一生懸命足を動かしても、なかなか進めない子どもの様子を見て、どう声をかければいいのか悩んでいませんか。バタ足が進まない原因の多くは、水の抵抗を強くしてしまう「フォーム」に原因があります。太ももの付け根から動かすことで、少ない力でも前に進みやすくなります。
この記事では、スイミングスクールなどの指導現場でも使われているバタ足のポイントと、親子で取り組める練習方法を分かりやすく紹介します。体の使い方を少し意識するだけで、泳ぎは楽になるので、ぜひ練習のポイントを持ち帰ってください。
まずは、バタ足の基本となる3つのポイントを意識して、安定したフォームを目指しましょう。
バタ足は膝から下だけを動かすのではなく、足の付け根から動かす意識が大切です。太ももは体の中でも特に大きな筋肉のため、少ない力でもしっかり水を蹴ることができます。
お腹の下から足が伸びているようなイメージで動かすと、水の中で自然と前に進みやすくなり、無理に力を入れなくても楽に泳げるようになります。
足の上下の幅は、大まかに30cm〜40cm程度と言われています。
膝は曲げすぎず、自然に動かすようにしましょう。足の付け根から伝わった力が、太もも→膝→足首へと流れ、最後に足先がムチのようにしなる理想的な動きに繋がります。
膝を曲げすぎてしまうと、太ももの裏に水が当たり、前に進む力が弱くなってしまいます。逆に、全く曲げないと力が入り過ぎてしまうので、蹴り上げるときに膝が少し曲がり、蹴り下ろすと自然に伸びる動きを意識しましょう。一定のテンポでリズミカルに足を動かすこともポイントの一つです。
足首は力を抜き、足の甲の広い部分で水を後ろに押すように蹴りましょう。力が入って足首が直角のままだと水をうまく押せず、前に進みにくくなります。
つま先までまっすぐ伸ばし、足の甲で水を押し出すイメージを持つと良いでしょう。水面を叩くような「バチャバチャ」としたキックは体が沈みやすいため、注意しましょう。個人差はありますが「ボトンボトン」という音が出るようなキックが、正しいフォームの目安です。
また、両足の親指同士が軽く触れる程度に近づけて、つま先は少し内側に向けるようにするのがポイントです。軽く内股気味にキックをしながら水を押し出すことで、推進力のあるキックが可能になります。

「一生懸命に足を動かしているのに前に進まない」と悩む子どもは少なくありません。
水泳では水の抵抗を減らすフォームが大切ですが、自分でフォームを客観的に見ることが難しく、ブレーキをかけてしまうことがあります。まずは原因を知り、少しずつ泳ぎ方を直していきましょう。
膝を大きく曲げる自転車こぎの動きは、初心者の子どもによく見られるNG例です。膝を曲げすぎると、太ももやすねが水を正面から受けてしまうため、強い抵抗が生まれて進みにくくなったり、体が沈んだりする原因になります。
膝からキックをするのではなく、足の付け根から上下に動かすことを意識してみましょう。
足首に力が入り、直角のまま固まってしまう子どもも多く見られます。つま先が伸びていないと、足の甲で水を後ろに押すことができず、水を切るだけの動きになってしまいます。足首を柔らかくして、足の甲全体で水をとらえる意識を大切にしましょう。
足首が硬いと伸ばすことが難しくなるので、日頃からストレッチを取り入れることがおすすめです。足先を伸ばせるようになるだけで、進み方が大きく変わることもあります。
「速く泳ぎたい」という気持ちが強く、体に力が入りすぎているケースもあります。特に上半身に力が入ると下半身が沈みやすくなり、体が斜めになるため、水の抵抗が大きくなってしまいます。
まずは肩の力を抜き、体をまっすぐに伸ばす「けのび」の姿勢ができているかを確認します。指先から足の先までを一直線に伸ばし、体を長く、細くするような意識を持ちましょう。これにより「ストリームライン」と呼ばれる、水の抵抗の少ない姿勢に繋がります。「体をまっすぐにしようとすると、余計に力が入ってしまう」という場合は、上半身の力を抜くために、少し猫背になっても大丈夫です。
正しいフォームを理解していても、実際に体を動かすのは意外と難しいものです。水中での練習だけでなく、水から上がって感覚をつかむことも上達につながります。
