「子どもにプログラミングを学ばせたいけれど、何から始めたらいいのかわからない。」そんな悩みを持つ親御さんは少なくありません。最近では小学校でプログラミング教育が必修化され、関心が高まっています。そんな中、多くの家庭や学校で選ばれているプログラミング学習が「スクラッチ(Scratch)」です。
本記事では、スクラッチの概要・学ぶことで身につく能力・実際にできること・始め方を解説します。プログラミング学習を考える際の参考として、ぜひ最後までお読みください。
まず初めに、スクラッチの基本的な仕組みや特徴について解説します。
スクラッチはアメリカのマサチューセッツ工科大学の研究チームによって開発された、子ども向けのプログラミング教育ツールです。子どもの学びやすさを重視して設計されており、世界中の教育現場やプログラミング学習の場で広く活用されています。
一般的にプログラミングと聞くと、英語の文字や記号が並んだ画面を思い浮かべる人も多いかもしれません。一方、スクラッチは命令が色分けされたブロックとして用意されており、それらをパズルのようにつなげることでプログラムを作っていきます。文字を入力する必要がないため、操作を試しながら感覚的にプログラミングを理解しやすい点が特徴です。
また、年齢や理解度に合わせて無理なく使える点も魅力の一つです。小さな子ども向けの簡易版が用意されているほか、成長に合わせて表現の幅を広げていくこともできます。視覚的に学べる仕組みによって、楽しみながらプログラミングの考え方に触れられるのです。
スクラッチは特別な準備をしなくても、パソコンとネット環境があれば始められるプログラミング学習ツールです。ソフトを購入したり、複雑な設定を行ったりする必要はありません。公式サイトにアクセスすることで、すぐにプログラミングを体験できます。また、スクラッチはブラウザ上で動作するためインストール作業や更新作業の手間がかかりません。
利用にあたって料金はかからず、無料で使える点も大きな特徴です。追加費用を気にせず試せるため、「まずは子どもに合うか見てみたい」という際にも取り入れやすいでしょう。プログラミング教室や学校教材として広く使われているのも、このような導入のしやすさが理由の一つになっています。
スクラッチの具体的な始め方と操作方法については、後ほどご紹介します。
スクラッチには、完成した作品をインターネット上で公開できる仕組みが用意されています。公開ボタンをクリックすることで、自分が作ったゲームやアニメーションを世界中の人に見てもらえるようになります。
また、公開した作品には感想やコメントが届くこともあります。誰かが自分の作品を楽しんでくれたと知ることで、「もう一度作ってみようかな」という前向きな気持ちが芽生えます。さらに、他の作品を見て動きや仕組みを参考にできる点も大きな魅力と言えるでしょう。刺激を受けながら学ぶことで発想の幅が広がり、次の作品づくりへの意欲も高まっていきます。

スクラッチに取り組む中で、これからの時代に必要とされる様々な力を育てることができます。ここではスクラッチを学ぶことで育てられる能力をご紹介します。
スクラッチでのプログラミング学習を通して、物事を順序立てて考える論理的思考力が育ちます。「どう動かしたいか」「そのためには何を先に行うか」と考えながらブロックを組み立てるため、論理的に考える習慣が身についていきます。
また、試行錯誤を重ねる中で、「うまくいかなかった理由」や「次にどう直せばよいか」を考える場面も多くあります。こうした結果と原因を結びつけて考える経験は、学習面だけでなく、日常生活で考えを整理したり、人に分かりやすく伝えたりする力にもつながっていくでしょう。
キャラクターを動かしたり、背景を描いたり、物語を作ったりと、スクラッチは表現の幅が広いツールです。どんな動きにするか、どんなストーリーにするかを考えながら作品を形にしていく過程で、子ども自身の発想力や創造性が引き出されていきます。思い描いたイメージを自分なりの方法で表現できる点は、スクラッチならではの魅力と言えるでしょう。
また、画像や音、動きを組み合わせて作品を完成させる経験は、デジタルを使った表現力を養います。作ることを通して自分の考えを伝える力が身につき、プログラミング以外の場面でも役立つ土台が築かれていきます。
スクラッチを使った学習によって問題解決能力が育ちます。プログラミングでは、「どこで動きが止まっているのか」「どのブロックを直せばよいのか」と考えながら確認を進める場面が多くあります。スクラッチは画面上で動きをすぐに確かめられるため、原因を探しながら何度も調整を重ねることが可能です。こうした試行錯誤を繰り返す中で、課題を一つずつ整理し、順を追って向き合う経験が積み重なっていきます。
