状態が良好な人と比べて3倍以上の発症リスクがあると言われています。

また、先述の自律神経の乱れにより、自律神経失調症のリスクも高まります。慢性的な寝不足は自律神経のバランスを崩し、頭痛やめまいなどの症状を引き起こす可能性があります。

「眠れない状態が続く」「気分の落ち込みが改善しない」などの症状が2週間以上続く場合は、早めに専門機関へ相談することが大切です。適切な支援を受けることで、心身の負担を軽減できます。

家庭でできる不眠症の対策方法

家庭でできる不眠症の対策方法

不眠症を改善するためには、生活環境を整えることが大切です。子育て中に十分な睡眠を確保するには、周囲の協力や日々の過ごし方の見直しが欠かせません。

ここからは、家庭で取り入れやすい対策を4つ紹介します。

パートナーとの夜間育児の分担

パートナーと夜間育児を分担することは、睡眠不足の改善にとても効果的です。分担により一人ひとりの負担を減らすことで、まとまった睡眠時間を確保しやすくなります。

例えば、夜から朝にかけての時間を分ける「交代制」を取り入れることも有効です。ミルク育児の場合は、夜間の授乳をパートナーに任せるだけでも負担は軽くなります。
完全母乳の場合でも、搾乳機を使って母乳を準備しておくことで、パートナーに対応をお願いできます。どちらか一人が無理をするのではなく、協力し合える体制を整えることが大切です。

子どもの昼寝に合わせた積極的な仮眠

子どもが昼寝をしている時間に、一緒に仮眠をとることもおすすめです。特に生後数か月は昼夜の区別がつきにくく、短い睡眠を繰り返すことが多い時期です。また、産後は母親の体への負担も大きいため、この時期は体を休めることを優先し、仮眠をとって体力を回復させることが大切です。

また、コンビ株式会社と広島大学の共同研究では、産後の昼寝習慣は産後うつ病の症状を軽減できる可能性があることが示されています。「家事をしたい」「息抜きをしたい」という気持ちもあるかもしれませんが、体調を優先し、疲れているときは休むようにしましょう。

寝る前のスマホ制限と寝室の環境づくり

寝る90分ほど前からは、スマートフォンやパソコンなどのデジタル機器の使用を控えることが望ましいとされています。睡眠を促すホルモンが分泌されやすくなり、眠りにつながりやすくなります。

「どうしても夜にスマートフォンを操作したい」という場合は、ブルーライトカットの機能やスリープモードの活用がおすすめです。多くの機器についている機能なので、操作方法を確認してみるとよいでしょう。

また、寝室の環境を見直すことも効果的です。できることから取り入れてみましょう。

▶睡眠環境の見直し例

  • 夜間は照明を落とし、暖色系で薄暗い照明を使う
  • 就寝中はなるべく照明を消す(目に入りにくい位置の間接照明や足元灯を活用も有効)
  • アロマなど、自分がリラックスできる香りを取り入れる
  • 子どもはベビーベッドに寝かせるなど、一人で寝られる環境を整える

一時預かりなど外部サービスの活用

「子どもがいると様子が気になって眠れない」という場合には、外部サービスを頼ることも一つの方法です。親が充分に休むことで体も回復し、子どもに落ち着いて接することができます。

ここでは、外部の託児サービスを3つ紹介します。

一時預かり

保育園や子育て支援施設などで、子どもを一時的に預けられるサービスです。仕事や通院、リフレッシュなど、預ける際の理由は様々です。自治体が実施する場合が多く、数時間から半日ほど利用できます。

ファミリーサポート

地域で子育てを助け合う会員制の支援サービスです。子どもを預けたい保護者と、預かりを手伝う支援会員を自治体や委託団体が仲介します。送迎や短時間の預かりなど、柔軟なサポートを受けられることが特徴です。

ベビーシッター

保護者の自宅などで、保育の専門スタッフが子どもの世話を行う民間サービスです。食事や遊び、寝かしつけなどを依頼でき、早朝や夜間など家庭の状況に合わせて利用できます。

まとめ

子育て中の不眠症は、夜泣きや授乳、産後のホルモンバランスの変化などの原因で起こります。睡眠不足が続くと、家庭内事故のリスクが高まったり、産後うつ病などの不調につながったりする可能性もあります。イライラして自己嫌悪に陥らないために、まずは「親が休むこと」を優先することが大切です。

対策としては、パートナーと夜間育児を分担し、まとまった睡眠を確保することが効果的です。子どもの昼寝に合わせて仮眠をとることも、日々の疲労回復に役立ちます。辛いと感じるときは、自治体の一時預かり事業など外部の支援を利用することも検討しましょう。

子育てにおいて、親の健康は非常に重要です。一人で抱え込まず、周囲の力を借りながら環境を整えていくことが大切です。

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