ここでは、親子で楽しみながら取り組める練習方法を紹介します。
まずは自宅のソファーやベッドなどで、正しい足の動かし方を練習してみましょう。水の中では呼吸や水の抵抗が気になり、動きを意識しにくいですが、陸上では落ち着いて練習できます。
【練習の手順】
【見守りのポイント】
保護者の方は子どものつま先側に座ります。子どもが足を動かしたときの下側に手のひらを置き、子どもが足を動かすときに「ここまでつま先を下げる」という目安にすると、分かりやすくなります。
後ろから様子を見て、膝が大きく曲がっていないかを確認してあげてください。太もも全体を使う感覚がつかめると、水の中でも動きが安定してきます。
また、子どもに口頭で様子を伝えても、なかなか理解できないこともあります。大きな鏡があれば設置してフォームを見ながら練習する、スマートフォンなどで動画を撮影して子どもに見せる、といった練習方法がおすすめです。客観的に自分のフォームを見られることで、上達につながりやすくなりますよ。
プールでは壁やプールサイドを持ちながら練習します。体を支えられるため、足の動きに集中できることがメリットです。
【意識したいポイント】
はじめはお尻と足を浮かせて、体が浮く感覚をつかんでからバタ足に取り組みましょう。
足が水面から出すぎると空振りになり、深く沈むと水の抵抗が大きくなります。「水面のすぐ下で水をかき混ぜる」イメージを持つとよいでしょう。両手が前に押されるような感覚があると、上手にバタ足ができている証拠です。
【見守りのポイント】
横から見て、膝が沈みすぎていないか、腰が反りすぎていないかを確認してあげてください。もしお腹が沈んでしまう場合は、下からお腹を支えてあげると子どもも安心します。
フォームが安定してきたら、ビート板を使って前に進む練習をしてみましょう。体が浮きやすいため姿勢を保ちやすく、呼吸の練習にも向いています。ただし、ビート板はあくまでも体を浮かす補助のため、自分で体を浮かせる意識も忘れないようにしましょう。
【練習のポイント】
ビート板を使用するときは、頭を上げすぎると下半身が沈みやすくなるため、息継ぎ以外のときは頭が少し水面に出るくらいを目安にしましょう。耳を腕の間に挟むようにすると、分かりやすいです。息を止めたままだと力が入りやすいので、鼻から息を出し、苦しくなってきたら口から吸うようにします。
また、息継ぎのときは足を止めずに強めにキックすることで、体が安定して楽に呼吸ができるようになります。

本格的に泳ぎを上達させたい場合は、スイミングスクールに通うことがオススメです。プロの指導を受けることで上達が早くなるだけでなく、体や心の成長も期待できます。
最後に、スイミングスクールに通うメリットを紹介します。
スイミングスクールでは、経験豊富なコーチから指導を受けられることが大きなメリットです。自己流の泳ぎでは癖がつきやすく、後から直すのが難しくなります。コーチは体の使い方や呼吸のタイミングなどを見て、どの部分でつまずいているのか、どのような練習をすれば良いのかを教えてくれます。
泳ぎの基礎であるバタ足が身につくと、他の泳ぎ方を学ぶときにも役立つでしょう。
スイミングスクールでは、段階ごとのカリキュラムや進級テストが用意されていることが一般的です。「次の級に合格したい」という気持ちが、練習への意欲を高めてくれます。合格したときにもらえるワッペンや認定証で、がんばった成果が目に見えることで、自信につながる子どもも多くいます。
もし不合格だった場合でも「次は合格したい」「もっとがんばろう」と、諦めずに努力する気持ちが育ちます。水泳の技術だけでなく、精神的な成長も期待できるでしょう。
バタ足は水泳の基本になる動きのため、正しいフォームを身につけることが上達につながります。初心者の子どもは膝を曲げすぎていたり、体に力が入りすぎていたりして進みにくい状態であることが多いです。まずは自宅やプールサイドなどでフォームを確認し、ビート板を使って水の中の姿勢に慣れるところから始めてみましょう。
「上手にできない」と焦ることもあるかもしれませんが、記事で取り上げたポイントを参考に練習をしてみましょう。子どもと一緒に楽しみながら練習を続け、少しでも成長を感じられたら、たくさん褒めてあげてくださいね。