保育園や学童の利用申し込みを進める中で、多くの保護者が戸惑いやすい書類の一つが「就労証明書」です。勤務先に依頼する必要があったり、記載内容が細かかったりと、初めて対応する場合は不安に感じることも少なくありません。
本記事では、就労証明書の基礎知識・雇用形態別の記入方法・記入時の注意点・提出までのスケジュールとトラブル対策を解説します。就労証明書を用意する必要がある方はぜひ参考にしてください。
まずは就労証明書がどのような場面で使われているのかを確認しましょう。
保育園・認定こども園の入園申し込みでは、就労証明書が重要な判断資料になります。就労証明書は保護者が就労しており、家庭で十分な保育ができない状況にあることを客観的に示す書類です。保育園・認定こども園は、家庭の代わりに子どもを預かる施設であるため、「なぜ保育が必要なのか」を確認する目的で就労証明書の提出を求められます。
特に、認可保育園への入園審査では、自治体が就労証明書の内容を基に保育の必要性を判断し、利用調整や選考を行います。就労証明書を提出することで、保護者が継続的に働いている状況が明確になり、入園の可否が決定されます。
また、就労証明書は入園後も必要になることがあります。転職や勤務先の変更があった場合や、年度ごとの利用継続手続きの際に改めて提出を求められる場合も多いです。毎年の提出を義務づけている自治体も多く、提出時期や必要書類について事前に確認しておくと安心です。
学童保育とは、主に小学校低学年の子どもを放課後や長期休暇中に預かる施設です。共働き家庭や日中仕事で家を空ける時間が長い家庭にとって、放課後の居場所として重要な役割を担っています。
学童保育を利用する際にも、就労証明書の提出が求められるのが一般的です。保護者が放課後に子どもを家庭で見ることが難しい状況にあるかどうかを確認するためです。就労時間や勤務日数などの記載内容を基に、利用の必要性や利用可能な時間帯が判断されます。特に、長期休暇中の利用や延長保育の可否については、就労状況が重要視される傾向があります。
近年、行政手続きのデジタル化に伴い、就労証明書の作成や提出にかかる負担を軽減しようとする動きが進んでいます。
これまで、就労証明書は市区町村ごとに様式や記載項目が異なり、紙での提出や押印が求められる場合が多く見られました。特に、従業員数や拠点数の多い企業では複数の自治体様式に対応する必要があり、書類作成に多くの時間と手間がかかっていました。
こうした課題を背景に、現在はマイナポータルを通じて全国共通の標準様式を取得できるようになっています。
▶︎ 就労証明書作成コーナー(マイナポータル)
https://app.oss.myna.go.jp/Application/wrkCert/search
また、マイナンバー制度を活用した行政手続きの一環として、マイナポータルを利用したオンライン申請に対応する自治体もあります。ただし、就労証明書そのものにマイナンバーを記載したり、マイナンバー情報が自動で連携されたりするわけではありません。あくまで、申請者がマイナンバーカードを用いて本人確認を行い、作成した就労証明書を添付書類として提出する仕組みです。
様式の統一や電子申請の導入により、作成や提出の手間は軽減されつつありますが、依然として独自様式や紙提出を求める自治体もあるため、実際の申請時には提出方法を事前に確認することが重要です。今後も電子化の動きは進むと考えられるため、就労証明書を用意する際は最新の情報を把握しておきましょう。

就労証明書を誰が記入するかは雇用形態によって異なります。ここでは、雇用形態別に就労証明書の入手と記入依頼の方法を解説します。
会社員・パート、アルバイトとして企業に勤めている場合は、自治体が指定する就労証明書を用意し、勤務先に記入を依頼するのが基本です。様式は市区町村の窓口で受け取るほか、自治体の公式サイトからダウンロードできます。
入手した就労証明書は、勤務先の人事・総務・労務担当者などに記入を依頼します。就労証明書は本人ではなく第三者である勤務先が記載することで、客観的な就労状況を証明する書類となります。社内で依頼方法が決まっている場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。
派遣社員の場合も、使用する就労証明書は自治体指定の様式が基本となります。自治体の公式サイトなどから入手し、派遣元の会社へ記入を依頼します。実際の勤務先(派遣されている企業)ではなく、雇用契約を結んでいる派遣元が作成する点に注意が必要です。
また、自治体によっては就業場所や勤務時間といった補足説明を求められる場合もあります。記載内容に不安がある場合は、派遣元へ早めに相談しましょう。