また、失敗を修正しながら完成に近づけていく流れは、問題を分析し、自分なりの解決策を見つけていくための良い練習になります。試しては直す、という過程を繰り返せる環境が学びを支えていくのです。
スクラッチでは、子どもの興味に合わせた様々な作品を作ることができます。ここでは代表的な活用例をご紹介します。
スクラッチではキャラクターや背景を選んで配置し、動きやルールを設定することで、オリジナルゲームを制作できます。ブロックを組み合わせる直感的な操作なので、プログラミングが初めての子どもでもゲーム作りに挑戦しやすいのが特徴です。障害物を避けながら進むアクションゲームや、クイズに答えて進行するゲームなど、アイデア次第で多様なジャンルのゲームを作れます。スコアやタイマーといった要素も簡単に追加できるため、完成度の高い作品に仕上げることも可能です。
短いアニメーションや物語を作成できる点もスクラッチの魅力の一つです。キャラクターを動かしたり、セリフを表示させたりすることで、ストーリーの展開を自分の手で作り上げることができます。文章を書くのが苦手な場合でも、動きや音を使って表現できるため楽しみながら取り組めます。決まった形はなく、短い物語からストーリー性のある作品まで幅広く作成できるため、アイデア次第で多様な表現が可能です。
スクラッチには音を鳴らす機能や、画面上で絵を描く機能があります。楽器の音を組み合わせた簡単な演奏プログラムの作成や、操作に合わせて音が変化する仕組みの組み込みが可能です。ペン機能を使えば、キャラクターの動きに合わせて線や模様を描くことができ、動きのあるデジタルアート作品を制作できます。色や太さを変えたり、繰り返し動作を加えたりすることで、表現の幅も広がります。プログラミングと芸術を組み合わせることで、理系・文系にとらわれない作品を自由に作れる点も、スクラッチならではの特徴です。

スクラッチは導入が簡単なので、ポイントを押さえればすぐに使い始められます。ここではスクラッチの始め方と操作の基本を説明します。
まずは、Scratch(スクラッチ)の公式サイトにアクセスします。URLは以下の通りです。
アクセスするとトップページが表示され、アカウント登録をしなくても作品の閲覧や基本的な操作画面を確認できます。
画面上部の「作る」ボタンをクリックすれば、すぐに制作画面が開き、ブロックを組み合わせたプログラミングを始めることが可能です。サイトは日本語表示に対応しているため、英語が苦手な場合でも安心して利用できます。
初めて使う場合は、親子で一緒に画面を見ながら操作することで、流れをつかみやすくスムーズに進められるでしょう。
スクラッチでアカウントを作成すると、制作した作品を保存したり、オンライン上で公開したりできるようになります。継続して使う予定がある場合は、アカウント作成がおすすめです。
登録は比較的シンプルで、ユーザー名とパスワードを設定し、年齢を入力するだけで進められます。利用状況によっては、保護者のメールアドレスを登録する画面が表示されることもあります。画面の案内に沿って進めれば、特別な知識がなくても迷わず登録できます。
アカウントがあれば、制作途中の作品の保存が可能です。また、自分の作品を公開したり、他のユーザーの作品にコメントを残したり、お気に入り登録をしたりと、スクラッチならではのコミュニティ機能も利用できます。
「まずは試してみたい」という場合、アカウント登録をしなくても利用できます。公式サイト上で簡単な作品作りを体験できるため、子どもに合っているかを確認するのに向いています。ただし、保存ができない点には注意が必要です。ブラウザを閉じると内容が消えてしまうため、あくまでお試しと考えるとよいでしょう。作品を残したい場合はタイミングを見てアカウントを作成するのがおすすめです。
スクラッチは、子どもが楽しみながらプログラミングの考え方に触れられる学習ツールです。特別な準備が不要で、家庭で気軽に始められる点は大きな魅力といえるでしょう。遊び感覚で取り組む中で、論理的に考える力や発想力、問題に向き合う力を養える点も特徴です。
本記事では、スクラッチの概要と特徴、実際にできること、始め方について紹介しました。もしスクラッチに興味を持たれた場合は、試してみるのも一つの方法です。まずは難しく考えすぎず、触れてみるところから始めてみてください。