自営業・フリーランスの場合は、自治体指定の様式を入手し、自分で作成します。記載内容には事業内容、就労日数、就労時間などが含まれ、実態に即した正確な記入が求められます。自治体によっては、就労証明書に加えて、開業届や確定申告書の写し、取引先との契約書などの提出を求められることもあります。
また、複数の仕事を掛け持ちしている場合や、就労時間が不規則な場合にも就労状況を補足する書類の提出が必要になることがあります。必要書類や様式は自治体ごとに異なるため、事前に確認して準備を進めることが大切です。
就労証明書は、記入内容によって保育の必要性を示す重要な書類です。記載ミスや認識違いを防ぐために、就労証明書の書き方で注意したいポイントを解説します。
多くの自治体では、日数と時間の情報を基に保育の必要性を判断し、入園選考や利用調整の際の点数に反映しています。
実態より就労日数と時間が少なく記録されてしまうと、本来の就労状況が正しく伝わらず、不利に働く可能性があります。一方で、実際より多く記載することは認められません。シフト制や変則勤務の場合は、平均的な勤務時間や日数がどのように扱われるのかを確認したうえで、実態に合った内容を記入してもらうことが大切です。
また、在宅勤務や時短勤務の場合も、勤務時間の考え方が自治体ごとに異なることがあります。迷った場合は、事前に自治体へ確認しておくと安心です。
就労証明書に記載された内容と直近3ヶ月の勤務実績が一致しているかを確認される場合があります。給与明細・勤務表・シフト表などと大きな差があると、追加確認や再提出を求められることもあります。
また、不規則な勤務や繁忙期・閑散期で勤務時間に差がある場合は、実際の働き方が分かるよう平均値や補足資料で対応できるかを検討することが大切です。不明な点はすぐに自治体に問い合わせるようにしましょう。
就労証明書の記載内容を訂正する際のルールは、自治体によって異なります。訂正印を押して修正する場合もあれば、修正テープや修正液の使用が認められていない場合もあります。
特に、勤務先が記入した書類に本人が勝手に修正を加えることは避けてください。記載ミスが見つかった場合は、記入した担当者に連絡し、正しい方法で訂正してもらいましょう。

就労証明書は依頼してから手元に届くまでに一定の時間がかかる書類です。準備が遅れると提出期限に間に合わなかったり、想定外のトラブルが発生したりすることもあります。ここでは、スケジュールの目安と、よくあるトラブルへの対策を確認しておきましょう。
就労証明書の発行にかかる期間は、勤務先や雇用形態によって異なりますが、一般的には1週間〜2週間程度を見込んでおくと安心です。企業によっては担当部署が限られていたり、本社一括対応になっていたりするため、さらに時間がかかることもあります。
特に、年度切り替え前後や申し込みが集中する時期は、企業側の対応が遅れがちです。提出期限から逆算し、余裕をもったスケジュールで動くことがトラブルを防ぐポイントになります。
勤務先に依頼しても、なかなか対応してもらえない場合も少なくありません。提出期限があることを改めて伝え、いつ頃完成するかを確認しましょう。
また、間に合わない可能性がある場合は、早めに自治体へ相談することが大切です。就労証明書の提出が間に合わない場合に「後日提出」や「仮受付」といった対応をとる自治体もあります。無申告で期限を過ぎてしまう前に、柔軟な対応が受けられるかどうか事前に自治体に相談しましょう。
就労証明書は原則として申請時点の就労状況を基に記載します。そのため、転職や退職が決まっていても、申請時点で働いている勤務先の情報を記載することになります。
一方で、自治体によっては、今後の就労予定について記載する欄が設けられている場合もあります。転職予定日や新しい勤務先などを求められたら、正確に記入しましょう。状況によっては内定通知書や雇用契約書など、補足書類の提出を求められることもあります。
転職や退職が絡む場合は判断に迷いやすいため、自己判断せず事前に自治体へ相談して指示を仰ぐと安心です。
就労証明書は、保育園・認定こども園、学童保育の申し込みにおいて欠かせない重要な書類です。雇用形態によって記入依頼先が異なるほか、記載内容によっては選考や利用可否に影響することがあります。制度を理解したうえで、余裕をもって準備を進めることが大切です。
本記事では、就労証明書の基礎知識と使い道・雇用形態別の入手方法と依頼の流れ・記入時の注意点・提出までのスケジュールやトラブル対策について紹介しました。自治体ごとに運用が異なる部分もあるため、実際の申請時には最新の案内を確認しながら、本記事の内容を参考に準備を進めてみてください。